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【聖杯戦争候補作】Reboot,Raven

手の中にあるのは、血塗れの短刀。

自分の血だ。襲ってきた奴は即座に殺したが、不覚を取った。物盗りではなく、オレの命そのものを狙った、刺客だ。……そりゃあ、狙われもしようなァ。裏はあいつらで、あろうなァ。疑り深いことだ。ま、オレがいない方が、クニは治まるか……。

トリカブト、か……。これはたすからぬか……な。傍らに駆け寄ってきた猟犬たちに命じる。
「鳥はもういい、人を呼びにいけ!」

ふ……そうは行っても……この山の中に人はおらんか……。
小屋まで行けば、毒消しが、ある……が……。まにあう……か………。

………だめだ……。■■■……ゆるせ。■■■の祝いには……行ってやれぬ……。

■■

できる……と 思うよ あんたにも たぶん

そうか……じゃあ……じゃあ

どうしたの? あんたは死んでから どうするのが お望み?

そうだ うん そうだなあ……… どこか よく見える高い所にいて 黙って見ていてやりたいな
オレの好きなみんなが あんまり ふしあわせなことにならないように そう願って……そして

できることなら ほんのすこしでいいから 力もかしてやれたら……いいと………………

■■■■■■■■■■


「なあ、ふしぎなものだな」
【そう、ですなァ……】

寒い朝。京都市左京区、高野川と鴨川が合流するあたり。
雪を被った、丹塗りの立派な楼門を眩しげに見上げて、男は呟く。それに答えて、もう一人の声が脳内に響く。

男は、年の頃三十半ばか、四十ほどか。外套とマフラーを纏い、たけ高くたくましく、よく日焼けしている。壮健なますらおだ。
楼門を抜けて進み、檜皮葺の舞殿の横をすぎ、中門をくぐる。本殿の前にあるのは、十二支を祀り守護するという小さな社。今年は、戌年か。入って左の中央、大己貴神。長い行列ができている。男はクスリと微笑み、拝礼した。そして、本殿に向き直る。

【ふしぎなものだ。オレが祀られておる社に参るとは、妙な気持ちだ】
【不思議ですなァ。私もまさか、遠つ御祖様に喚ばれるとは思いませなんだわい】

境内には参拝客が大勢いるが、相手の姿は、人の目には見えぬ。声も人には聞こえぬ。男の精神の内にいるからだ。他人に物狂いと思われぬよう、男は会話を念話に切り替えた。

ここは下鴨神社。正式には『賀茂御祖(かものみおや)神社』。近くの上賀茂神社こと『賀茂別雷神社』と共に、山城国一宮とされる。祭神は、東殿が玉依姫命。上賀茂神社の祭神の母だ。西殿は、その玉依姫命の父、賀茂建角身命(かものたけつのみのみこと)。古来山城国を、平安京を守護してきた山城賀茂氏の氏神である。

男は、自分がその神だという。精神に異常をきたしているわけでもない。まことにそうだからだ。といって、別段の異能は持たぬ。世のつねの人であるに過ぎぬ。異能というなら、彼の脳内の霊の方が、よほど異能であろう。

その霊は……男にのみ、姿がありありと見えるが……男よりは、やや若い。鼻が高く、痩せて長身。片手に錫杖を執り、片手に経巻を持つ。頭に角のような頭巾を被り、袈裟と篠懸を纏い、脛をむき出し、足元は高下駄。いわゆる山伏、修験者の姿だ。
男は先程の小さな社を振り返る。

【見よ。ここに、オレの父上が祀られておるわ。オレやお前よりは、よほど有名だ】
【ええ、まァ。喚ぼうと思えば喚べますが、どうしましょうか】
【いやいや、眠らせておいてやれ。ここは人が多すぎるわ】

悪戯っぽく笑い、小声で囁く。はて、しかし。喚ばれた神は、果たしてオレの父上であろうか。だいいち、オレに娘がいたろうか。ここが異(こと)つ世であることは承知しておる。となると、事の流れも異なり、別人が祀られておるのではなかろうか。そう思うと、妙に可笑しい。本殿を拝み、中門を抜け、境内を散策する。

