前回のあらすじ：ソウカイヤ外交部門の三人は、集金部門の不正調査の結果、バイコーンとゼブラという二人のニンジャがソウカイヤを裏切り、敵対組織ザイバツと手を組んでいることを突き止めた。彼らが潜む地下秘密クラブへ駆けつけ、ついにイクサが始まる！カラダニキヲツケテネ！

◆

「イヤーッ！」ゼブラはシマウマめいた光学迷彩ローブで姿を消し、マキーナの背後へ出現！アサシンダガーで斬りかかる！SLASHSH！「ハイヤーッ！」マキーナは華麗にカンフー・ブリッジ回避し迎撃のキック！「グワーッ！」命中！「イヤーッ！」ブルータルライオンはバック転&スリケン！

「イヤーッ！」ゼブラはスリケンをブリッジ回避！「ウオーッ！」バイコーンは高圧電流を帯びた角をサスマタめいて振るいマキーナに突進！ZZZTTT！「ハイヤーッ！」紙一重ブリッジ回避！ワザマエ！だがバイコーンの角からはさらに強烈な妨害電波が放たれる！危険だ！「撤退重点！」「了解！」

「「ハイヤーッ！」」マキーナとフォーコは右側のドアを蹴破り、奥の小部屋に突入！ゼブラとバイコーンを分断せんとす！「ギャハハハハ！鬼ごっこか！」バイコーンは下劣に嘲笑う！男を二人がかりか、それとも……？「油断するなバイコーン＝サン！」「テメエがスットロいからだろうがよォ！」

「ア？」「ア？」二人のニンジャは睨み合い、邪悪に嘲笑った。「「ギャヒヒヒヒ！」」ブルータルライオンの額に汗がにじむ。相手はやはりかなりの手練れ、二人がかりで来られれば危険だ。フューネラルが来れば勝てるだろうが、妨害電波により連絡できない。彼が来るまで持ちこたえねば！

戦闘継続

2ターン目

「貴様から死ね！イヤーッ！」ハヤイ！ゼブラは光学迷彩ローブで姿をくらまし、ブルータルの背後に出現！心臓めがけアサシンダガーを繰り出す！どくん……！ブルータルはアドレナリンを過剰分泌し、必殺の攻撃を……「ハイヤーッ！」ブリッジ回避！そのままバック転を繰り出して離脱せんとす！

「ギャヒハハハ！テメエも男がいいか！イヤーッ！」バイコーンは下劣な笑い声をあげながら連続側転！ブルータルの生体LAN端子めがけ強烈な遠隔ハッキング攻撃をかける！恐るべきエコノミック・カラテだ！「kill-9 U！」「い、イヤーッ！」ブルータルはとっさにポートを閉じて防御！

「「ハイヤーッ！」」分断失敗！マキーナとフォーコは瞬時に状況判断し、小部屋の南側のドアを蹴破ってブルータルと合流！ゼブラにスリケンを連射する！「イヤーッ！」キキキキィン！ゼブラは巧みにアサシンダガーを振るい全て弾き落とす！タツジン！「逃がすかよォ、サンシタどもが！」

3ターン目

「イヤーッ！」ゼブラはブルータルの背後に回り込み、凄まじい連続攻撃を繰り出す！狙うは手首と内臓だ！「くっ……！」ブルータルは歯を食いしばる。どちらを食らってもヤバいが、手首は特にまずい。側転が困難になり、逃げ切れない！ならば……「グワーッ！」あえて内臓への一撃を食らう！

「むッ」「い、イヤーッ！」肉切り包丁で骨も斬る！手首への一撃を紙一重で躱し、必死で側転！血を撒き散らしながらドアを蹴破り逃走！「逃がすかっつってんだろーがァ！」「行かせないね！」「ファック・オフ！」マキーナとフォーコが立ちはだかる！「テメエからくたばりやがれーッ！」

　バイコーンは狂乱したメキシコ象のごとく、高圧電流を帯びた角を振りかざして突進！フォーコをキリタンポめいて串刺しにせんとす！アブナイ！「イイイ……ハイヤーッ！」フォーコは勢いを利用し、アイキドーめいたカンフー・カタパルト・スローで投げ飛ばす！タツジン！「グワーッ！」

　バイコーンは東側の壁に叩きつけられるが、ギリギリでウケミをとった！「逃げるね！」「了解！」立ち向かっても勝ち目はない！逃走重点！「「ハイヤーッ！」」二人はブルータルの後を追ってドアから飛び出した！「クソが！だがその先はセキュリティ・ドアだ！もう逃げられねェぞ……！」

　バイコーンは激怒しながら嘲笑う！その時だ！

『フォフォフォハハハハハハハハ！』

？？？

　ゴウランガ！蹴破られたドアから、無数の極彩色の蝶が飛び込んできた！「「ヌウッ！？」」蝶はゼブラとバイコーンを覆い、ぐるぐると旋回し、空中に異様な人影となって屹立する！『ドーモドーモ、フューネラルです！』

