カップラーメンの朝
朝が寒くなった。
こう寒いと朝食に温かいものが食べたくなる。
僕にとってはカップラーメンのシーズンインだ。
とはいえ、毎朝食べることはない。
朝食にしてはカロリーが高くて量が多すぎるし、野菜がないのは良くない。
しかし色々と作るのが面倒くさい時に必要なので、1個か2個はストックしている。
袋ラーメンもあるじゃないかと思われるかもだけど、袋ラーメンの新陳代謝、言い方を変えればイノベーションは遅め。
最近、日清のラ王の麺が全粒粉入りになったのがイノベーティブだったし、その前はどん兵衛の鴨だし蕎麦の完成度の高さに驚いた。
でも藤原製麺(最近、新製品を出しすぎな気が...)の二夜干し麺を超える麺は出てきていないように思う。
つまりそれほど変化がないのだ。
いまだに一番売れているのはサッポロ一番みたいだし。
カップラーメンも一番売れているのはカップヌードルらしいが、割と新しいことをやっているので、時々買ってしまう。
最近は縦型が主戦場になってきて、丼の形に近い平型は新製品が少ないように感じる。
その理由は縦型はフライ麺(揚げ麺)が多く、麺は多少の太い細いはあるものの、基本的には麺に手を加えず、スープだけ工夫すればいいからだ。
平型はなまじ形が丼に近いため、リアルラーメンを指向している。
麺はノンフライ麺が多く、最近は小袋が4つくらい入っていたりもする。
かやく(具)、ベースの粉末スープ、元ダレになる液体スープ、香味油という構成だ。
徐々に現実のラーメンに近づいている。
ただし、平型最大のネックは麺だ。
400ml少々の熱湯の熱量で戻さなければならないし、戻った時点でコシが求められる。
これは現実的にはかなり厳しい。
加熱され続けている袋ラーメンならまだしも、温度が下がり続けるお湯で戻さなければならない。
麺を別茹ですれば解決するが、それはもはやカップラーメンではなくなってしまう。
あくまでワンカップのみで、手軽に作れなくてはダメなのだ。
今朝も開発者の苦悩が感じられるような製品に出会った。
正規の時間では、麺と麺がくっついて、持ち上げることが難しいのだ。
麺のほぐれを犠牲にしてでも、生麺らしい食感を追求しているということだろう。
僕はこういう商品に出会うと、試行錯誤して頑張ってるなぁ、ここからどういう解決策を見いだしてくるのだろうか?と面白くなる。
味も楽しみの要素だが、そちらのほうがよっぽど楽しい。
過去には半生麺をレトルトパウチして、お湯に浸けてほぐし、湯切りして作る製品もあった。
でもこれだと麺とスープの馴染みが悪かった。
粉末スープの中で戻すから、麺に味が染みて、ラーメンとしての一体感が生まれるのだろう。
具をレトルトパウチした製品もあった。
中に立派な角煮が入っていたりしたが、具を蓋の上で温めるのに熱量が足りなかったし、そもそも麺とスープが貧弱で料理としてのバランスが悪かった。
平型カップラーメンは試行錯誤の歴史だ。
縦型はカップラーメンらしさというか、カップヌードルの変形みたいなイメージで作られている。
だから、安定はしているけれど、突き抜けることは少ない。
激辛で目先を変えるとか、具をリッチにするとか、色々やってるが本質的ではない。
平型はリアルラーメンを指向しているから、まだまだ道のりは遠い。
でもだからこそ面白いのだ。
個人的にはノンフライ乾燥麺よりも、フリーズドライ麺のほうが面白いのではないかと考えている。
生麺らしさは現在のノンフライ乾燥麺のほうが上だが、独特のツルツル感があってスープとの馴染みが良かった。
それとも次世代の乾燥麺が出てくるのだろうか。
そんなことを考えながら平型カップラーメンを食べるのは楽しい。
今年の冬は何個くらい食べるかな?
朝から開発者の工夫と熱意が伝わる製品に出会いたい。
僕も負けていられないなと、朝から幸先のいいスタートが切れるだろう。
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