見出し画像

現場が母校でした。

なんということでしょう。

僕が未来を夢見てメンタルを壊すほど色んな経験をした某大学に送還されてしまった。移転作業ってふわっとしすぎだろ!!…僕が所属していなかった学部の実験室の什器が古くなったから廃棄をするという名目の業務だった。使い慣れた廃棄置き場を久々に歩く。「業者に頼む」の業者、に僕がなったのである。半年ぶりに合法で構内に侵入したのだった。

色々あったとはいえ7年もいた環境なのでこの身分で戻ってくる緊張こそあったものの感慨深くてなんともいえない日になった。今日僕が入った実験室はいったいいつから使われていないのだろう。僕が入学したのはちょうど10年前になるが、ちょうど10年前の大学の広報誌が捨てられず机に置いてあって驚愕した。見覚えのある表紙だ。ここは時が止まっているのだろうか。

まともに社会性が回復した暁には、恩師に健康になりましたといつか連絡をしなければならないと思っていた。水曜日の祝日がちょうど卒業式だったのでその時にでも挨拶をしようかと思っていたがこの日はフラッシュバックでだめだったので、もう今日しかないだろうと思って電話を掛けた。

どうも僕が面倒を見るはずだった学生たちは、病気持ちの子を除いて全員卒業したようだった。TOEICを600点くらいとらないと卒業できない鬼コースの生徒も3人くらい受け持っていたのだが、彼らもまた卒業できたらしい。僕は鬼コースでもなければ一般入試でもないのでそんなに英語はできないが、とりあえず心配していた子たちがちゃんと羽ばたいてくれてよかった。

恩師である教授に電話をかけて生存報告できたのは我ながら良かったのだが、今日は大学にはいないようだった。近況を話していると「ミュージシャンになったんじゃなかったの!?」と言われた。久々にはっとした。本気でこの人は僕のことをどんな人生になろうと応援してくれている。そんなことはとっくに知っていたはずだったのだが、いざそう言われると日銭稼ぎに来ている自分が恥ずかしくなった。東京に行かなきゃ仕事もなければ収入もないのがミュージシャンの現実だが、確かに働く難易度を下げてできることをやって経済的自立と健康を確信するターンはもうそろそろ終わりにしてもいいかもしれない。何か社会人として次のチャレンジが必要な気がしてくる。

僕のこの半年の動き

9月…上半期付で大学事務を辞職。正式にIT業界から離れる。
10月…ミュージシャンとしてバー経営を間近で見たくてバーテンダーになるも、生活習慣が終わっているのを引きずる&人間関係が合わず辞職
11月…音楽活動で得たマーケティング知識を使って求人サイトのInstagram運用に抜擢されるもスクリーンを直視していられず辞職
12月…ライブとレッスンだけで生活、東京を往復中に風邪を引きnoteを開設。ひきこもりながら伝を増やすも極貧状態へ。
1月…派遣会社に登録。大学周辺とバーしかこの街のことを知らない事実に孤独感を覚え初の長期フリーターへ。物流業界と出会う。
2月…寝坊遅刻うつ傾向が肉体労働で治る。脱リモートワーク、脱大学により職場に毎日通勤する感覚を人生で初めて味わう。自炊と節約を覚える
3月…物流倉庫と大学の経験を生かして隣町の事務員へ。一応上場企業。

迷走に迷走を重ねてきたがここにきて急に社会人としての肝が座り始めた。学生の頃からずっと持っていた「もっとちゃんとしなければならない」という感覚が杞憂に変わりつつある。人としての理想にも全然届いていなかったから余計焦っていたのだろう。半人前で蚊帳の外みたいな感覚で社会不適合をやってきたが、ここに来てやっと待ち望んだ自己効力感を感じている。

今まで僕は何かピンチになるたびに「まだ君には成功体験がないんだよ」と言われてきたのだが、この傍から見れば大したことのない生活は僕にとって紛れもない成功体験である。長らく自分に貼っていた無能のレッテルが取れていくのを感じる。まあ出るとこ出れば変わらず無能だろうけど。

バイトするか迷った駅前の本屋で。

帰り際、歩いて帰ると言えば送迎バスは乗らなくても済んだのだろうが、せっかくなのでバスに乗って駅前のいつもの本屋を久々に見ることにした。今まで興味があった本はみんな技術書か教養系みたいなもので、よく考えればお金の流れや企業、事業の仕組みに関してはさっぱりわかっていなかった。ここ最近、急激に社会の真の姿が見えてきたので、ずっと今日は個人事業主1年目がやることとか、営業の基礎とか、ライターの仕事の流れとか、マーケティングの基礎とか、複業のすすめとか、そんなのが並んだ棚でやたら時間を潰した。結局1冊を新書で、1冊を中古で買った。しばらくずっと貧乏だったから本はほとんど買っていなかった。新書を買うのはいつぶりだろう。

本は読まなくても積んでおくだけで読む気になるものといろんな人が言っているから、僕もそのつもりで買っている。一言一句読むわけではないが、それでも買いたいものだけを最近は買うようにしている。その瞬間では散財と割り切っても、人生に必要な投資として十分な内容が書いてあるものにはしかるべきタイミングでお金を出すようにしている。

しかし情報量の多い一日だったなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?