やがて楼門をくぐり、森の中の参道に戻る。左右に屋台。……ポツリと、男が尋ねた。
【なあ。お前、家族はいたか】
【妻子は持ちませんでしたが、父母がおりました。母は長生きしましてなァ……】
【そうか】

男に今、家族はない。父母はとうに死んだ。妻は……いない。気楽な一人暮らしだ。かつてはいた。父母と弟妹と、妻と、幼い男児が。あれからなんと千八百年。そりゃあ彼らも、古社に坐す神々にもなろう。

【むかし、使役しておった神に讒訴されましてな。神使いが荒いとゆうて、人に依り憑いて、謀反の疑いありと。それだけならどうとでも出来ましたが、老母を人質にとられては、逆らうわけにも参りませず。おとなしく流刑となりました】
【そうか。よいことをした】
【東国にも行きとうございましたし、これも仏神の導き、ちょうど良い折かと思いましてな】

男に取り憑いているこの霊は、有名人だ。魔術師(キャスター)としては、この日本では屈指であろう。真名は、『役小角(えんのおづぬ)』。役行者、役優婆塞とも。今より千三百年以上前、飛鳥時代に活躍した呪術者。仙術や雑密を学び、修験道を開いたとして世に名高い。彼の出身氏族は、加茂役君(かものえだちのきみ)という。古代の有力氏族・加茂(鴨・賀茂)氏の一派である。

何の因果か、因縁か。彼に振り当てられたマスターは、あろうことか、その加茂氏の祖神。『武(タケ)ツノミ』と名乗った。

はじめ、狂人かと疑った。世の中に、おれが神じゃという者は山ほどおる。が、あまりに自信満々に言うものだから、記憶を覗いて見た。さすれば、どうだ。於投馬(イヅモ)、邪馬台(ヤマト)、纏向、卑弥呼、徐福。スサノオ、ナムジ、オオドシ、タギリヒメ、ナガスネヒコ、イワレヒコ。名高い神々が、かつてはただの人として、この倭のしまじまを舞台に生き、死に、戦い、愛し、這い回っておったという。

さもあろう。神というのは、自然が形を取ったものばかりでもない。人が信じるからこそ存在し得る。英雄が神と成ることに、何の不思議がある。彼が歴史に於いて成し遂げたことは、このクニの建国者の輔佐だ。集めた信仰も長く篤い。英霊となり、神霊となっていても、不思議はなかろう。

ただ、どうも……この遠つ御祖様の世と、自分の世とでは、物事の流れが異なるようでもある。かつて葛木、熊野、大峯を経巡り、数多の鬼神と顔を合わせて語った。その中に、八咫烏、賀茂建角身命もおられたはずだ。だいいち、卑弥呼は筑紫日向ではなく、もともと纏向におったのではなかったか。自分はそう聞いている。まあよい。いずれにせよ、彼は武ツノミ本人だ。どちらが間違いというのでもない。三千大千世界の何処かには、そのような世もあるのだろう。

【それで、ツノミ様。聖杯戦争とやらには】
【乗らぬ。ここで生きておるだけでも儲けものだのに、万能の願望器だと。オレがいまさら、そんなものを望むような男に見えるか】
【見えませぬな。私も別に、この世に未練もなし】
【それなら、こんなばかな殺し合いをやめさせるか。それとも、英霊だけで殺し合うか、だな】

キャスターがツノミの精神の内で顎を撫で、見解を述べる。

【原理的には……聖杯戦争というのは、人を殺さずともよいようには、出来ております。英霊というのは半神の英雄、鬼神の類ゆえ、倒すのは難しい。となれば、その主人を殺した方が手っ取り早い、というわけで。主人が死ねば、使われておる英霊も程なく消えてしまいますでな。あとはまぁ、脅して降りさせる、ということも出来ましょう】

