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忍殺TRPGリプレイ【ヴードゥー・サンズ・リバー】02

前回のあらすじ:ラオモト・チバの命令を受け、異常な連続殺人事件を調査すべく、ネオサイタマ南部の渾崎地区にやってきた3人のソウカイ・ニンジャ。残されたデータや痕跡から、謎めいた白衣緑髪の女ニンジャの仕業であろうと推測されたが、まだ情報は不十分だ。さらに聞き込みを続けよう。

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◆マーダーシュトロム(種別:ニンジャ)
カラテ       5    体力        6
ニューロン     7    精神力       7
ワザマエ      5    脚力        3
ジツ        4    万札        1
DKK       3    名声        7

◇装備や特記事項
●時間差、マルチターゲット
☆ヒデリ・ニンジャクラン、ジツLV4
 ☆ヒデリ・ジツLV3:精神力1を消費、発動難易度NORMAL
  術者を中心とする5×5マスの範囲内に火炎属性ダメージ1(回避NORMAL)
  術者に隣接した敵は回避HARD 命中すると回避ダイスダメージ1
 ★ヒデリ連打:精神力2を消費してヒデリ・ジツを2連打

▲▲戦闘用バイオサイバネLV1:バイオ武器LV1、ダメージ2
◆トロ粉末:精神力2回復(使い捨て)
◆タクティカルスーツ:体力+1

○堕落マッポ:買い物時にトロ粉末を本来より万札1だけ安く購入できる
 ◉憎悪(NPSD/ハイデッカー)
 ◉知識:犯罪、高級嗜好品
◉交渉:理路整然、駆け引き

能力値合計:25 回避ダイス:7

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◆ライトウォッチャー(種別:ニンジャ)
カラテ       4    体力        4
ニューロン     5    精神力       5
ワザマエ      4    脚力        2
ジツ        0    万札        0(-12)
DKK       0    名声        2

◇装備や特記事項
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
▶サイバネアイLV1:ワザマエ判定ダイス+2
◆LAN直結型ハンドガン:連射2、時間差・マルチターゲット可
 ●射撃スタイル・論理トリガ(集中時):ニューロンで射撃判定
  時間差・マルチターゲット使用可能
◆家族の写真:精神力+1

○元ハッカーカルト:カラテ-1、ニューロン+1
 ◉知識:IRCネットワーク
◉交渉:誘惑

能力値合計:13 回避ダイス:5

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◆ボーンピッカー(種別:ニンジャ)
カラテ       6    体力        6
ニューロン     6    精神力       6
ワザマエ      6    脚力        4
ジツ        0    万札       13
DKK       3    名声        3

◇装備や特記事項
▶生体LAN端子:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
▶サイバネアイ:ワザマエ判定ダイス+2
◆LAN直結型ハンドガン:連射2、時間差・マルチターゲット可
 ●射撃スタイル・論理トリガ(集中時):ニューロンで射撃判定
  時間差・マルチターゲット使用可能

◆テック・ガントレット:射撃ダイス+1、緊急回避ダイス+1
◆伝統的ニンジャ装束:回避ダイス+1
◆軍用サイバーサングラス:射撃ダイス&イニシアチブ+1
◆ウィルス入りフロッピー:ハッキング判定ダイス+3(使い捨て)
◆オーガニックスシ:体力3回復(使い捨て)
◆トロ粉末:精神力2回復(使い捨て)

◉常人の三倍の脚力:脚力+1、連続側転難易度-1
○サイバネ賞金稼ぎ:重サイバネの死体から万札+1、ボス級なら+5
 ◉知識:サイバネティクス、ストリートの流儀、ヤクザの流儀
◉交渉:駆け引き

能力値合計:18 回避ダイス:7 射撃ダイス:10

推理パート2:ストリート

3人は蠱毒と一旦別れ、オイラン・パブを出てストリートへ繰り出した。怪しい者や怪しい車、あるいは怪しい出来事がなかったかを聞き込み調査するためだ。マーダーシュトロムはデッカー時代に(暴力を含め)手慣れているし、ボーンピッカーもストリートの流儀に慣れ親しんでいる。

IRCにこもりがちのライトウォッチャーは得意ではないが、持ち前の美貌と豊満がある。誘惑して話を引き出すぐらいはできよう。危険な目に遭うかもしれないが、彼女もニンジャだ。「それじゃあ、手分けしてちゃっちゃとやるぞ。何かあればIRCで連絡して集合しよう」「ハイヨロコンデー!」

