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忍殺TRPGリプレイ小説【サークル・オブ・ライフ】

邦題:生命の輪(Circle of Life)

これは、ニンジャスレイヤーTRPGのオリジナルシナリオ、T1000G=サン作「野良ヤクザクラン取り締まり」と、三笠屋=サン作「ニンジャのアルバイト」を元にしたリプレイ小説です。つのが一人でやりました。かなり自由に改変していますが、一応ネタバレにご注意下さい。

これまでのあらすじ

◆ここは重金属酸性雨が降るオシルコ・ストリート。そこにソウカイヤの庇護下に入らず暴れまわっているヤクザクランがある。マッドライオン・ヤクザクランだ。君はこのヤクザクランの構成員を脅し、ソウカイヤへミカジメ料を献上するようにしなければならない。任務失敗は恥だ。必ず成し遂げなければならない◆

『というわけだ!カッハハハ!わかったか取るに足らぬサンシタ=サン!』「ハイ」最近カンオケ・ドージョーを抜け出し、安アパートをねぐらとするようになったBPの前に突然現れたのは、いつものモーターロクメンタイ(D6)だ。だが、口調が違う。いつもより大声で高圧的で、暑苦しい。

自ら「モータープロミネンタイ」と名乗るこの試作AIは、ソウカイヤのとある中堅ニンジャの口調や態度を参考にしているという。本人には会ったこともないが、いつもの敬語ではサンシタニンジャによってはナメられるため、先輩ニンジャに監視されている感じを出すように生み出されたのだとか。

自分はD6に逆らった覚えはないのだが、迷惑な話だ。模範囚的な扱いで厄介事を押し付けられてはいまいか。ともあれ引っ越し後もいろいろ物入りで、カネは欲しい。BPはレインコートをまとい、苦虫を噛み潰したような顔で、重金属酸性雨が降り注ぐオシルコ・ストリートを駆けた。

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◆ボーンピッカー(種別:ニンジャ)
カラテ       4    体力        4
ニューロン     5    精神力       5
ワザマエ      4    脚力        2
ジツ        0    万札       26>4
DKK       3    名声        0

◇装備や特記事項
▶生体LAN端子:ニューロン判定ダイス+1、ハッキング時は+3
▶サイバネアイ:ワザマエ判定ダイス+2
◆ウィルス入りフロッピー:ハッキング難易度-1、使用後出目3以下で喪失
○サイバネ賞金稼ぎ:重サイバネの死体から万札+5

能力値合計:13 サイバネ数:1>2 回避ダイス:5
あの後、余暇2日を貰いました。カンオケ・ドージョー暮らしが嫌になったので思い切って安アパートへ引っ越すことにし、黒鷺あぐも=サンのアジトカタログからマケグミサラリマン向けマンションを選び、万札15で購入しました。仮眠室・電算室・ドージョー・トイレつきです。木人や香炉、UNIXはついてるものとします。トイレは簡易ユニットバスということにします。これで毎回家賃を払う必要はなくなりました。
さらにサイバネアイを購入し、残り万札は1です。残り余暇でモータルハントを行い、素のワザマエ4にサイバネアイで2、6で出目は3。万札3をゲットしました。ジャンクヤードでも漁ったのでしょう。

ヤクザの事務所

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BPは重金属酸性雨の中を走り、マッドライオン・ヤクザクランの事務所前へやってきた。電子錠前と物理錠前のかかったドアには、茶色のライオンが描かれている。見張りはいない。「どうす……どうしますか」『取るに足らん弱小クランごとき、ドアを蹴り破って行け!』

ニンジャ筋力をもってすれば、ヤクザ事務所の正面ドアを蹴破ることも簡単だろう。ただ、BPはケチで意地汚い。傘下に入った後でドアを修理させる代金がもったいない。その分を浮かせて余裕をもたせれば、傘下に加えた後で自分へのマージンが多少は増えるだろう。「ハッキングで開けます」

『フン!みみっちいやつだ!』BPは無視し、ドアを調べる。

ハッキング判定ダイスは8。難易度NORMAL。[1,2,3,5,6,6]=成功。ついでに物理錠前を6D6で[1,3,3,4,6,6]=成功。

パシン、と軽い音がしてロックが開いた。物理錠前も外し、BPは無造作にドアを開けた。「オジャマシマス」廊下を進み、部屋を調べる。ソファに寝そべってIRC端末をいじっているレッサーヤクザがいた。「コンバンワ」ぬっと顔を出す。「ア?」ヤクザは手からぽろりとIRC端末を取り落とす。