【それならよい。オレはお前に取り憑かれておるが、常人に過ぎんのだ。お前は有名な英霊なのだから、なんとかできよう】
【相手にもよりましょう。たとえば……】

ふっと話を切る。一瞬後に金属音がして、上から襲ってきた剣が跳ね返される。
【!】
敵の英霊だ。ひと気の途切れた森の中で、襲って来たのだ。
【敵か。何者かわかるか、オヅヌ】
【そこまでは。ただ装束からして、倭や韓、漢のものではなさそうで。天竺よりも西か……】
キャスターが、ツノミが、目を細める。よく気配を隠しておるが、この場所で彼の目を欺くことなど出来はせぬ。

『ほうほうほう。今、なにでわしの剣を防いだ? ぬしはマスターじゃな。サーヴァントはおらぬのか?』

男の声。禍々しく歪んだ、西洋風の甲冑に身を包んだサーヴァントが、森の闇から姿を現す。ツノミが誰何する。
「名乗らぬか、英霊殿」
相手はぐつぐつと笑い、血塗れの剣を向ける。
『見ての通り、わしは「セイバー」よ。人を斬り苛むのが好きで好きでたまらぬ。特に魔術師や英霊をな』

ツノミが眉根を寄せる。これは物狂いの霊であろうか。戦狂いというなら、バーサーカーではないのか。
「セイバー。剣士か。なるほど、剣に取り憑かれたか」
【その程度の者なら、祓ってみせましょうか】
『なぁめるなぁッ! きぃェーーーッ!』
事も無げに話すツノミに、セイバーが激昂して斬りかかる。恐るべき速度!

がしん。セイバーの剣がツノミの数歩前で止まる。止めているのは、大きな斧。それを持つのは、巨大な。ツノミの後ろには、水瓶を持つ小柄な女の鬼が現れる。
『ぬしのサーヴァントか……! 否、二体とは……使い魔のたぐいか……!?』
【あるじ様。私が脳内におり、この者らが前後を護る限り、心配はいりませぬぞ】
キャスターが脳内で微笑む。ツノミは……ツノミの肉体は冷徹な表情となり、印契を結び、真言を唱える。

オン・マユラ・キランデイ・ソバカ

静けさを取り戻した森に、ツノミはふうっと大きな息をつく。遠くに参拝客の声。キャスターの幻術かなにかで、騒ぎは一般人には見えず、聞こえなかったようだ。セイバーは……消滅している。

【たいした力だな、オヅヌ】
【さしたるものでも。……ここは祖廟の地ゆえ、他所より力は強まりますが、戦場とはしたくありませぬな】
鬼たちは姿を消しているが、いる。キャスターがいる限り、彼らは常に付き従っているのだ。

【どこがよいかな】
【街なかはあまり、好みませぬ。やはり、山がよいかと。比叡、鞍馬、愛宕……このあたりも、よう知っております】
【そうであろうな。この都の北は山ばかり、丹波を越えて北の海まで続いておる。葛木や熊野、大峯ほどではないが、よい山だ】

ツノミが懐かしげに目を細める。イワレヒコ様が日向より遷られてから、ご子孫は連綿と続き、宮居は幾度も代わったという。今は遥か東国におられるとか。何処にても、我が加茂の族(うから)が仕え奉り、助け奉って来たことだろう。……ふと、思い至る。

【……ひょっとして、それで山背(やましろ)の国と呼ぶのだったかな】
【いえいえ。ヤマトの北端、那良(なら)山の背後(うしろ)にあるからです。ここよりはだいぶ南、木津川のほとり……あのあたりにも、加茂という地名がありますな】
【そうか。しかし……】

ツノミは、北の空を見やる。雪はやんでいるが、曇天だ。
【真冬の山中は、寒かろうな。オレは宗像の沖ノ島や日向で暮らしたゆえ、温暖な海辺がよいが……】
【まあ、一旦ご自宅へ戻り、身支度なさいませ。本格的に戦が始まるのは、まだ先のことでござろう】
「そうだな。……おお、甘酒が売っている。飲んで行こう。寒い寒い」

肉声に戻り、おどけるマスターに、キャスターは微笑む。これも因縁だ、彼を護らねばなるまい。とはいえ、自分や彼のように、聖杯など欲しくもない者まで喚ばれておるというのは、不思議ではある。殺し合いを見て愉しむような外道の輩が背後におるのは間違いなかろう。敵というなら、そちらが敵だ。