◆フューネラル（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　　９　　　　体力　　　　　　　２０
ニューロン　　　　１５　　　　精神力　　　　　　２６
ワザマエ　　　　　１２　　　　脚力　　　　　　　　６/Ｎ
ジツ　　　　　　　　７　　　　万札　　　　　　　３０

攻撃/射撃/機先/電脳　１２/１５/１５/１５
回避/精密/側転/発動　１６/１２/１２/２６
即応ダイス：４　緊急回避ダイス：３

◇装備や所持品
◆ステッキ（カタナ扱い）
◆伝統的ニンジャ礼装一式：体力・回避・発動判定・交渉判定＋１、
　精神力＋２、緊急回避＋３、脚力ダメージ軽減１

◇ジツやスキル
☆バロン・ニンジャソウル、ジツLV７
　☆カナシバリ・ジツLV３
　★コブラ・ゲン・ジツ：手番終了時に精神力１消費し瞬時発動（H）
　　戦闘終了か術者に体力ダメージが入った時まで、術者と同じ部屋におり、
　　かつ術者よりイニシアチブの低い敵全員に攻撃・射撃難易度＋１
　　他の環境効果とは累積しない（より強い方のみ用いる）
　★★グレーター・マインドブラスト・ジツ：精神力３消費し発動（H）
　　術者を中心とする５×５マスの敵全員に体力・精神力D３ダメージ
　　回避難易度H、１体を選んでUH　ダメージを受けたモータルはターン終了まで麻痺
　　出目６６６で成功すると、ダメージを受けた敵全員はターン終了まで移動不能
　★★モウドク・ダート：手番開始時に精神力２消費し瞬時発動（H）
　　戦闘終了まで術者のスリケン/ナガユミに毒ダメージ＋１
　　この射撃で体力を１以上減らした敵には精神力ダメージ１
　★★★デッドリー・ノロイ・ジツ：精神力４と回避ダイス４を消費し発動（UH）
　　次のターンからの開始フェイズに、標的１体に対し自動的に体力１、回避ダイスダメージ４
　　戦闘終了か術者に体力ダメージが入るか、標的がマップから取り除かれるまで継続
　　回避・抵抗・軽減は不能　標的変更や再使用は効果終了まで不可
　　出目６６６６で発動成功すると、発動フェイズの終わりに効果開始
　◉◉グレーター級＆アーチ級ソウルの力：ニューロン＋ジツ＝精神力、カラテ＋ジツ＝体力

◉ニンジャソウルの闇（３）：体力および攻撃・射撃・ジツ発動判定＋３
◉不屈の精神：精神力＋２
◉翻弄：自分よりイニシアチブが低い敵のみを攻撃・射撃の標的にしている時、ダイス＋１
　敵集団で最大イニシアチブを持つ敵との差が３以上なら＋２、６以上なら＋３
●連続攻撃２、連射２、時間差、マルチターゲット
●ニンジャ第六感：シナリオ中１回だけ判定ダイスを振り直せる
◉知識：ソウカイヤ、知識：オキナワ、ヤクザの流儀
◉交渉：煽り、駆け引き

能力値合計：５０

「ど、ドーモ、ゼブラです」「バイコーンです」両者はアイサツを返し、絶望した。ソウカイヤ屈指の実力者だ。二人がかりでも勝てるかどうか……！『君たちはソウカイ・シンジケートを敵に回した。その意味をよーく考えてご覧なさい。たとえ今ここで私を倒しても、一生気が休まりはせぬよ！』

「……う、ウオーッ！」バイコーンは叫んだ！「上等だコラー！アンタを倒せばザイバツからも一目置かれる実力者ってわけだ！」「……くっ」ゼブラもやむなくアサシンダガーを構える。フューネラルといえど相手は一人、攻撃が急所に当たれば倒せるはずだ！『元気があって大変よろしい！』

　フューネラルは手を打って悦ぶ。『しからば勝負だ。私が負ければ諸君はザイバツへ行くがいい！』「「ウオーッ！」」一撃必殺アトモスフィア！

戦闘再開

4ターン目

『フォフォフォハハハハハハハハ！』フューネラルがステッキを打ち振ると極彩色の蛙やムカデ、蛇やイナゴがあたりを飛び回り、ゼブラとバイコーンに襲いかかる！「グワーッ！」バイコーンはまともにジツを食らって悶絶！「い、イヤーッ！」ゼブラはゲン・ジツと見抜き必死で躱す！『ほう！』

「「イヤーッ！」」ゼブラはフューネラルへ斬りかかり、バイコーンはスリケンを投擲！だがゲン・ジツに阻まれる！フューネラルはステッキでゼブラの一撃をいなし迎撃！『イヤーッ！』「グワーッ！」命中！『フォハハハ！二対一では流石に不利か！では、こうだ！』フューネラルが指を鳴らす！

