前回のあらすじ：ネオサイタマ、ネオカブキチョ地下迷宮。その一角で旧世紀の企業遺跡が発見された。だが堅牢なセキュリティに阻まれ、調査チームは死傷者を出し、這々の体で地上へ逃げ出したのだ。噂を聞いたアウトローたちは、お宝を求めてダンジョンに挑む！カラダニキヲツケテネ！

◆

　……さらにしばらく進むと、死体が転がっている。死後しばらく経っているとおぼしいが、バイオネズミなどに食い荒らされていて、性別や年齢ははっきりしない。しかし身につけている衣服や物品から、最初にここへ潜入調査を行ったトレジャーハンターたちの1人であろう、と推測はできた。

　デッドリーチェイサーは死体を漁り、金目のものを探す。「チッ、大したモンも持ってやがらねェな。仲間が持ってったのか？しかも男かよ」彼は凶悪指名手配犯かつ危険なジャンキーで、ニンジャソウルのもたらした暴力に溺れている。死者を悼むような敬虔さは微塵も持ち合わせていない。

「死因は何かしら」「見りゃわかんだろ、さっきのドローンに撃たれたンだよ！」「たぶんな」確かに、頭部や胸にはショットガンで撃たれたような痕が残されている。爆発四散していないなら非ニンジャ、モータルだろうが、ニンジャであっても食らえば危険な威力だ。3人は気を引き締めた。

探索継続

　……3人は企業遺跡内部を、奥へ奥へと進んでいく。今のところ発見できたのはコーベイン1枚。換金して山分けにしても万札12では、各々の借金も返せない。このままでは奪い合い、殺し合いになりかねない。珍しいことではないが、それは避けたい。……やがてストリークは、異様な物音を聴いた。

　べたり。べたり。粘着質な、大きなものの足音だ。迷い込んだバイオ生物のたぐいか。ニンジャが3人もいれば大概の敵は排除できようが、戦わないに越したことはない。ストリークはハンドサインで2人に危険を告げ、警戒しながらしめやかに接近する。……そこにいたのは、巨大な蛙であった。

　そのサイズは自動車ほどもあり、腰には黒帯を巻いている！そして蛙の上には人影！それは振り返り、3人を見下ろした。「おやぁ、同業者かな？」女の声だ。「しかも、ニンジャか。……ドーモ、トードテイマーです」

◆トードテイマーwithカラテトード（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　　３　　　　体力　　　　　　　１０
ニューロン　　　　　４　　　　精神力　　　　　　　４
ワザマエ　　　　　　３　　　　脚力　　　　　　　　３（側転不可）
ジツ　　　　　　　　４　　　　万札　　　　　　　１２（お宝１つ）

攻撃/射撃/機先/電脳　　３/　４/　５/　６
回避/精密/側転/発動　　４/　－/　－/　－
即応ダイス：４　緊急回避ダイス：１

◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV１：ニューロン＋２、イニシアチブ＋１
◆ストリートウェア：緊急回避＋１
◆サイバーサングラス：射撃＋１
◆ステルス・グレネード：通常移動でも敵のいるマスを移動できる

◇ジツやスキル
☆ガマ・ニンジャクラン、ジツLV４
　★カンジャー・トード・ジツ：巨大カラテトードに騎乗
　　体力＋７、大型１×１、轢殺１、側転不可、疾駆・ツジギリ取得
　　●戦闘スタイル：カラテトード打撃
　　　ニューロン判定Nで攻撃、連続攻撃２（固定）　同じ対象は２回以上選べない
　　　バイオ武器LV２、ダメージ２、出目６で痛打＋１
　　●戦闘スタイル：カラテトードの舌攻撃
　　　ニューロン判定Nで攻撃、連続攻撃上限１、痛打・殺伐なし
　　　ダメージ２、リーチ＋１、回避H、命中すると拘束して自分の隣接マスに引き寄せる
　　　脱出判定UH　拘束中は手番開始時に自動でダメージD6を与える（回避不能）
　　・体力３以下になるとカラテトードは戦闘不能となり、大型化以下の効果を失う
　　　側転難易度E、側転ダイス３となり、カラテトードの戦闘スタイルも使用不可
　　・カラテトード騎乗時に即死が命中すると、即座に体力３となる

◉常人の三倍の脚力
◉ランスキック
◉kill-9

◉知識：旧世紀地下道網
◉交渉：理路整然

能力値合計：１８

　彼女のバストは豊満だ。「ドーモ、ストリークです」「マッドガンナーです」「デッドリーチェイサーです」3人はアイサツを返した。「同業者？」「フリーのトレジャーハンターさ。このままだとお宝の取り合いになってしまうかな？お引き取り頂けると嬉しいんだけど、そうもいかないよねぇ」

「俺らも借金返済しなきゃならねェ。総取りは困るぜ！」デッドリーチェイサーは威圧するが、巨大蛙の圧力には見劣りする。「チッ……どうする、ストリーク＝サン？」マッドガンナーは判断を迫り、ストリークは状況判断する。囲んで殴ればなんとかなりそうだが、他はともかく自分が危ない。

　ならば……その時、ドローンの群れが前方から接近！「おっと、見つかってしまったか」「そんなでけェの連れてるからだろ！」「仕方ない、ここは一時共闘だ！」「了解！」一触即発アトモスフィア！

