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【聖杯戦争候補作】Manifest Destiny by Misfortune

コツ、コツ、コツ、コツ。

夜の京都。月の下、人気のない道を歩く影が一つ。
外套を羽織り、白い息を吐く。街灯の光を外れ、少し暗い場所へ踏み込む。

「!」

突然、その首が転げ落ち、血が噴き出す。悲鳴さえあげられぬ。瞬時に手足、胴体までも切断され、バラバラ死体が道に転がる。……顔を見れば、まだ若い女。

「あは、あはは。ダメでしょォ、女の子がこんな夜中に一人でうろついちゃァ。いくら日本の治安がいいからってさァ……」
笑いながら、ぬるりと暗闇から現れたのは……きわどいチャイナ服に白い肌を包んだ、うねるように長い黒髪の女。その胸は豊満だ。蛇のような銀色の瞳を輝かせ、うっとりした表情で女の死体を見つめている。
「あはッ、いい手応え。殺るならやっぱり若い女の子に限るわァ」

彼女が持つのは日本刀。この京都の町に似つかわしい、美しい刃物。犠牲者の血液は刃に吸い込まれ、魔力に変換されていく。
彼女は人斬り。『アサシン』のサーヴァント。魂を喰い魔力を増すため、いわゆる辻斬りをやっているというわけだ。刃をペロペロと舐めつつ、しばし斬殺死体の転がる美しい光景を堪能する。なんたる至福か。

「うーん、美味しい。さ、そろそろ死体も食っちゃわないとね。可愛いマスターが待ってるわ」
そう言ってアサシンが死体に近づいた、その時。

「!?」

脛に痛み。さっきの娘の生首が、自分の脚に噛み付いている! アサシンは眉根を寄せ、鼻で笑う。そんなこともあろう。誰かのサーヴァントか。
「おやおやァ、しっかり殺ったと思ったのにィ。不思議な娘。アンデッド(死に損ない)ってヤツかしら」
生首を蹴り飛ばし、空中で脳天唐竹割り。脳漿が飛び散る。……だが、生首は転がりながら切断面をくっつけ、叫ぶ!
「痛い、痛い、痛いニャァ! この恨みハラサデオクベキカ、ニャ!」

驚くべし、生首の白いボブカットの上には、細長い猫耳が伸びている。瞳は碧く輝き、口には牙。頬には傷。
「あらあら、猫娘さんなのねェ。猫の命は九つあるとはいうけれどォォ」
「九つだけで済むと思ったら……大間違いニャ!」

なんたることか。バラバラ死体が、筋肉や血管や神経を伸ばし合って繋がり、むっくりと起き上がる。外套や衣服は切り裂かれ、筋肉質な褐色の肌が剥き出しだ。お尻には尻尾。生首はまだ地面を転がっている。
「シャア!」
首なしの体が両手の爪を伸ばし、アサシンに襲いかかる! 皮膚が破れて関節が外れ、筋肉が伸びて間合いを伸ばす! だがアサシンは難なく避ける。
「何やら魔力の匂いはするけどォ、アンタ、サーヴァントじゃあないね。変なマスターか、魔術で召喚されたモンスターってとこ?」
「GRRRRRR!」

猫娘が猛り狂う! アサシンは涼しい顔でくるりと後ろを向き、刀で背後からの攻撃を弾く!
「ウフフ。多分こいつがサーヴァントってワケね。猫チャン」
『GRRRRRRRR!!』
少し離れた位置に音もなく着地したのは、真っ黒い大型肉食獣。上半身は異様に筋肉質な女だ。獣人か。兇暴な爪牙、膂力、敏捷性。強烈な魔の匂い。
「こっちから先に仕留めてあげる。貴女のその不死身さ加減、操り人形だからかしら?」

アサシンは状況判断し、右掌から衝撃波を放って襲い来る猫娘を吹き飛ばすと、くるりと反転。再び飛びかかる獣女めがけ必殺の一閃を放つ!

「かはッ……!」

だが、アサシンの背中を何かが貫く。背中から胸へ抜け、飛び出したのは、槍。猫娘が投げた武器か。それも宝具。どこにしまっていた……!