交渉。ワザマエ判定、難易度HARD。成功数の合計で結果が変化する。出目6は成功数2、66は成功数3とカウントする。前の調査により判定ダイス+2。
ボーンピッカーは「ストリートに詳しい少年」に聞き込み。「ストリートの流儀」「ヤクザの流儀」で+2して12D6、[116163155444]=5成功。マーダーシュトロムは「ゲームセンターで遊んでいた少年」に聞き込み。「理路整然」で+1して8D6、[22532545]=3成功。LWは「オイランドロイドショップにいた少年」に聞き込み。「誘惑」で+2して10D6、[1132644342]=1成功。

オイランドロイドショップ

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ライトウォッチャーがオイラン・パブの近くの裏路地へ入っていくと、見るからに怪しげなポルノショップが軒を連ねている。ヘンタイ・ポルノ雑誌やビデオ、ポルノグッズ、中古オイランドロイドやそのジャンクパーツなどがそこかしこに売られ、愛好家たちがコソコソやってきては買い漁っている。

「ボーンピッカー=サン、こういうジャンクショップにも来るのかしら?」彼女は豊満な胸を揺らしながら裏路地を歩く。男たち、女たちの不躾な視線が彼女に投げかけられる。「ネエチャン、オイランか?」「前後いくら?」「アタシと前後しない?」「ノー。前後しない。聞きたいことがあるのよ」

先ほど得た画像や映像、音声データをオープンし、人々に聞き込みを行う。「オイランじゃねえの?割とイケてるね」「声がデカそう。そしてデカい女が後ろにいそう。俺は詳しいからわかる」「怪しい事件も怪しいやつらも、ここじゃありふれてるぜ。余所者もウェルカムよ」「なんでもいいの!」

必死で聞き込みを続けると、オイランドロイドショップにいた少年(明らかに18歳未満だ!)が有力情報を提供すると言ってきた。「ネエチャン、豊満だから教えてやるよ。情報料としてさァ、前後させてよ!」KRASH!「……スンマセン、タダでいいです。ゴメンナサイ」「さっさと言いなさい」

「確か、先週くらいに、どっかのサラリマンがスーツ姿で来やがってよ。『フロッピーはないですか』って必死で聞いてきたんだ」「フロッピー?」「片腕に包帯巻いててよ。アレ、指ケジメしてたっぽい。なんか大事なフロッピーをなくして責任取らされたんだろな。サラリマン、コワイ」

少年は口笛を吹いた。「まあフロッピーなんてさ、ヘンタイ・ポルノのが売るほどあるから、ウソついて一枚売ってやったぜ。万札いくらだったかな」「ふむ、なるほど。ありがとう」先週。確か、この地区で急に脳が潰されて死ぬ人が増え始めたのは今週に入ってから。関係がないとは言い切れない。

彼女が高級車に乗っているというなら、暗黒メガコーポの依頼でフロッピーを探し出すため、脳ミソをいじるジツで情報を引き出している、とすれば、辻褄が合うかも知れない。そうだとしても。「いちいち殺さず、地道にインタビューすればいいのに。そういう趣味なのかしら」IRC端末で連絡する。

ゲームセンター

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一方、マーダーシュトロムはゲームセンターに足を踏み入れていた。背が高く豊満な白尽くめの美女は明らかに場違いだ。「ネエチャン、オイラン?」「マッポじゃね?」「あんなマッポいるかよ!コス・プレイだろ」「違う。ヤクザだ。この女を知らないか」映像や画像、音声データをオープンする。

ヤクザと聞いて、不良少年たちは怖気づく。「えー、いや、知らねッスわ。医者のコス・プレイ?」「じゃあ、この車は?」赤いターボ・リンカーンの映像を見せる。「おー、いい車。知ってる?」「車の種類は知らねえけど、なんか見たことあるかも。ヤクザが乗ってるし、ヤクザの車でしょこれ」

不良少年たちはIRC-SNSで画像を共有し、拡散して捜索に協力する。「結構目撃情報あるッスわ。目立つし。地図でいうと、このへんで今日見たって」「わかった。協力感謝する」マーダーシュトロムは地図情報を確認すると、少年たちの頭を撫でて去っていった。「ヤッベ、マブ」「マブ」「マブ」

赤い高級車の移動ルートをたどると、このストリートへ近づいている。目的は何か。ライトウォッチャーからのIRCを受け取る。「なるほど」点と線が繋がりつつある。確証はないが、否定する理由もない。この渾沌のネオサイタマでさえ、ブディズムでいうインガの法則は働いている。原因と結果だ。

「やつは近くにいる。先回りするぞ」IRC通知を送る。相手がひとりなら、囲んで殴ればどうにかなるだろう。

路上

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ボーンピッカーは、ネオンの下で少年たちがサッカーをしているところへ、ふらりとやってきた。まだ10代前半といったところ。「パスパス!」「行くぞオアア」「こっちこっちオアアアアーッ」こんなスラム街でも、子供は元気いっぱい、天真爛漫だ。クソ生意気なアズラーイールとは違う。