「だ……ダッテメッコラー!」ヤクザはチャカ・ガンを抜いた。『殺せ!』「殺しません。傘下にするなら人が多い方がいいでしょ」BPはつぶやき、スリケンを構えた。狙うのは手元。精神を集中させる。

難易度EASY。4D6で[1,2,6,6]=成功。

「イヤーッ!」「グワーッ!」ワザマエ!BPのスリケンはヤクザの手からチャカを弾き飛ばした!手や指も傷つけず、チャカも壊していない。絶妙な力加減だ。彼のモッタイナイ精神の発露である。「あ、アイエエエ……!」ヤクザは衝撃でうずくまる。「ドーモ、ソウカイ・シンジケートのBPです」

「ニンジャ?ニンジャ、ナンデ?」ヤクザは怯え、失禁している。「ああ、ニンジャだ。あんたのとこのオヤブンは?」「お、奥の、事務所にいます」「呼んで来い。俺はヤクザより上の存在だぞ?わざわざ訪ねて来たんだからアイサツさせろ」「アッハイ」ソファの上座に座り、ヤクザを顎で使う。

「ああ待て、IRCで呼べ。お前が行けばチャカでズドン!かもな。それはもったいないだろ」「アッハイ!」ヤクザは涙目でIRC端末を操作し、オヤブンに連絡する。「オヤブン!グオヤマ=サン!そ、ソウカイヤの方が、お見えです!ボーンピッカー=サンっていう、に、ニンジャです!」

交渉

……しばらくしてドアが開き、マッドライオン・ヤクザクランのオヤブン、グオヤマ(郭山、GY)が姿を現した。その顔は苦渋に歪み、背後にはワカガシラと数人のワカモノを連れている。「ドーモ、グオヤマです」「ドーモ、グオヤマ=サン。ボーンピッカーです」両者はアイサツを交わした。

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イメジはPicrewの「街の男メーカーβ」で作りました。初老の男。

BPは無表情に、こう告げた。「ここで袋叩きにする気か?構わんが、俺はニンジャだ。ソウカイヤの中じゃあ駆け出しのサンシタだが、多少の銃撃なら躱せるぞ。運良く殺したところで、このドローン様が全部監視中だ。次はシックスゲイツが動くかもな」『というわけだ!取るに足らぬモータルめ!』

「俺はあんたらを殺しに来たわけじゃあない。交渉に来たんだ。ソウカイヤにさっさと恭順した方が、どう考えても得だぜ。それに俺はケチでねえ、せっかくの人材をクローンヤクザに入れ替えるなんて商売は勿体なくて……」BPとGYは、互いを値踏みする。幸いにも、話のわかる相手だ。

「……わかった。あんたは信用できそうだ」GYは頷く。「ただし、条件がある」「ここに俺が来てるってことは、『城の下での契約』ってやつだぜ。条件つけるのはこっちだ」「重々承知の上だ。だが、これはニンジャでなければ難しいと思う」「ほう。ならまずは、セッタイして貰おうかね」

GYはワカガシラたちにスシとサケを用意させ、BPにオイランを侍らせた。BPは淡々とスシを食い、サケを飲み、オイランの胸を揉む。受け取ったということだ。「これは必要経費として、さっさと要件を言いな。俺の気が変わらねえうちにな」「では……」ソファの対面に座ったGYは、こう語った。

依頼

マッドライオン・ヤクザクランの象徴はメキシコライオンだ。稀少な外国産オーガニック生物で、凶暴極まりない猛獣であり、並の人間なら50人がかりでも倒せない。闇カネモチやヤクザ・オヤブン、暗黒メガコーポ重役などは邸宅でメキシコライオンを飼育することで自らのパワーを誇示する。

そればかりではない。ヘマをした部下や裏切り者をライオンの檻に放り込んで処刑させることで、内外に無慈悲さをアッピールできるという実用性も兼ね備えているのだ。「……それを、奪って来いってのか」「ハイ」GYはいつしか敬語になっている。「とてもウチの資金じゃ買えやしません」