【糾さねばならぬ、な……】

【クラス】
キャスター

【真名】
役小角@古代日本

【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷A 魔力A++ 幸運B 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別スキル】
陣地作成:B+
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。“工房”の形成が可能。然るべき地脈と接続すれば、戦術的にも優れた“城砦”の建設も可能。

道具作成:C
魔術的な道具を作成する技能。霊符や霊薬、仙丹などを作成できる。

【保有スキル】
仏の加護:A
呪いに対しての守り。同ランクの「対魔力」にも相当。A以下の魔術は全てキャンセル。事実上、現代の魔術師では傷をつけられない。守護神は孔雀明王であり、魔を祓い、毒や病気を瞬時に癒やす他、空中を飛行することも可能である。他に金剛蔵王権現、不動明王、地蔵菩薩、弁才天、大聖歓喜天などの力も借りることができる。

修験道:EX
山界での修行の末に得た魔術体系。仏教・密教・神道・道教・陰陽道・神仙術・呪術・幻術・医術などが渾然一体となった強力な法術。修験道の開祖として高度な術を使うことが出来、千里眼・圏境・縮地(仙術)をAランクで使用可能。また地霊や鬼神、動物を使い魔として召喚・使役できる。霊地や霊脈、山々からの霊気を吸うことで、マスターなしでも魔力を容易に補給できる。あまりに人工的な環境では、やや力が落ちる。

鬼神呪禁:A
ランク以下の鬼神(神霊、鬼種、天狗)を法力と葛縄で呪縛し、命令を強制的に聞かせる事ができる。魔物や禽獣にも覿面に効く。日本、中国、インドの鬼神には特に効くが、それ以外の鬼神には効果がやや落ちる。対魔力である程度防げる。

目覚めた人:A
求道の果ての悟りの境地。いかなる環境・状況にも左右されない不動の精神。あらゆるものを客観視し、自身を制御し、精神面への干渉を無効化する。

【宝具】
『金剛不壊前鬼後鬼(ヴァジュラ・オン・アーク)』
ランク:A 種別:対人/結界宝具 レンジ:1-50 最大捕捉:100

キャスターの従える二体一組の護法鬼神。常に一対で行動し、前鬼はキャスターの前方を、後鬼は後方を護る。前鬼は金剛の斧を振るって戦い、後鬼は水瓶から退魔・治癒の霊水を注いでサポートする。二体揃えばなまなかなサーヴァントを凌ぐ。この両鬼に前後を護られた空間・対象は、極めて堅固な物理的・魔術的障壁に護られているに等しく、幻覚や精神攻撃もランク分まで防ぐ。

【Weapon】
錫杖、金剛杵、葛縄、霊符などを虚空から取り出し、憑依しているマスターの肉体を自在に操って戦う。

【人物背景】
役小角(えんのおづぬ)。役行者(えんのぎょうじゃ)、役優婆塞(えんのうばそく)とも。飛鳥時代の呪術者であり、修験道の開祖。史実としては『続日本紀』文武天皇三年(699)の記事に「葛木山の呪術師・役君小角を、人心を惑わしたとの訴えにより伊豆島に流した」とある。また呪禁者の韓国連広足(からくにのむらじ ひろたり)が師と仰いでおり、鬼神を使役して水や薪を採らせ、従わないと呪縛したと伝える、とも記されている。実は広足が師匠を讒訴したとは記されていないが、そう読むこともできるので、後世にはそのように伝わっている。

伝説によれば舒明天皇6年(634)、大和国葛城上郡茅原郷(現・奈良県御所市茅原)に住む加茂役君(かものえだちのきみ)の家に生まれる。17歳の時、元興寺で孔雀明王の呪法を学び、葛木・熊野・大峯の山々で修業を重ね、吉野金峰山で金剛蔵王権現を感得、修験道の基礎を築いた。また鬼神を自在に呼び出して操る事ができ、前鬼と後鬼という二体の鬼を常に従え、各地の霊山を巡り歩いた。なお奈良県御所市蛇穴(さらぎ)町には、若き役行者が鴨の神と共に清姫めいたヤンデレ蛇女を封じたという伝承が残っている。