『まだくたばるでないぞ。血肉と魔力を喰らってくれるゆえ。GRRRRRRRRRRRR!!!』

空中ブリッジで一閃と槍を躱した獣女が、そのまま縦に回転。言葉を発し、黒く鋭い牙でアサシンの喉笛に喰らいつく。さらに爪で胸を引き裂き、心臓、霊核にかぶりつく。「ARRRGGGHHH!!」

刀を含めた、アサシンの全身全霊が獣女に貪り食われ、消滅する。猫娘は身体に首をくっつけ、ストレッチしてなじませる。やれやれ、だいぶ血を流してしまった。槍を拾い上げ、胸に柄から突き刺し、しまい込む。破れた服も拾い上げる。瞬く間にそれは修復される。

「んもー『ランサー』、しっかり見張って守っててニャ。私が不死身だからいいけど、普通のマスターならさっきので脱落ニャ!」
『スマンスマン、どれだけおヌシが不死身か試したくてのう。まあ普通のマスターでないから、よいジャないか』
獣女はニタリと笑い、路上に流された血液を啜り終えると、猫娘と共に暗闇へ姿を消した。

―――後には何事もなかったように、月夜の照らす静かな道。

国際文化観光都市、京都。年間観光客数は5500万人、うち外国人は日帰り・宿泊合わせて600万人を超え、1兆円以上の観光収入がある。

彼女はそんなありふれた外国人観光客、長期滞在者の一人として、京都に来ていたのだが……ここが自分のいた世界でないことに、ふと気づいた。

頭に猫耳が生え、お尻から尻尾が伸びる。細マッチョな体に傷跡が浮かび上がる。彼女の名は、『ミス・フォーチュン』。

「聖杯……要は、スカルハートと似たようなもんだニャ……!」
とある格安ゲストハウスの一室。和室に敷かれた布団に座り、頬杖をついて彼女は考え込む。彼女の世界に伝わる神秘的アーティファクトの伝説を思い起こす。
「聖杯が本物なら、フィッシュボーン・ギャングの皆を生き返らせることも……! でも……!」

スカルハートは女性の願いしか叶えてくれないし、願いが純粋でないなら、歪んだ形で叶えてしまう。そして願った本人は、『スカルガール』というバケモノに変えられてしまうという。聖杯がそんな呪われたアイテムでないとは限らない。わざわざ異世界から参加者を呼び寄せ、呪術じみた殺し合いによって獲得させるようなものが、まともなものであろうはずはない。

【何を躊躇うか。おヌシの望みが確実に叶うのジャぞ】

念話が届く。彼女のサーヴァント、ランサーだ。フォーチュンの周囲に姿は見えない。霊体化しているわけでもない。先程互いに挨拶は済ませた。フォーチュンは胸に手を当て、呟く。

「……他の参加者の望みを絶ち切るのは、しょうがないニャ。英霊だけ倒せばいいなら、殺しにはならないニャ。でも私には、聖杯の効果が疑わしいニャ……。もし聖杯を使って、代償に破滅や危険がもたらされたら……」

彼女の肉体には、神秘的なアーティファクト「ライフ・ジェム」が溶け込んでいる。完全なる不死身をもたらすそれは、しかし、彼女を幸福にはしなかった。これを巡ってマフィアとギャングの殺し合いが起き、育ての親のフィッシュボーン・ギャングたちは皆殺しにされた。今彼女が生きているのは、幸運だ。偶然ライフ・ジェムを飲み込んだため、肉体が変質したのだ。

それでも痛みは感じるし、気絶もする。年は取るのか、病気や寿命で死ねるのか、子供は産めるのか……わからないことだらけだ。わかっているのは、これで復讐が可能になったということだけだ。

【迷いは戦いの勘を鈍らせる。迷うな。迷いを捨て戦いに専念するのジャ】
「迷いがあってこそ、強くなれるニャ。迷いが全くないのは、狂人やゾンビや機械だけニャ……」

彼女は孤独だ。ユーワンやミネットもここにはいない。友達を作るのは得意だが、ここは騙し合いと殺し合いの戦場。いつ何時背後から襲われ、友達になった人を巻き込むかもしれない。フォーチュンは拳を握りしめる。

