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Xiborg 動くテクノロジー展 (TECNOLOGIA EM MOVIMENTO POR XIBORG)

概要

日本外務省は世界に3ヶ所(ロンドン、ロサンジェルス、サンパウロ)、日本文化発信の拠点としてジャパンハウスという施設がある。ここで昨年11月から今年の3月5日まで開催されているのがXiborg 動くテクノロジー展だ。

この展示はスポーツ用義足のテクノロジーを軸に、パラスポーツの歴史について、障害者がスポーツをすることの難しさ、国による格差、ジェンダーギャップ、スポーツ用義足の美しさ、多様な社会のためのパラスポーツ、身体の未来などを、展示やスポーツ用義足体験、そして各種イベントを通して幅広く学ぶことができる内容になっている。

展示のツアー動画はこちら

展示

上記の動画を見ればわかるが、展示には我々がこれまで開発してきたスポーツ義足(ブレード)のうち、以下の3種類が説明と一緒に展示されている。強くて軽いカーボンFRP素材で作られた美しいブレードが並んでいて、実際に触ることができるような展示になっている。

  • Xiborg Genesis(我々が2016年に初めて製品化したブレード。リオパラリンピックで佐藤圭太選手が使用、リレーで銅メダルを獲得。2017年世界パラ陸上選手権ではアメリカのJarryd Wallce選手が200mで金メダル、100mで銅メダルを獲得)

  • Xiborg ν(2018年に発表したモデル。2020東京パラリンピックではアメリカのJarryd Wallace選手とオランダのKimberly Alkemade選手がそれぞれ200mで銅メダルを獲得)

  • Xiborg Joy とJoy Jr. (2020年から行っているブレードの民主化プロジェクト、Blade for Allで開発したブレード。安価であり誰もが気軽に使えるエントリーモデル)

動画

展示スペースではブレードだけでなく、以下のような色々な動画が流れている。選手のインタビュー動画、ブレードの民主化を目指すプロジェクトBlade for Allの前身Run for AllのPV、NHK worldでの特集など、Xiborgを知っている人も知らない人も足がない人が走ることのかっこよさ、テクノロジーの貢献などがわかる内容となっている。

展示のために製作したけれど、展示されなかった動画。ブレードの製作過程がわかる。

写真・イラスト

代表遠藤が撮影した写真やピクセルアートのイラストも数点展示されている

佐藤圭太選手(トヨタ自動車)
佐藤圭太選手(トヨタ自動車)
ユニバーサルかけっこチャレンジ
男子100mの世界記録
女子100mの世界記録
オリンピック・パラリンピック(下腿義足のクラス)100mの優勝タイム

各種アクティビティ

代表遠藤が滞在した1週間にパラアスリートとの対談や子供向けのワークショップ・ギソクの図書館に関する講演・ブラジルパラリンピックコミッティでのランニングクリニックなど、さまざまなアクティビティが開催された。

スポーツ用義足体験

実際に選手たちが競技で使用してるブレードを体験できるスペースが用意されており、会期中毎日来場者はスポーツ用義足を体験することができる。

アクセシビリティへの配慮

今回のイベントは聴覚障害や視覚障害のある方への配慮もされている。
展示の案内には点字と立体的なパネルが使用されている。

パネルは立体的に作られており、触るとどのような画像かがわかるようになっている

また各展示や映像の下には2つのQRコードが用意されており、アクセスすると音声案内や手話での案内で情報を得ることができる

まとめ

この展示は外務省のプログラムの一環で行われたことからわかるように、Xiborg社のプロモーションではなく、パラスポーツが社会にどのような変化をもたらすかという一つの未来を提示する場である。会期も3月5日と残りわずか、そして場所もサンパウロと日本から地球上で一番遠い場所にあるが、万が一行けるチャンスがあればぜひきていただきたい。また、同じような展示に興味がある方、あるいは同じようなコンセプトで発信をお考えの方はぜひ一度連絡をください。

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