のち諸国の神々を動員して葛城山と金峰山の間に石橋を架けようとしたが、一言主神は自分の姿が醜悪なので夜間しか働かなかった。小角はこれに立腹して折檻したので、神は人の口を通して「役行者に謀反の疑いあり」と讒訴した。そこで朝廷は、小角の老母・白専女(しらとうめ)を人質にして小角を出頭させ、伊豆大島へ配流した。小角は日中こそ島でおとなしくしていたが、夜になると海上を歩いて本土へ渡り、富士山へ登って修行に励んだ。
2年後の大宝元年(701)正月に赦されて帰り、6月に摂州箕面の天上ヶ岳で入寂、昇仙したという。

『日本霊異記』によると、のちに道昭法師が新羅国で五百の虎の請いを受けて法華経を講じた時、虎集の中に一人の人がいて日本語で質問してきた。法師が「誰か」と問うと「役優婆塞である」と答えた。法師は高座から降りて探したがすでに居なかったという。ただ道昭が唐に渡ったのは白雉4年から斉明天皇6年(653-660)のことで、文武天皇4年(700)には遷化しており、この伝説は年代が不正確である。

中世には修験道の開祖として尊崇を集め、各地で役行者の伝承を含む縁起が成立。『役行者略縁起事』では大日如来の変化、不動明王の分身とする。寛政11年(1799)には没後1100年記念に光格天皇より「神変大菩薩」の諡を賜った。京都市内では愛宕山や聖護院、醍醐寺とも縁がある。弘法大師空海や安倍晴明と並ぶ、日本版マーリンみたいなチートキャスター。

【方針】
聖杯は不要。主催者の思惑を探り、聖杯戦争を解体する。それが今の自分の使命なのだろう。当然マスターの肉体と精神はしっかり護る。

【マスター】
ツノミ@神武

【Weapon・能力・技能】
鍛え上げられた肉体。宗像の沖ノ島で育ったため水泳も得意。山にも慣れており、飛ぶように野山を疾走する。しかし常人の範疇を出るものではない。武術の心得もあるが、精神は古代人であるため、現代の武術は新たな記憶上のものに過ぎない。自らのサーヴァントであるキャスターを脳内に宿らせており、二重人格じみて二心同体。精神と肉体を直接キャスターに護られている。

【人物背景】
安彦良和の漫画『神武』の主人公。記紀における賀茂建角身命、八咫烏、味耜高彦根命に相当する。作品上では、3世紀前半の倭に生きていた人間。英雄ナムジ(大己貴命・大国主神)とタギリ(多紀理毘売命)の子。母方より於投馬(イヅモ)王スサノオと日向邪馬台の女王ヒミコ(天照大神)の血をひく。壮健な中年男で、カラスのように黒く日焼けしている。令呪は右手の甲、ナムジの額の刺墨と同じデザイン。

【ロール】
元警察官の施設警備員。ヒゲは剃っている。

【方針】
聖杯は不要。主催者の思惑を探り、聖杯戦争を解体する。せっかく第二の人生を送れているのだし、キャスターの目的のためにも必要であろうから、死にたくはない。

【把握手段・参戦時期】
原作(全4巻、前作『ナムジ』の続編)終了後。死にゆくさなかに何かを手渡され、この地に無傷で転移した。

◆◆◆

これは「京都聖杯」に投下した候補作だ。舞台が京都なので多少は縁のあるやつがいいだろうと思い、孔雀のやつから役小角を思い立ち、彼と関係のあるマスターと言えばこいつだと思って決まった。卑弥呼からの連想もある。安彦先生の漫画はセリフなどに独特の味わいがあり、それを真似てみた。

ツノミは八咫烏だ。なので、忍殺のあのサブタイトルを借りた。以後、京都聖杯のおれの候補作のサブタイトルは、全て忍殺由来だ。音楽ネタばかりでも芸がないしな。宝具名は見ての通りだ。

【続く】

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