「ランサーは、神様なんだよニャ? 死人を生き返らせることは、出来るのかニャ?」
【わしは混じりっけなしに神ジャが、死人を生き返らせることはようせんのジャ。ゾンビやスケルトンにならできるのジャが】

暢気そうに話すランサー。彼女がいるのは、フォーチュンの豊満な胸の真ん中。小さな黒い鏡として貼り付いている。

彼女の真名は……『テスカトリ・ポカ(煙を吐く鏡)』。メキシコのトルテカ文明やチチメカ諸族、アステカ帝国において崇拝された創造神。戦争と夜と魔術、死と破壊と悪行の神。世界に混乱と変化と自由をもたらすトリックスター。その聖獣・化身がオセロトル、ジャガーである。神代ならぬ現代、偉大な神たる彼女が直接地上世界に介入することは出来ない。そのため分霊となり、こうしてマスターに取り憑いているわけだ。

【だいたいおヌシ、一個しか無い特効薬の効果が疑わしいなら、どうするのジャ?】
「試してみるのが一番ニャ!」
【それでよい。万事なんとかなるものジャ。禍事があってもそれはそれ。わしがなんとかしてやるわい】

自信満々のランサーの言葉に、フォーチュンは少し安心する。全知全能ではないにせよ、自分のサーヴァントは神様なのだ。だいぶ邪神寄りだが。
「わかったニャ。今はひとまず、聖杯を獲得するために動くニャ。けど、調べてみて、ダメそうだったらぶっ壊す。それでいいニャ?」
【待て待て、壊すことはないジャろ。わしの望みを叶えさせてくれ!】
「何がお望みニャ? 世界征服とか人類絶滅とか、ヤバいお願いならお断りだニャ。事と次第によっては協力するけど……」

ランサーは黒曜石の鏡の中で胡座をかき、考え込む。はてさて。
【うーむ……わしの真の望みは、ケツァル・コアトルと決着をつけることジャ! あのアバズレと、東から来た白い連中のせいで、随分苦しめられたものジャ。とはいえ、わしらはオメテオトル(双子の神)。互いがおって世界の秩序が保たれておるのも事実。十字架のオッサンもその母親も土着化しとるし、今更帰れとも言えん。……そーーージャのう、言われてみれば、何を願ったもんかのう? 血肉や心臓なら、英霊オンリーとは言え、この戦場で喰えるしのう……】
「まあ、追い追い考えればいいニャ。闘いが好きなら、たっぷり闘えばいいニャ」

ぐっと伸びをし、フォーチュンはベッドから起き上がる。……なんだか、身体がムズムズしてきた。ランサーの仕業か。
「ランサー、外出したいのニャ?私、寒いから寝床で丸くなりたいニャ…」
【わしも寒いのは苦手ジャが、基本的に夜行性なのジャ。魔力で保温してやるゆえ、ちょいと夜道を散歩しようぞ。コンビでの戦い方も試したいしの】
「面倒な事になりそうニャ……。私の服が破れたら、魔力で直してニャ!」

貴重品を身につけ外套を纏うと、フォーチュンは窓を開け、ひらりと夜の街へ飛び出す。さあ、狩りの時間だ。

【クラス】
ランサー

【真名】
テスカトリ・ポカ@中米神話

【パラメーター(化身)】
筋力B 耐久C 敏捷A 魔力A++ 幸運B 宝具EX

【属性】
混沌・悪

【クラス別スキル】
対魔力:A++
ランク以下の魔術を完全に無効化し、逆に反射or吸収する。事実上、魔術で傷をつけることは出来ない。

【保有スキル】
女神の神核:B
生まれながらにして完成した女神であることを現す、神性スキルやカリスマを含む複合スキル。精神系の干渉をほとんど緩和する。アステカ神話における創造神の一柱であり、ケツァル・コアトルの対立者。シヴァやスサノヲにも類似する創造と破壊の神。そのまま現界すると世界が滅びかねないので、相応に霊力を弱めて分霊化し、宝具を介してマスターに取り憑いている(疑似サーヴァントではない)。『クァウティトラン年代記』には「トランの宰相(王)ウェマクを陥れるべく、尻の大きな女に変身して同棲した」という話があるので、女体化しても問題はないですやんか。

