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もし、私に大塚家具の中国市場を任せるなら

こんにちは、夏歓です。

最近、大塚家具の久美子社長と新取締役の陳海波氏は記者会見で中国市場への進出を高らかに宣言しました。

私も「どうやって中国市場への進出」及び「中国市場進出したら本当に大塚家具を救えますか」を考えましたが、正直言うと、状況は厳し過ぎて、考えてる自分も辛くなります。

まずは、「家具・インテリア業界の日中違い」からをお話しさせて頂きたいです。

概念:
日本は家庭用の家具(食器類、ベッド類、収納家具類等)やインテリア(カーテン、ブラインド、絨毯、カーペット、壁紙等)合わせて「家具・インテリア業界」と呼びます。
日中不動産業の違いにより(買主が行うリフォーム)、中国の「家具・インテリア業界」には一部分の「建築材料」も含めてます。
市場規模:
日本の家具年間商品販売額は1兆円超えます。矢野経済研究所のデータより、家具を含めて、ホームファッション小売市場規模は3.5兆円に近いです。
中国の家具・インテリア業界の市場規模総額は75兆円(1元=16.5円で換算、以下同じ)だと言われ、その中、家具の市場規模は大体17兆円になります。中国産業情報社により、家具を含めて、ホームファッション小売市場規模は41兆億円に近いです。
市場の「カタチ」及び「ブランド」
日本大手ニトリとスウェーデン大手IKEAのような家具やインテリアを中心に扱う専門小売店と違い、中国には「家具専門店」と「インテリア専門店」で分けることが多く、リフォーム業者も家具のオーダーメイドを承り、家具専門店のマーケットシェアを奪ってます。
日本にはニトリ1社で家具・インテリア市場シェア5割の寡占状態ですが、中国の家具ブランド売上高上位10社(欧派、ソフィア、顧家、尚品宅配、喜臨門など)を合わせても市場シェアの2割未満です。
中国不動産業界の「黄金時代」は既に終わってしまい、中国家具業界は「産能過剰」の状態になってます。
販売ルート
同じく「店舗+EC」ですが、中国市場には間も無く店舗は飽和状態になり、EC販売は圧倒的多いです。
日本は主に「リテール」だとすると、中国は「ニューリテール」になり、多様化が顕著に出ています。

一見すると、中国の家具業界は相当複雑で大きいです。この大きな市場には、大塚家具のターゲット市場規模はどれぐらいあるでしょうか?

家具業界全体的のターゲット層を見てみましょう。ここでは、「レンタル不動産業の日中違い」にもちょっと触れます。日本では部屋を借りるなら、ほぼ家具抜きですが、中国では家具付きがほとんどです。また、法律的にも、日本では借りる方が守られますが、中国では逆だと言われ、借りる方が部屋の中の物の変更はあんまりしないです。その為、中国には、家具業界のターゲット層は不動産の買主しかいません。具体的な数は「新購入の不動産」+「リフォームの不動産」、リフォーム率は既存不動産の10%だと思われます。

この中には、大塚家具を購入できる層の比率が分からないですが、100万ドル資産持ちの富裕層がターゲットだとすると、クレディ・スイス銀行の発表により、2018年度中国富裕層が348万人、総人口の0.25%ぐらいです。

もちろん、「ターゲット不動産数*富裕層比率」で推算出来ないです。大塚家具を購入できる層の「中産」を含めてないし、「富裕層」の中にも超高級家具ブランドを選ぶ「超富裕層」を含めてます。何よりも、中国不動産業界の「黄金時代」は既に終わってしまい、富裕層は不動産より金融商品を選びます。

一部分の「中産」が大塚家具を購入できる層ですが…皆さん、「Lipstick Effect」ってご存知ですか?「不況になると女性は自分をキレイにするため化粧品を購入するようになる」現象です。ちょっと具体的に説明すると、「中国経済が減速すると中国人は不動産や高級車の購入を控えめにする、その為、手元のお金が増え、いつもより少しいいものを購入するようになる」。その結果、大塚家具を購入するとしても、買って頂けるのは主に家具以外のインテリア雑貨です。(因みに、この間、決算書を発表する大勢の日本企業が「中国経済減速」を業績不振の原因にしますが、「Lipstick Effect」の理論で考えると、製品は車や贅沢品じゃない限り、「中国経済減速」は言い訳にしか聞こえません)