最近羽振りがいいとはいえ、所詮は新興クラン。メキシコライオンを奪えるほどの暴力も権威もない。ならば、ニンジャの力を借りればよいというわけだ。「今、ツキジのとある地下倉庫に、密輸されたメキシコライオンが保管されているそうです。そいつを、お願いします」BPは眉根を寄せた。

「おいおい。そいつを奪うってことは、つまりは他のヤクザクランや闇カネモチ、場合によっちゃ暗黒メガコーポに喧嘩を売るってことだぜ。シンジケートに楯突く連中だとしても、俺の一存じゃ難しいんじゃあねえか?」BPは慎重だ。ヨロシサンなど暗黒メガコーポにはソウカイヤも一目置く。

「……しゃあねえな。セッタイは受けたし、一応上に連絡をとるか」BPはSBにIRCで連絡する。『おう、BP=サン。D6を介して話は聞いてるぜ。情報部門に調べて貰ってるが、買取先はヤズダ・カンパニーか。反ソウカイヤ系のヤクザクラン連合と繋がりがあるな。規模も大したこたァねえ』

ソウカイヤの情報網は恐ろしい。『要は、やっちまっていい』「アッハイ」『今から急いでツキジへ行け。情報は後で送る。ヤバいようなら連絡しろ』「ハイ」BPは通話を終え、GYに承諾の意を告げた。「あ、アリガトゴザイマス!」「じゃ、車でツキジまで送ってくれや」「ハイヨロコンデー!」

先程チャカをスリケンで弾き飛ばされたレッサーヤクザと、もうひとりが運転手及び運搬役として選ばれる。BPには、猛獣捕獲用の麻酔銃が渡される。ついでにセッタイで出たスシを折詰に入れ、万一の時の備えとする。

入手:麻酔銃(弾数3、借り物)、オーガニックスシ

ツキジ

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数十分後。BPはマッドライオン・ヤクザクランの手配したトレーラーに送られ、ツキジの廃倉庫地帯に降り立つ。傍らにD6、手には布に包んだ麻酔銃。ここは廃墟のはずだが、そこかしこから悲鳴や銃声や怒鳴り声が聞こえ、怪しい熱気で賑わっている。来るまでに運転ヤクザから事情は仕入れた。

少し前、ソウカイヤの探索によって地下ダンジョンから大量の冷凍オーガニック・マグロが発掘されたことにより、ツキジは歴史上幾度目かのマグロ・ゴールドラッシュを迎えた。廃倉庫のいくつかは探索ベースキャンプとして改装され、危険なアウトローが辺りを闊歩しているのだ。

重サイバネのスラッシャーやローグハッカー、暗黒メガコーポの探索傭兵。それらを目当てに銃やカタナ、薬物を売りさばく露天商、スシやイカケバブの屋台、ストリート・オイランなども集まり、周囲は一種異様な活気に包まれている。オイランたちはコンテナを改装し、前後コンテナにしている。

一般市民ならば恐ろしくて近寄ることすら躊躇う危険地帯だが、ニンジャにとっては何の問題もない。それどころか、後ろ暗いところのある連中の吹き溜まりゆえに、騒ぎを起こしてもマッポに通報される心配が無い。思う存分ニンジャの力を振るえる。「ここで待機しろ。呼んだら来い」「「ハイ」」

倉庫前

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BPは廃倉庫群の狭い路地を歩き、メキシコライオンが保管されているという隠し倉庫へ向かった。ツキジ・ダンジョンの入口からはやや離れた場所だが冷気が漂ってくる。扉の前にはアサルトライフルを持つクローンヤクザ。

◆クローンヤクザY-10型 (種別:モータル/バイオ生物/ヤクザ)
カラテ       1    体力        1
ニューロン     1    精神力       1
ワザマエ      3    脚力        2
ジツ        -    万札        0

◆装備や特記事項
◆オムラ・アサルトライフル:遠隔武器、連射2、ダメージ1、小銃
◆ドス・ダガー:近接武器、ダメージ1

『殺せ』「ハイ」D6に言われるまでもない。BPはスリケンを構え、精神を集中する。サイバネアイが駆動し、照準を合わせる。「イヤーッ!」

6D6で投擲。難易度N→E。[1,1,3,3,4,4]=成功。

「アバッ」クローンヤクザは額からスリケンを生やして即死!BPは素早く近づき、スリケンを回収すると、電子錠前をLAN直結でハックする。

ハッキングダイスは8、難易度H。[2,4,5,5,6,1,5,6]=難なく成功。

ガゴンプシュー。ロックが解除され、倉庫の扉は難なく開いた。中からは動物の息遣いや獣臭が漏れ出してくる。「間違いねえな」素早く中に入り、扉を閉める。「スッゾ?」クローンヤクザの声。当然中にも見張りはいるか。「D6=サン、ここからは黙っててくれ。あんたは見張りに徹してりゃいい」

倉庫

「テメッコラーッ!」BRATATATA!警備クローンヤクザが倉庫の中からアサルトライフルを射撃!