彼は目を細め、足元に転がってきたサッカーボールを蹴り返してやった。「ありがとう」「アリガトゴザイマース」「ああ、ついでにいいか。聞きたいことがあるんだが……」「スーツ、かっこいいね」「渋い」「ヤクザ?」「まあそうだな。それで」「チャカ持ってる?見せて」「見せて」

わらわらと寄って来る子供たちは、ボーンピッカーのスーツに触り、銃や財布に手を伸ばす。「どけ!テメエら!手癖悪ィな!」「「「わーッ!」」」やはりガキは嫌いだ。ボーンピッカーは子供の一人を捕まえる。その時。「あんた!悪い相が出てるよ!一杯飲んで、マンゴー食べて行きな!」

道路越しに老女の声。北欧訛りの日本語だ。ぎょっとしてそちらを振り向くと、行き交うバイクや車、リキシャーの向こうに北欧系と思しき老女が立っている。「ヘルガばあちゃん助けて!」「あんた!今日はブツメツだよ!」ヘルガと呼ばれた老女は、こちらを指差している。子供から手を離す。

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「俺?」「お茶だよ!聞きたいことあるんだろ!」「ああ、ハイ」ネオサイタマであの年齢まで生き延びてきた老人は、特に老女は、ほぼ全員恐ろしくタフで知恵者だ。ストリートにはたまにいる。ボーンピッカーは長年の路上暮らしで理解している。刺激すればショットガンを持ち出すだろう。

ヘルガの店

車の途切れるのを見計らい、向こう側へ渡る。「ドーモ、ヘルガ=サン。カラカワ・ホリです」「どうも、ヘルガですよ。礼儀正しいね!」彼女の店では安い茶と乾燥果物を売っているようだ。店内には老人が数名、樹脂製のテーブルと椅子で茶を飲んでいる。「飲んでおいき」「アリガトゴザイマス」

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勧められるままに座ると、しばらくして安い烏龍茶と、淡いターコイズ色の人工マンゴー繊維が丁寧に盛り付けられて出てきた。「どうぞ」「ドーモ」見栄えも味も、さほど悪くはない。「安物でもね、丁寧に盛り付ければ本物に見えるもんさ。見栄えは大事」「そうですね」「子供らが迷惑かけたね」

「いえ、全然」「後できちんと叱っておくよ。危険を知らなきゃ」コップに烏龍茶が注ぎ足される。「あんた、仏壇は綺麗にしてるかい?」「うちには仏壇ないです」「良くないね。先祖は大事、ブッダも大事。人を判断する時にはね、人相や服や靴見ても間違うよ。仏壇を毎日綺麗にしてるかどうか」

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「なるほど」ボーンピッカーは烏龍茶を飲み、人工マンゴー繊維をかじる。一般家庭なら一理あるが、ネオサイタマで金ピカな仏壇やブッダ像をありがたがらせるボンズたちは、銭ゲバのクソがほとんどだ。「で、何が聞きたいって?」「人を探してて……あ、シツレイ」IRC端末に連絡。2人からだ。

内容を確認し、頷く。「誰を?」「ああいや、人もですけど、フロッピーがないかって」「フロッピー?」ヘルガは奥の戸棚を探す。「そういや、誰かの忘れ物があったね。ほら、これ」あっさりとフロッピーが出てきた。「大事なもんなんだろ?」「ええ、たぶん。これを探してると思うんですよ」

「誰がだい?」ボーンピッカーは周囲を見回すと、フロッピーを手で隠し、居住まいを正す。「この街で連続殺人事件が起きてます。そこのパブのリーリー=サンも殺されました。ご存知ないですか?」ヘルガは息を呑んだ。「おやまあ!確か脳卒中か、脳のサイバネの故障だって聞いたけど」

「殺し方はわかりませんが、危険です。貴女も隠れたがいい。俺は、そいつを捕まえに来ました」「なるほどね!それじゃ、しっかり頼むよ!」ヘルガはボーンピッカーの肩を叩いた。「デッカーかい?」「ヤクザです」

核心情報『ヘルガの店のフロッピー』を入手。

ボーンピッカーはIRC端末で仲間に手早く事情を伝え、チバと黄、蠱毒にも報告する。集まって作戦会議を行うとしよう。店を戦場にすればヘルガや周辺住民に迷惑だし、どこか廃ビルを利用して……「見ィーつけた」女の声。店の前の赤漆塗りのターボ・リンカーンから、彼女が降りてくる。