戦闘開始

マップ

◆セキュリティ・ドローン（種別：戦闘兵器）
カラテ　　　　　　　２　　　　体力　　　　　　　　２
ニューロン　　　　　２　　　　精神力　　　　　　　－
ワザマエ　　　　　　２　　　　脚力　　　　　　　　６（飛行移動）
ジツ　　　　　　　　０　　　　万札　　　　　　　　０

攻撃/射撃/機先/電脳　　－/　２/　２/　２

◇装備や特記事項
●ショットガン：射撃、ダメージ２
◉空中制動

能力値合計：６

1ターン目

　ストリークはトードテイマーへ近づき、手短に交渉する。「戦えば互いに被害が出る。共闘し、お宝は山分けといこう」「それが賢明だね」トードテイマーは肩をすくめた。「僕もこのかわいいカラテトードを失いたくない」べたり、べたり、べたり。カラテトードは彼女を乗せたまま前進する！

「kill-9 U！」ZZTZZT！トードテイマーはドローンめがけ遠隔ハッキング！『ピガーッ！』BOMB！ドローン1体を撃墜！

「TAKE THIS！」BLAMBLAM！マッドガンナーは集中してドローンへ二挺拳銃を連射！『ピガーッ！』BOMB！残るドローンを撃墜！「イヤーッ！」デッドリーチェイサーは連続側転を繰り出してドアを蹴破り、高級マネキネコを発見！「ハッハー！お宝ゲット！」幸い罠や鍵はない。宝物庫だ！

2ターン目

「イヤーッ！」ストリークは連続側転で前進！「イヤーッ！」トードテイマーはカラテトードに北側のドアを蹴破らせた。そこにはやはり高級マネキネコがある。「マキトレ！」彼女が神秘的なニンジャサインを結ぶと、カラテトードは口を開く！『ゲコーッ！』舌が長く伸びて宝物に絡みつく！

「「イヤーッ！」」マッドガンナーとデッドリーチェイサーは別々の部屋へ連続側転！トードテイマーより先にお宝をゲットすべし！

3ターン目

「イヤーッ！」ストリークは全速力で西側奥のUNIXルームに突入！真の財宝である旧世紀の機密データを手に入れるべし！だがそこにはセキュリティ・ドローンが2体！「kill-9 U！」ZZTZZT！『ピガーッ！』1体を撃墜！残る1体はストリークへショットガンの銃口を向ける！『排除排除排除排除排除』

　マッドガンナーとデッドリーチェイサーは部屋へ飛び込み、旧世紀の書物とコーベインをそれぞれゲットした。トードテイマーはカラテトードに騎乗して前進するが、すでに他の宝物は取られている。「まあ、山分けするならここで待っていればいいけどね。せいぜい頑張ってくれ」彼女は微笑んだ。

　BLAMN！セキュリティ・ドローンはストリークへ発砲！命中すればニンジャといえど危険だ！「い、イヤーッ！」ストリークは間一髪で見切り回避！

4-5ターン目

「kill-9 U！」ZZTZZT！『ピガーッ！』BOMB！ストリークの遠隔ハッキングが命中し、最後のドローンを撃墜！「片付いたようだね」トードテイマーはカラテトードを前進させ、UNIXルームへ近づく。「おいおい、変なこと考えてないよな？」部屋から2人のスラッシャーが出て来て、威圧する。

「アンタが総取り、なんて考えてないよねェ。もしくはそこのストリーク＝サンを殺して分け前を増やそう、とか？」「いやいや、まさか！」トードテイマーは笑って手と首を振った。よくあることだが、やれば裏社会での信用を失う。デッドリーチェイサーは意味ありげに笑う。「……いいかもなァ」

6ターン目

「よし、これだな」ストリークは生体LAN端子をUNIXと繋ぎ、旧世紀の秘匿データを吸い出そうとする。ココココ……ココココ……ココココ……キャバァーン！成功！「フーッ……これでよし」ストリークは汗を拭い、満足感に包まれる。他の宝物は仲間たちが獲得しているだろう。後は山分けすればよい。

　トードテイマーは……鏡を見たガマガエルのように脂汗をかき、戸惑っている。油断しているストリークとの約束を破り、背後からアンブッシュをかければ、殺せるだろう。だがそれは、あまりにも邪悪だ。彼女が求めるのは実利に加えて冒険とスリルであり、人の道を外れることまでは……！

　デッドリーチェイサーは邪悪なオーラを漂わせ、トードテイマーを悪の道へ誘惑する。トードテイマーは……しばし躊躇した末……首を、横に振った。「チッ、そうかよ。ならいいや」デッドリーチェイサーは肩を揺すった。ストリークはともかく彼女を敵に回せば危険だ。マッドガンナーもうなずく。

「そうそう。『欲をかきすぎると死ぬ』ってミヤモト・マサシだかも言ってたわ。これで借金は返済できて、お釣りも来る。それでいいじゃない」「けっ、つまらねェな。このことはあいつには黙っとけよ！」「アイアイ」

戦闘終了

エピローグ

　……こうして、4人は旧世紀の企業遺跡から多くの宝物を獲得し、無事に地上へ帰還した。宝物は換金され、4人で山分けとなる。誰かが欠けていれば取り分は増えたが、幸いそうはならなかった。トードテイマーは3人と出会う前にコーベインをゲットしており、それは山分けの対象とはならない。

「じゃ、オツカレサマデシタ。カンパイ！」「おう」「やれやれ」「……ドーモ」4人は分け前を受け取り、少しいい店で祝勝会を開いて呑みあったのち、ネオサイタマの各地へ散っていった。

【エンター・ザ・ダンジョン】終わり

リザルトな