日本人が詳しいブランド、中国市場のプレーヤー三つを書いてみます。

IKEAとMUJIの共通点から言うと、知名度が高い、イメージが強い、その上に、トレンドを乗ってチャレンジするやスケール効果で値下げします。(3社店舗立地の考え及び情報発信スタイルもそれぞれ違いますが、ここでは省略します。)

残念ですが、現在の大塚家具は知名度が低い、イメージも出来てない、何よりも値段が高い、売れる共通点を一切持ってません。

大塚家具は一体どんなイメージするのが知りたくて、大塚家具新宿ショールームにも見にいきました。賑やかな新宿と全く反対に、客はほとんど足を運びません。そして、「汚れ」、意思不明の「Good Design」、買えるでも買う気ないの家具がチラリと並んでます。

去年の年末から、大塚家具は中国資本と提携、中国大手EC「居然之家」と提携を発表しましたが、これはあくまでも延命の「ICU(集中治療室)」で、「治療法」とも言えません。流通ルートを出来たとしても、デザインの良さがお客にちゃんと伝わらない、手前味噌で莫大な値段を付けて適当に置いて、客に「いいもの」を認めもらえないなら買って頂けないです。日本で売れない商品が中国で売れる訳はありません。

もし自分に大塚家具の中国市場を任せれるなら、いくつかざっくりした方向性を書いてみます。

·  ポジショニングを転換
プレーヤーの中で、「ライフスタイル」で宣伝するには「IKEA」と「MUJI」、「お、値段以上」で宣伝するには「ニトリ」があります。
差別化から考えると、「日本を代表する高級家具」より、「日本デザイン」でポジションを取るのは可能と思います。

·  知名度を上げ、情報発信を強化
「日本デザインの優れ」を中心にデジタルメディアで発信、商品に物語と命を与え、デザインのヒントを中国人の方々に伝え、「いいもの」を信じさせます。

·  ブームに乗り、ヒット商品を「作る」
例を挙げると、中国は猫ブームの最中で、大塚家具の「ペットと暮らすインテリア」をヒット商品として宣伝し、同時に商品の再開発を行うべきだと思います。

·  TMALL旗艦店(EC)&都市部に小型店舗を構え
中国市場には間も無く店舗は飽和状態になり、いきなりECサイトを作るも効果未知ですから、TMALL旗艦店(EC)と都市部に小型店舗からだと思います。もちろん、キャッシュフローの厳しさの考えも含めてます。

·  家具業務はインテリアデザイナープラットフォームとの提携を開拓
インテリアデザイナープラットフォームを利用する顧客から、手頃な顧客を絞り込み、「インセンティブ」の形で「デザイナー」を「アドバイザー」にします。
デザイナーから顧客に推薦も「暮らしのソリューション提案」の企業方針に合います。

·  インテリア業務は商品の厳選を重視
先ほども説明しましたが、一部分の「中産」は大塚家具のインテリア商品を購入できます。ニトリもMUJIが提供できない、中国客が好きな商品を見つけ出すべきです。

·  トレンドにより、ビジネスの多角化
中国市場に、販売された家具製品の中、部屋の大きさや形により家具のオーダーメイドはすでに30%を超えました。これから、オーダーメイド率はもっと上がるを見通し、オーダーメイドの試みを始めるといいと思います。

まとめ
中国は複雑な市場で、人口ボーナス期が終わり、及ぶ「経済減速」の現時点で、家具業界は相当厳しい状態になります。
知名度が低い、値段が高い、商品の良さもはっきりしてない「新ブランド」が苛烈な生存競争に参入すると、ポジショニングの再定義を行うことが必要です。
今まで日本で積み上げた経験やノウハウを全部捨てで、中国市場をリサーチ。トレンドにより、広い範囲でビジネスを展開、そしてモニタリング、また戦略の見直しを行います。
それでも、大塚家具を救えるかどうかは分かりませんが、延命よりマシです。

夏歓です。「中国」および「VC/創業/資金調達」について発信してます。
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メールアドレス:vivianxiahuan@gmail.com

以上。

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夏歓

中国VC経験者、現在は前職のVCが出資したスタートアップ企業2社(自動運転&サービスロボット)の日本進出にお手伝いしてます。 連絡はこちら: Vivianxiahuan@gmail.com

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