ワザマエ3で連射2、[5][5,6]=両方成功。難易度Nでまとめて回避。5D6で[1,1,2,4,4]=成功。迎撃のスリケンは6D6で[1,1,2,3,3,5]=成功。

「イヤーッ!」「アバーッ!」迎撃のスリケンで即死!ナムアミダブツ!

監視カメラを避け、BPは悠々と奥へ進む。LEDボンボリが放つ頼りない明かりで薄暗く照らされた倉庫内には十数個の鋼鉄製ケージが並び、獣臭と唸り声に満ちている。密輸されたメキシコライオンだ。それも十数頭。一斉に戦えばニンジャも死ぬだろう。が、所詮は檻の中の猛獣。

寝ているものがほとんどだ。このどれかに麻酔銃を打ち込んで無力化し、さっきのトレーラーに連絡して、回収して貰えばいい。楽な仕事だ。だが!「ザッケンナコラーッ!」BRATATATA!荷箱の陰から生き残りの警備クローンヤクザが飛び出し、アサルトライフルを射撃!「まだいたか!」

[6][4,5]=両方成功。難易度Nでまとめて回避。5D6で[2,2,2,4,5]=成功。迎撃は6D6で[1,3,4,4,6,6]=成功。

「イヤーッ!」「アバーッ!」スリケンで反撃され即死!「これでよし、と……ん?」バシン、ガゴン!妙な音と共に、メキシコライオンたちの檻の扉が開いた!「!?」倉庫内に目を走らせるとすぐに原因は判明する。BPの背後の壁面に設置された制御用UNIXが火花を散らし、黒煙を噴いている!

BPは下唇を噛んだ。「ひょっとして、さっきのマシンガンの銃弾か!?なんてこった!」ライオンは夜行性だが1日20時間は寝ている。ほとんどの連中は熟睡中だ。出て来ないうちに檻を閉めねばなるまい。だが!クローンヤクザのバイオ血液のにおいにつられてか、1頭が檻を出た!「GRRRRR……!

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◆メキシコライオン(種別:アニマル/ライオン)
カラテ       8    体力        8
ニューロン     1    精神力       1
ワザマエ      4    脚力        4
ジツ        -    万札        0

◇装備や特記事項
●基本ダメージ2、連続攻撃2

GROWL!」一際大きく吠えたライオンは、鋭いツメに野性のカラテを漲らせてBPに飛び掛った!麻酔銃を構えている余裕はない!「げえっ!?」

連続攻撃2。4D6を2つ。[1,4,4,5][2,2,4,5]=3成功、2成功。BPは回避ダイスが5しかない。2D6と3D6で全力回避。[2,5][2,5,5]=1成功、2成功回避。

「うおおッ!?」BPは恐るべき猛獣の攻撃を回避!「GRRR……」メキシコライオンは互いの力量差を把握し、野生動物の生存本能に従って逃走を選択した。「逃がすかよ!」BPは麻酔銃を構える!サイバネアイが駆動!

6D6で[1,2,3,5,6,6]=成功。

BLAM!麻酔銃の弾丸が見事に命中!「ARRRGH!」メキシコライオンはしばらくよろめいた後、力尽きて倒れ、眠り始めた。「フーッ」BPは素早く他の檻の扉を閉めてまわる。「やれやれ、手間かけさせやがって」

他に見張りはいない。BPはトレーラーで待機しているヤクザらに連絡を入れた。後は彼らに任せればいい。「監視カメラもいじっとくか」

ハッキングダイスは8、難易度N。[1,2,3,4,4,3,4,4]=成功。

別の制御盤から監視カメラをハックし、映像をごまかす。クローンヤクザの死体はどうするか。侵入者があった証拠として、放置しておいたがいいか。アサルトライフルは……持たせておこう。どいつも財布は持っていない。「ちぇっ、ケチな雇い主だぜ」