悪神の智慧:EX
トリックスターにして文化英雄、夜と闇と魔術の神としての偉大なる叡智。幻術や呪術、変化などのスキルを内包する。

自由なる闘争:EX
創造と破壊の神として、世界に絶え間なき混乱と変化と自由をもたらさんとする傍迷惑な情熱。同ランクの「反骨の相」スキルにも相当し、令呪による命令やカリスマ等を無効化するばかりか反射する。根っからのケンカ馬鹿であり、狡猾な妖術師でもある。

吸血:A
吸血行為と血を浴びることによる体力・魔力吸収&回復。ランクが上がるほど吸収力が上昇する。吸血鬼というわけではないのだが、人身御供を好む。
若く美しい人間の血を飲み心臓を喰らうのが好きだが、マスターが嫌がるので敵サーヴァントの血肉を飲食するにとどめている。

オセロトル:A
自らの聖獣(ナワル)である黒いオセロトル(ジャガー)の化身を出現させる。ちょっとずんぐりむっくり。上半身は筋肉質な裸の獣女。口からは黒くて臭い毒ガスを吐く。「暗き密林の顎(ジャガー・アイ)」「怪力(ジャガー・キック)」「ジャガーの加護(ジャガー・パンチ)」を兼ね備え、マスターにも付与する。「森」のフィールドにいる時に各種判定にプラス効果を加え、攻撃力が上昇し、必要以上の恐れや痛みを感じなくなる。化身を破壊されても本体にダメージはない。

【宝具】
『時に煙る黒曜の鏡(テスカトリ・ポカ)』
ランク:EX 種別:神性宝具 レンジ:1-99 最大捕捉:100

彼女の真名を冠し、霊核を埋め込んだ御神体。マスターの胸に埋め込まれており、黒煙を吹き出して敵の目を晦ます。「千里眼」及び「気配遮断」スキルをAランクで所有していると同等の効果があり、相手が千里眼などでこちらを観測するのを防ぐ効果もある。さらに魔力攻撃を吸収or反射する。これを破壊しない限り彼女の霊核を砕く事は出来ない。神性特攻持ちなら普通にダメージが通ってしまう。

『朱に染まる黒曜の槍(テペヨロトル・テポストピリー)』
ランク:B 種別:対人-対城宝具 レンジ:1-300 最大捕捉:1000

ランサーである所以の宝具。彼女に仕える戦士団「ジャガーの戦士(オセロメー)」が振るった石槍。マスターに振るわせることも可能。長い木製の柄の先に、樹脂を用いて黒曜石の刃を埋め込み、薙刀状にしたもの。相手を掠め切るようにして使用する。神の宝具であるため強度は高く伸縮自在。吸血スキルとの合わせ技により、敵が流した血液を吸って魔力に変換出来る。ジャガー神テペヨロトル(山の心臓)として、地面に突き刺して霊脈に働きかけ、局地的な地震や火山噴火、洪水を起こすことも可能である。

【Weapon】
宝具である石槍。マスターの肉体を強化して戦わせるほか、ジャガーマンならぬオセロトルレディとして仮現し共に戦うことも可能。卓越した幻術により変幻自在。指先から蜘蛛の糸を射出して移動したり、背中から蝙蝠の翼を生やして飛翔したり、肋骨を伸ばして敵を突き刺したりできる。

【神物背景】
メキシコ中央高地のトルテカ人やチチメカ人に崇拝された大神。テオティワカンの網目ジャガー神、ユカタンのカウィール神、キチェ人の嵐の神フラカンや黒曜石の神トヒルに相当する。その名はナワトル語の「鏡(tezcatl)」と「煙(poca)」から成り、「煙を吐く鏡」あるいは「曇った鏡」を意味する。テスカ・トリポカやテスカポリトカではない。通常は黒い肌の戦士として描かれ、顔に黒と黄色の縞模様を塗り、片足は魔術に用いる黒曜石の鏡に置き換えられているが、片足が蛇で胸に鏡が置かれている場合もある。大英博物館には、人間の頭蓋骨を黒曜石や翡翠、トルコ石などで飾り立てた、この神を表したとされるマスクが所蔵されている。

