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ブレードの聖地としての静岡 -ブレードランニングクリニックとユニバーサルかけっこチャレンジ-

第3回目となったブレードランニングクリニック、今年は午前と午後の部に分け、午前を義足使用者向けのランニングクリニック、そして午後に誰もが参加できる50m走、ユニバーサルかけっこチャレンジを開催した。

午前は下腿義足3名、下腿義足1名、股義足1名、脚長差1名の合計6名の義足使用者が集まり、切断レベルや活動レベルよって4グループに分かれ、山本篤、佐藤圭太、池田樹生、4名のパラアスリートたちが指導を行った。

このうち下腿義足1名は断端が長く、ブレードをその場で付け替えることができなかったため、体験用義足を使用したランニングを行った。後日カスタムコネクタを制作し、ソケットにブレードを取り付ける予定である。

脚長差の子は厚底の装具をつけており、ブレードをつけるには新たに装具を作る必要がある。こちらも今回は体験用義足を使用し、後日対応できるようであれば、ブレードを取り付ける装具を制作できればと考えている。

午後には、60名ほどが合流し50mのかけっこ大会、ユニバーサルかけっこチャレンジをTeam Accelと開催した。この大会はタイムのほかに障害・性別・年齢によってポイントが計算されるため、誰もが同じスタートラインに立ち、公平に走ることができる大会である。

他の参加者と一緒に、午前ブレードランニングクリニックに参加した方々も初めての50mの測定を行った。その中でも、山本篤選手が午前からずっとトレーニングを行ってきた大腿義足のユーザは、切断後1年弱でこの日初めてブレードを使用したため、午前は歩くことすら難しい状態だった。山本篤選手が、午後になってもずっと基礎から厳しくトレーニングを繰り返し、最後にジョギングができるようになり、50m走に参加した際には大きな声援が送られた。

静岡県は山本篤選手(掛川)、佐藤圭太選手(藤枝)、春田純選手(清水)らを世界に輩出、最近ではパラスポーツの民間連携のためのふじのくにパラスポーツ推進コンソーシアムの設立、さらにパラスポーツの拠点を東静岡駅前に建設予定であることから分かる通り、昔からパラスポーツに注力している。今回のような義足のランニングクリニックも通常医療機関やメーカ主導が多い中、静岡県は県が主催である。目指すはブレードランナー、そしてパラスポーツの聖地だそうだ。少しでもその活動に貢献できればと思う。


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