……数分後、2人のレッサーヤクザがストレッチャーを押して入ってくる。「「センセイ、ドーモ!」」「ああ、ちゃっちゃと頼む。全部連れてってもいいぜ」「飼育代もかかりますし、1頭で充分ですよ!」「そりゃそうだ」BPは腰を下ろし、尻ポケットの煙草に手を伸ばす。D6は黙って浮遊中だ。

ニューロン判定、難易度N。6D6で[1,2,3,3,5,6]=成功。

……何か、妙な気配がする。BPのニンジャ第六感が危険を察知した。急いでニンジャ聴力を働かせる。ガツッ、ガツッ、ガツッ……ツルハシで壁を叩くような音が床下から聴こえ、段々と近づいてくる……!「おい、なんかやべえ……」レッサーヤクザたちに異変を知らせようとした瞬間!

KRAASH!「「アバーッ!?」」床に大穴が空き、二本の巨大なハサミが出現!瞬く間にレッサーヤクザ二人を両断、即死させた!「げっ!?」カラテ警戒するBP!その目の前に姿を現したのは……なんたることか、怒り狂った巨大バイオズワイガニだ!「シュシュシューーーーーーッ!」

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◆巨大バイオズワイガニ(種別:バイオ生物)
カラテ       8    体力       10
ニューロン     1    精神力       1
ワザマエ      4    脚力        4
ジツ        -    万札        0

◇装備や特記事項
●基本ダメージ2、連続攻撃2
●堅牢な甲殻:体力+2、出目5未満の攻撃無効化
●大型(2×2):殺伐で出目1が出ても弾き飛ばされない

「シューッ……!」バイオズワイガニは油断なき警戒の泡を噴出しながら、飛び出した目でBPを睨みつける。「こんなもんまでいるのかよ!ツキジいいかげんにしろよ!」ニンジャではなくバイオ生物だが、そこらのサンシタニンジャより強そうだ。餌を探しに来たのか?まさかメキシコライオンを?

「GRRRR!」「GROWL!」ガシャンガシャン!メキシコライオンたちが恐ろしい気配を感じ取り、一斉に目を覚ます!檻の中にいれば安全とは限らない!逃げ出そうにも檻を破壊することは出来ない!パニック状態だ!

『カッハハハ!気をつけろサンシタ=サン!ツキジ・ダンジョン探索の報告によれば、ニンジャと交戦して逃走したバイオズワイガニが最深部にいたというぞ!』D6が忠告する。「なんで最深部からこんなとこに!」『さあな』BPは舌打ちするが、とにかく強敵だ。甲殻を纏った頭足類の次は甲殻類か。

レッサーヤクザたちは殺されてしまった。眠っているメキシコライオンも、ほっておけばやばい。こいつをなんとかし、メキシコライオンを自分で回収してトレーラーで運ぶしかない。先輩ニンジャが倒せなかった相手を倒せるとは限らないが、逃げを選ばせるぐらいはできるはず!「やってやるぜ!」

威圧的にハサミを振り回すバイオズワイガニに対し、BPはスリケンを構えた!『そうだ!調子に乗った下等な甲殻類に、真のニンジャの世界を見せてやれ!カッハハハ!』一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

イニシアチブ:BP(5)→BZ(1)

1ターン目

カラテを挑むのは危険!まずはスリケンだ!「イヤーッ!」

6D6で難易度H、[1,1,3,3,4,4]=失敗!

ガキン!スリケンは堅牢な甲殻に阻まれ、弾かれた!「なにィ!?」『情けないぞサンシタ=サン!カラテあるのみだ!』「チクショ!」バイオズワイガニは意外な速度でBPに接近!「シューッ!」恐るべき二つのハサミによる連続攻撃を繰り出す!ニンジャといえど食らえばただでは済まぬ!

4D6を2つで連続攻撃2。[3,5,6,6][2,2,4,5]=3成功、2成功。ニンジャではないので6が3つ以上ないと殺伐は出ない。しかし食らえば4ダメージを受けて昏倒し、そのまま食われてしまうだろう!BPは1発を精神力消費して自動成功回避し、残りを4D6で全力回避![1,3,3,4]=ギリギリ1成功!残り精神力4。

「うおおッ!」BPは冷や汗をかきながらギリギリ回避!懐にオーガニックスシはあるが、駆け出しのサンシタニンジャ1人ではきつい相手だ!だが非ニンジャ相手に助けを呼ぶのも癪に障る。何より分け前が減る。ギリギリになってから呼ぶことにし、まずはカラテだ!