この神は複雑な性格と多くの異名(異相・化身)を持ち、モヨコヤニ(全能者)、ティトラカワン(我らは彼の奴隷)、イパルネモアニ(我らを生かしている者)、トロケ・ナワケ(傍らにいる者の王)、イルウィカワ・トラルティクパケ(天と地の所有者)、ナワルピリ(高貴な魔術師)、チャルチウ・テコロトル(尊いフクロウ)、チャルチウ・トトリン(尊い七面鳥)、ヨワリ・エエカトル(夜の風)、ネコク・ヤオトル(双方の敵)、ヨワリ・テポストリ(夜の斧)、オメ・アカトル(二の葦)などとも呼ばれる。戦争と夜と魔術の神であり、性格は奔放、気紛れかつ好戦的で人身供犠を要求し、貴族・戦士・呪術師・盗賊を守護し、死と破壊と悪行をもたらす。一方では卑俗で親しみやすい神でもあり、気に入った者には繁栄と富貴と名声を授ける。また夜になると辻をうろつき戦士たちに挑戦するが、打ち負かせば願いを叶えてくれるという。妻は大地と水の女神アトラトナン、塩の女神ウィシュトシワトル、豊穣の女神シローネン、花の女神ショチケツァルの四柱で、愛欲と浄化の女神トラソルテオトルとも関係が深い。

創世神話によれば、この神は至高神オメテオトルが産んだ四柱の神々の一柱で、ケツァル・コアトルや雨の神トラロック、犠牲の神シペ・トテックとは兄弟とされる(諸説あり)。神々が世界を創造した後、テスカトリ・ポカは太陽神となり、巨人族を地上に住まわせて統治した。やがてケツァル・コアトルが反逆し、テスカトリ・ポカを棍棒で天空から叩き落とした。水中に落ちたテスカトリ・ポカは巨大なオセロトル(ジャガー)に変身して陸に上がり、巨人族を皆殺しにすると、太陽神になっていたケツァル・コアトルを天空から蹴り落とした。この時、人類の多くは風で吹き飛ばされてしまい、生き残った人々は森に逃げて猿になった。そこでトラロックが第三の太陽神となり、世界を治めた。だがケツァル・コアトルは天から火の雨を降らせて人々を焼き殺し、トラロックを引きずり下ろした。生き残った人類は七面鳥になった。第四の太陽になったのは、トラロックの妻である水神チャルチウィトリクエだったが、テスカトリ・ポカが大洪水を起こして世界を滅ぼしてしまい、人類は魚に変えられた。テスカトリ・ポカは一組の夫婦だけは木の洞に隠して救ってやったが、彼らが魚を勝手に食ったため怒りを発し、犬に変えてしまった。

これらの後、神々は協力して世界を再建することにし、崩れ落ちた天を持ち上げた。だが大地は海の底に沈んでしまっていた。そこでケツァル・コアトルとテスカトリ・ポカは、海を泳ぐ巨大なワニの怪物トラルテクトリと戦い、蛇に化身してこれを引き裂き、大地を創造した。この時の戦いでテスカトリ・ポカは片足を食いちぎられてしまい、代わりに鏡(あるいは蛇)をつけたのだという。

その後はケツァル・コアトルが神話の主役となり、テスカトリ・ポカは影に隠れてしまうが、10世紀にケツァル・コアトルの化身とされたトルテカ王トピルツィンを破滅させるため突然姿を現す。蜘蛛の糸を伝って天空から降りてきたテスカトリ・ポカは、呪術師に変装して王に近づき、鏡に王の老いた姿を映して憂鬱にさせた。そして憂さ晴らしに酒を飲ませ、王の姉妹と近親相姦させた。続いて「暁の如き全裸の美青年」に変身し、宰相ウェマクの娘婿になった。彼は戦争で活躍して人望を集めたが、宴会で呪いの歌を歌い、客人たちを踊り狂わせて崖から飛び降りさせた。さらに奇術師に化けて市場の人々を集め、将棋倒しにさせて殺した後、民衆を煽って自分を殺させた。するとその死体が腐敗して悪臭を放ち、嗅いだ者を全て殺した。王は嘆き悲しんで王宮に火をかけ、蛇の筏に乗って東方の海の彼方へ去っていったという。こうした神々の争いは、実際には信者同士の争いを表すともされる。