「こんにちは、往診です。そのフロッピーを探していたのよ」ドアを開け、店内にツカツカと入ってきたのは、白衣緑髪の女ニンジャ。にやにや笑い。サイコ野郎の目。背後にクローンヤクザ2体。ボーンピッカーは即座に状況判断を行い、LAN直結型ハンドガンを抜いた。

精神集中論理射撃、マルチターゲット&時間差で連射2。狙うはクローンヤクザ2体。射撃ダイスは10、5D6を2つで[11654][42543]=成功。

BLAMBLAM!「「アバーッ!」」クローンヤクザ2体が眉間を撃ち抜かれ即死!「エッ?」女ニンジャはあっけにとられ、いきなり拳銃をブッ放したヤクザらしき男を見る。「どうも。俺は『骨拾い(ボーンピッカー)』です」女ニンジャはアイサツを返す。「『脳外科医(ニューロサージ)』です」

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◆ニューロサージ(種別:ニンジャ)
カラテ       4    体力        8
ニューロン     9    精神力       9
ワザマエ      6    脚力        3
ジツ        5    万札       10

◇装備や特記事項
◆改造白衣装束
●マルチターゲット、時間差
◉ニンジャソウルの闇(1):体力および攻撃・射撃・ジツ発動ダイス+1
 ◉邪悪なサディスト:カルマ善の敵への攻撃ダイス+2、ボス級を殺すと精神力回復

☆ボトク・ニンジャクラン、ジツLV5
 ◉拘束攻撃:攻撃が命中した相手を「拘束状態」にする(脱出判定U-HARD)
 ☆アナトミ・ジツLV3:精神力1を消費し発動判定(NORMAL)
  隣接するキャラ1人に対して応急処置を行い、行動不能から体力1で回復させる
  (このキャラは次の手番のみ脚力+1)
  または、このシナリオ中に部位破壊を受けた者(自分含む)の能力値ペナルティを、
  この戦闘終了まで無視する
 ★◉痛覚遮断:体力+3、急所破壊による精神力ダメージ1軽減
 ★攻性ボトク・ジツ:精神力2を消費し発動判定(HARD)
  戦闘中の術者の近接攻撃をエンハンスメントし、出目6を含む攻撃を回避難易度+1
  出目5以上が2つ以上で殺伐発生 戦闘兵器や無機物には効果なし
   ニューロンハック:攻性ボトク・ジツを使用した状態で敵を「拘束」した場合、
    脱出判定は対抗判定となり、術者はカラテかワザマエで拘束維持判定を行える
    拘束を維持したまま手番が来た術者は、ワザマエ判定(HARD)に成功すれば、
    相手に殺伐の出目2か出目6の効果を与える(回避不能)
    また相手のニューロンから目的の記憶1つを盗む(ダメージを与えずとも可能)
 ★肉人形の作成:精神力1を消費し発動判定(HARD)
  殺伐の出目2か出目6で敵を殺した時、ジツ発動に成功すれば「肉人形」に変えて使役
   肉人形:体力6、ニューロン1、精神力-、脚力1、回避やジツ使用不能

能力値合計:29 回避ダイス:9 攻撃ダイス:5
スズメバチの黄色』の彼女です。無辜のモータルをかなり殺しているため元データに「ニンジャソウルの闇」を加えて強化しました。カラテは低いですがニューロンが高く、ジツも強力で侮れません。「攻性ボトク・ジツ」の発動は、かっこいいので瞬時に行えることとします。また手番中だけでなく戦闘中は常にエンハンスメントされるものとします。原作のように肉人形を瞬時に10体作るとかは無理ですが、相当な脅威!

ふたりの視線がぶつかる。「ニンジャね。通りすがり?」「そうだ。テメエは何だ?」「通りすがりよ。フロッピーをよこさないなら、死んで貰うわ」

「銃!?」「ヤクザ!?」「逃げろ!この女は殺人鬼だ!」ボーンピッカーが叫ぶ。客たちは恐れをなし、奥へ逃げ込む。「いきなりこいつらを撃ち殺したあんたに、言われたくないわね」ニューロサージはワキワキと指を動かす。あれを頭に突き刺して、脳ミソをかき混ぜたわけだ。「ウフフ」

「テメエは目立ち過ぎなんだよ。どこのエージェントか知らねえが、素人のやり方だ。サイコ女め」銃口を向け、会話を引き伸ばす。仲間が来るまで持ちこたえねば。「ツラは割れたぞ」「このあたりの住民を皆殺しにしちゃえばいいわよねェ。ウフフフ」ニューロサージはカラテを構えた!

【続く】

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