　ドアを覆っていた幻がうねり、歪み、穴を開けた。その彼方にいるのは！「「「イヤーッ！」」」ブルータル、マキーナ、フォーコが一斉にスリケンを投擲！狙うはバイコーン！「アバババーッ！」ゴウランガ！バイコーンの全身にスリケンが突き刺さり、爆発四散は免れるも昏倒！戦闘不能！

「バカな！？ひ、卑劣！」ゼブラは狼狽した。これでは四対一！『褒め言葉と受け取って置こうかね』フューネラルは嘲笑い、ドアを再び幻で覆う。『さてさて、これで一対一。いざ尋常に勝負だ！』「お、オノレ！」ナムアミダブツ！なんたる欺瞞！ネズミ袋のゼブラはヤバレカバレで構える！

5ターン目

『フォフォフォハハハハハハハハ！』フューネラルはまたも極彩色の蝶の群れを解き放ち、幻影に紛れてゼブラへ飛びかかる！SMASH！「グワーッ！」ゼブラはステッキの一撃を食らい弾き飛ばされる！KRASH！「グワーッ！」壁に激突！無視できぬダメージだ！そしてここにとどまればスリケンが！

「い、イヤーッ！」ゼブラは側転で離脱しスリケン投擲！だが分厚い幻影に遮られ命中せず！『おやおや、逃げるのですか？斬りかかってくれば私を仕留められたかもしれないのに！』フューネラルは邪悪に嘲笑う！コワイ！

6ターン目

　フューネラルは両手の指でカメラフレームめいた四角い窓を作り、ゼブラに邪悪な視線を向ける。『チーズ！』ZOOOOOM……！ゼブラの周囲に幻影が集まり、ドクロじみたマークが頭上に出現する。相手をじわじわと呪い殺す凶悪非道なジツ、デッドリー・ノロイ・ジツだ！「何をした……！？」

　ゼブラは寒気をおぼえ、訝しんだ。直接何らかのダメージを受けたわけではないが……！『かかってきなさい。私にダメージを与えれば、そのジツは解除されます。さもないと……』「くっ……！」ゼブラはニンジャ第六感で直感的に理解する。だがフューネラルに駆け寄ればスリケンの斉射を食らう！

「い、イヤーッ！」ゼブラはやむなくスリケン投擲！だがフューネラルは難なく躱す！『惜しい、惜しい』フューネラルはパンパンと手を叩く！

7ターン目

　ZOOOOOM……！ゼブラの頭上のドクロが嘲笑い、蛇めいた黒いエテルが絡みつく！「グワーッ！？」ゼブラは生命力を吸い取られよろめく！『フォハハハハハハ！イヤーッ！』フューネラルは極彩色の蝶の群れとともに接近し、ステッキでゼブラを殴る！SMAASH！「アバーッ！」命中！昏倒！

戦闘終了

「シューッ……流石に少々手こずりましたね」フューネラルはゲン・ジツを解除し、ステッキを構えてザンシンする。油断ならぬ相手であった。「ともあれ一件落着。彼らを捕縛しなさい」「「「ヨロコンデー！」」」三人は駆け戻り、バイコーンとゼブラを捕縛する。さらに情報を抜き出さねば。

エピローグ

「「「アリガトゴザイマシタ！」」」三人はフューネラルに深々とオジギする。「私たちだけで片付けられればよかったのですが」「いやいや、お互い様ですよ。私はどうも燃費が悪いものでね」フューネラルは頭をかく。かつてのソウカイヤなら、こういう仕事はダークニンジャがやっていただろう。

　しかし、彼はもういない。ザイバツとの抗争も激化しており、威力部門も各々が忙しい。気軽にシックスゲイツを投入して返り討ちに遭えば問題だ。代わりがきくとはいえ、強力なニンジャ戦力は実際貴重である。「……ま、鍛錬してください。外交部門といえど、カラテがあって悪いことはない」

「「「ハイ！」」」……こうして、ソウカイヤ集金部門での不正行為の一端が暴かれ、然るべき処分がなされた。だが混沌の魔都を統べる暗黒組織に、多少の不正はつきものだ。ザイバツや敵対組織はそこにつけ込んでくるが、あまり締め付けを強めれば、ソウカイニンジャたちが反発してよくない。

　ゲコクジョを企むほどの野心と忠誠心、その両立が必要なのだ。手綱をとるように。しかし、かつてゲコクジョを企んだフューネラルと、外部からの新参者に、その役目を負わせるとは。「ゲイトキーパー＝サンも良い性格をしておいでだね」フューネラルは愉しげに目を細め、肩を揺すった。

【タックスマン、ミスター・シーフ】​終わり

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