2ターン目

「ヤバレカバレだ!イヤーッ!」BPは精神を集中させBZへカラテ!

4D6で[1,5,6,6]=3成功&殺伐!出目は2、頭部への痛烈なカラテ!本来のダメージに加えニューロンとワザマエを1減少させ、万札D3発生。BZの残り体力9、ニューロン1、ワザマエ3。万札はD6出目2=1発生。

KRASH!「ジュジューッ!?」ブルズアイ!BPのカラテチョップがBZの飛び出した眼球を破壊!緑色のバイオ血液を噴出し悶え苦しむBZ!「シュシュシューーーッ!」怒り狂ったBZが反撃のハサミ!

[3,5,5,6][3,3,4,5]=3成功、2成功。BPは1発を精神力消費自動成功回避し、残りを4D6で全力回避![1,3,4,6]=2成功。残り精神力3。

「イヤーッ!」ギリギリで回避!しかしこのままでは危険だ!「こうなりゃよお、もったいねえが……アレしかねえか!」

3ターン目

「イヤーッ!」BPは連続側転!

6D6で[1,1,1,1,5,5]=成功。

逃走か?否!メキシコライオンの檻の上に飛び乗った!スリケンを投擲!「イヤーッ!」

6D6で難易度U-HARD、[3,4,5,6,6,6]=成功!BZの残り体力8!

ブルズアイ!BZの死角から放ったスリケンは堅牢な甲殻の隙間を貫き、内部にダメージを与えた!噴き出すバイオ血液!「シュシューッ!」怒り狂うBZはハサミを振り上げ、檻の上のBPを攻撃!

[3,3,5,5][1,2,5,5]=2成功2つ。BPは2D6と3D6で全力回避![3,5][2,3,5]=成功!

KRASH!ハサミが鋼鉄の檻を破壊!「GRR!?」メキシコライオンが驚愕!「怯えて逃げて、気を逸してくれてもよし。BZに襲いかかってくれりゃ最上。こっちに襲いかかってきたら、ナムサンだ」BPは懐の麻酔銃を撫でる。予備の麻酔弾はあと2発。BZには効きそうにないが……。

4ターン目

イニシアチブ:BP(5)→ML、BZ(1)

「イヤーッ!」BPは連続側転!距離を取るべし!

[1,3,3,3,2,5]=成功。

奥の荷箱の上に立ってスリケンを投擲!「イヤーッ!」

[1,1,1,4,4,6]=成功。BZの残り体力7!

「シューッ!」命中!檻が障害物となってBZはBPに近づけぬ!フーリンカザンだ!そして檻の中のメキシコライオン(ML)は……!「GRRRR……」背後は鋼鉄の檻、目の前には恐るべき巨大バイオズワイガニ。追い詰められたMLはBZへ飛びかかる!GROWL!

[2,4,5,6][2,4,6,6]=2成功2つ。BZは回避できず4ダメージをまともに受ける!残り体力3!

バギバギッ!MLの恐るべきツメが、堅牢なBZの甲殻を砕く!「シュシュシューッ!?」BZは思わぬ大ダメージによろめく!このままでは死ぬ!BZは本能的恐怖を感じ、悔しげに泡を吹きながら退いた。「GRRRR………!」MLは唸り声をあげて威嚇する。互いに油断ならぬ強敵、手を出せば死ぬ。

「シューッ……!」BZはニンジャとライオンに恐れをなし、両手を上げた。後ろの穴に向かってじりじりと後退する。

5ターン目

「降参か?しかしよぉ……てめーを生かしとくのも厄介だよなあ」BPはつぶやき、スリケンを構えた!「イヤーッ!」

[1,3,3,4,5,6]=成功。BZの残り体力2!

「シューッ!?」命中!BZは泡を吹いて戦意を喪失!そこへ檻の中のMLが襲いかかる!「GROWL!」

[2,3,4,5][1,2,5,6]=1成功、2成功。BZは体力-3になり即死!

