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未来に飛び立つ 最新宇宙技術(全3巻)

2024年度の学校図書館むけシリーズです。企画編集を担い、執筆編集をクウェストフォーさん、デザインをダグハウスさんが担当されています。
 
私はこれまで、10冊を超える宇宙関連本を手掛けて来ましたが、その決定版とも言える、情報量が豊富で、かつ、写真映えのするシリーズです。
 
本シリーズは、タイトルにあるように、現在、実際に宇宙で活用されている、もしくは近い未来活用が見込まれる、最新技術の数々を解説するものです。イーロン・マスクのスペースXを始めとする民間の宇宙企業の躍進もあり、世界ではここ数年で、これまで例を見ない規模と量の、新しいロケットや探査機が誕生しています。一方、我が国のJAXAも、探査機・SLIMの月面着陸やH3ロケットの打ち上げなど、ここ近年、度々、ニュースを賑わす明るい話題を提供しています。
 
こういった国内外の宇宙に関する最新の情報を、子どもたちにつたえることは、「理系への扉」的にとても意義があることだと思いますし、引いては、宇宙で実際に活躍する人材をつくるための「キャリア教育」の、大きな一助になるのではと考えています。
 
たとえばシリーズ第3巻は、宇宙に「住む」ことをテーマに、月面基地や火星探索など、すでに実用化へむけて始まっている技術をたくさん紹介している一冊です。読むだけでドキドキする、「宇宙の近未来」を感じて貰えるようなつくりになっています。
 
そんな夢のような情報がつまったシリーズなのですが、もともと、2023年度の刊行を目指して作成してきたものの、制作上の都合もあって、発刊日が先のばしとなってしまいました。これは、版元的にはとてもありがたく無い話なのですが、そのおかげで、当初の発売予定日にはISS長期滞在真っ最中だったはずの、若田光一宇宙飛行士のインタビューを載せることが出来ました。
 
じつは若田さんには、これまで手掛けて来た本においても、度々、お世話になっており、過去には、私が企画編集した本を読んでくれた子どものリクエストに応え、宇宙からメッセージを届けてくださるという、ビックサプライズの演出にご協力いただくようなこともありました。
 
偶然とは言え、若田さんの地球帰還直後の生々しいメッセージを盛り込むことが出来たことは、宇宙への子どもの夢を育むためにつくられた本シリーズにとって、これ以上は無い、大きな特長となりました。また、実際のISSでのエピソードが全3巻の各所で盛り込まれているので、そこからも若田さんの活躍の一端を感じ取って貰えるのではと思っています。
 
さまざまな宇宙機(ロケットや探査機の総称)の細かいスペック的な情報を上げながら、一部では動画も交えつつ、実機の活躍ぶりを解説しているので、自由研究にぴったりの内容です。身近に宇宙のことをもっと詳しく知りたいというお子さんがいましたら、ぜひ、本シリーズをご紹介いただければと思います。

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