◆Born in Red Black Tea◆
「見ィーつけ茶」
午後三時。オチャノミズ・スゴイタカイビル中階層の喫茶店は、粉塵と瓦礫にまみれ、静寂に包まれていた。突如として爆発に巻き込まれたこの店に、既に動く者はいない。いや……一人いる。彼は、うつ伏せに倒れていた息のある者を発見して甲高い声を挙げた。出血が酷く、今にも死にそうだが。
「お前が最後だな! 起きろ!」
タキシードに身を包み、黒い覆面をつけた男が、サラリマン風の男の襟首を掴み、引き起こす。彼を救助に来たのだろうか? 否。男は彼の頬にナイフを当て、ペシペシ