KRASH!「アバーッ!」ズズウン……!巨大バイオズワイガニは、オーガニックメキシコライオンによって殺された!これが百獣の王の力だ!「おお、凄え!やってみるもんだ。ニンジャより強いンじゃねえか?」BPは高みの見物だ。『フン!サンシタらしい戦い方だな!あのライオンも眠らせろ!』

6ターン目

「アイ、アイ」懐から麻酔銃を出し、構える。サイバネアイを駆動させる。いかに強くても所詮は檻の中の家畜。檻の外が見えていない。それは自分もだが……今はどうでもいい。仕事に集中しろ!

6D6で精神集中、難易度E。[1,2,3,4,5,6]=成功。

BLAM!「ARGH!」ブルズアイ!MLは強力な麻酔でフラフラとよろめき、やがて横倒しになって眠った。

戦闘終了

「……これでよし、と。依頼は1頭だが……縁起もいいし、あいつの方にするか」ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ。檻から別の檻へ移るだけだが環境は快適になる。あいつがカラテで敵に打ち勝ち、運命を変えたのだ。「この状況は、BZが襲って来てMLが逃げたってことにすりゃいいか」

BPは眠るMLの1頭を檻へ戻し、もう1頭を回収用トレーラーに積まれた別の檻に運び込む。レッサーヤクザたちの遺体も置いていくわけにはいかない。荷台に積み込む。「おっと、そうだ」BZの死骸に突き刺さったスリケンは回収しておき、クローンヤクザたちの死骸もBZの傍らに転がす。これでよし。

『なかなか手際がいいな!オヌシの働きは報告しておくぞ!』D6が嬉しげに告げる。BPは鼻歌を歌いながら倉庫の扉を閉め、マッドライオン・ヤクザクランに状況を報告すると、トレーラーを運転してツキジを後にした。

ヤクザの事務所

オシルコ・ストリート、マッドライオン・ヤクザクラン前。トレーラーを降りたBPは、オヤブンのグオヤマらクランメンバー全員の出迎えを受ける。「オミソレ・シマシタ」グオヤマたちは深々とオジギした。「「「アリガトゴザイマシタ!」」」「結構な貸しを作れたな。ま、世話になるぜ」

「どうぞ、お受け取り下さい」グオヤマは恭しくアタッシュケースを差し出す。「おうよ」中には万札がずらり。全てを受け取るわけにはいかず、大部分はソウカイヤへ献上せねばならないが、それでもなかなかの収入だ。クランが存続する限り、これから生活費に困ることもあるまい。

報酬:万札10+生活費、マッドライオン・ヤクザクランの恭順 BZへの残虐ボーナスで万札1

メキシコライオンは奥の飼育スペースへ運ばれる。レッサーヤクザたちの遺体は丁重に運ばれ、クランの英雄として葬儀が営まれるだろう。BPも礼儀として立ち会わねばなるまい。「ヤクザスーツとか持ってねえんだがな」「センセイの分はこちらでご用意いたします。何なりとお申し付け下さい」

BPはマッドライオン・ヤクザクランの救世主として、下にも置かぬもてなしを受ける。数ヶ月前までBPは、路地裏を這い回る虫けらだったというのに。『どうだ、ボーンピッカー=サン。これがニンジャだ。ヤクザの上に君臨する、食物連鎖の頂点だ!』D6が誇らしげに告げ、BPは微苦笑する。

食物連鎖、弱肉強食。上には上がいて、下には下がいる。ニンジャの、ソウカイヤの頂点はラオモト・カン。自分はその足元でうごめく虫けらの一匹。ヤクザ・オヤブンやメキシコライオンとどれほどの違いがあろう。そして。

強者も弱者も、死ねば「骨拾い」の世話になる。それが食物連鎖だ。

【サークル・オブ・ライフ】終わり

リザルトな

ソウカイヤからの報酬:万札10、名声+1、余暇4日 合計獲得万札:21
◆ボーンピッカー(種別:ニンジャ)
カラテ       4    体力        4
ニューロン     5    精神力       5
ワザマエ      4    脚力        2
ジツ        0    万札        4>25
DKK       3    名声        0>1

◇装備や特記事項
▶生体LAN端子:ニューロン判定ダイス+1、ハッキング時は+3
▶サイバネアイ:ワザマエ判定ダイス+2
◆ウィルス入りフロッピー:ハッキング難易度-1、使用後出目3以下で喪失
◆オーガニックスシ:体力3回復(使い捨て)
○サイバネ賞金稼ぎ:重サイバネの死体から万札+5

能力値合計:13 サイバネ数:2 回避ダイス:5

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