見出し画像

[PSPP]分散分析(ANOVA)④

2要因の分散分析(混合計画)

2つの要因のうち、1つが被験者間要因、もう1つが被験者内要因である分散分析を混合計画と言います。

たとえば、生徒の学習形態(一斉指導、e ラーニング、アクティブラーニング)の違いが課題の理解に影響するかどうかを調べたいとします。生徒をランダムに3群に分け、事前テストを実施し、課題終了後に事後テストを実施して、学習形態別に得点の変化を比較することになります。

学習形態ごとに5名ずつの被験者がいて、事前と事後のテストの得点が、上のように得られたとして、学習形態による学習効果の差があると言えるか検討してみましょう。

2要因混合計画は、PSPPでは対応しておらず、SPSSでもAdvanced Modelsが必要であるため、1要因の被験者内計画同様に「ANOVA君」を用いた方法を紹介します。

・被験者内要因を列、被験者間要因を行にして、データを入力する。

この場合は、表のままということになります。

・被験者間要因、被験者内要因ともに1要因なので、[Between Factor][Within Factor]ともに、「1」と設定する。

・被験者間要因が3水準、被験者内要因が2水準なので、[A]を「3」、[B]を「2」と設定する。

・[rename]で、要因名、水準名を設定しておく。
・[Run]をクリック。


出力の見方

分散分析も4回目ですので、要点の部分だけ示すことにします。

<<ANOVA TABLE>>には、分散分析の結果が示されていますが、被験者間要因の学習形態と、被験者内要因である事前事後・交互作用と二つに分かれて、誤差(error)が2つ出力されていますが、これは混合計画では、被験者間要因と被験者内要因で用いる誤差が異なっているためです。

まず、交互作用(学習形態×事前事後)は、自由度(2,12)、F値が6.9802、有意確率が0.0098で1%水準で有意です。
事前事後の主効果は、自由度(1,12)、F値が8.0476、有意確率が0.0150であり5%水準で有意です。
学習形態の主効果は、自由度(2.12)、F値が0.6510、有意確率は0.5390で、有意ではありません。

<SIMPLE EFFECT>の下段では、まず事前事後の各水準における学習形態の単純主効果が示されています。

いずれも有意差は認められません。

続いて、学習形態の各水準における事前事後の単純主効果が示されています。学習形態のアクティブラーニングにおいて、事前事後の単純主効果が、自由度(1,4)、F値25.0796で、0.1%水準で有意です。

つまり、この場合、学習形態の違いによって事前事後のテスト結果には差が生じていると言え、アクティブラーニング群は事前から事後に得点が上昇していると言えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?