トルテカ文明が北方のチチメカ人の襲来で滅亡した後、テスカトリ・ポカはチチメカ人にも崇拝され、都市国家テスココでは主神として崇められた。またチチメカ人の一派であるクルワ・メシカ族の国、すなわちアステカ帝国においても、民族神ウィツィロポチトリらと並んで篤く崇拝され、王権の守護神とされた。彼の祭礼は第五月トシュカトルに催され、神の化身として一年間の栄光を受けた若者が生贄に捧げられた。第九月のミクカイルウィントントリ、第十五月のパンケツァリストリも祭月である。スペイン人到来後にキリスト教が布教されていくと、テスカトリ・ポカは闇の精霊である悪魔とみなされ、その神話や伝承は歪められた形で伝えられた。

気紛れで快楽主義的な神の分霊。ケツァル・コアトルやジャガーマンが女体化したことだし、女っ気が少ないのでノリで女体化した。語尾は「ジャ」。
キャスター、バーサーカー、アヴェンジャー等の適性もある。光に弱いわけではないが、夜や暗闇の方が好き。

【サーヴァントとしての願い】
考え中。今のところは闘争や殺戮、食事が出来ればそれでいい。

【方針】
弱そうなサーヴァントを狩っては喰らい、魔力を高めつつ優勝を狙う。手強そうなら策略を仕掛けて脱落させる。

【マスター】
ミス・フォーチュン@スカルガールズ

【Weapon・能力・技能】
『パルクール』
猫めいた俊敏な動きで飛び跳ねる。運動神経はよい。

『硬質化』
耳や尻尾など体の一部を硬質化させ、武器として用いる野性的な特殊能力。手足の爪や牙も攻撃に使う。普段はランサーが幻術で隠している。

『不死身』
ミステリアスな宝石「ライフ・ジェム」を飲み込み消化したことで獲得した、完全なる不死身の肉体。痛みはしっかり感じるものの、肉体をどれだけ破壊されても死ぬことはなく、自ら切断・分離させて独自に行動させるトリッキーな戦法を使う。傷跡はある程度残るし、衣服は修復しない(サーヴァントに修復させることは可能)。不老なのか、寿命でも死なないのか、代償があるのかは不明。サーヴァントによる加護もあるが、相当に痛めつけられれば気絶はする。生きたまま封じ込められたりすればどうしようもない。

【人物背景】
Ms. Fortune。米国産対戦格闘ゲーム『スカルガールズ』のプレイヤーキャラクターの一人。本名はナディア・フォーチュン。職業は盗賊。英語版でのCVはキムリン・トラン、日本語版でのCVは花澤香菜。褐色の肌で白髪ボブ、碧眼、猫耳と牙と尻尾を持つ猫娘の盗賊。語尾は「ニャ」。年齢20歳、11月24日生まれの射手座。血液型はB。身長173cm、体重58kg。B86・W58・H86。ブラのサイズは32B。好きなものは友達をつくること、日向での昼寝、下手なジョークを聞かせること、金持ちから奪うこと、恵まれない人に与えること、子犬、フィッシュボーン・ギャングとユーワンのレストラン、バレーボール、ボウリング、ゴルフ、パルクール、飲茶、ポテトチップス。嫌いなものは弱い者いじめ、騒音、有袋類、メディチ・マフィア、ブラック・ダリア、警察、寿司、レモネード。

キャノピー王国ニューメリディアン市リトル・インスマウス地区出身。ダゴニアン(魚人)の盗賊団「フィッシュボーン・ギャング」に拾われて育った。しかし王国の裏社会を仕切るメディチ・マフィアから「ライフ・ジェム」を盗み出そうとして失敗し、メンバーは無残な死を遂げた。ナディアもマフィアの女殺し屋ブラック・ダリアに身体をバラバラにされたが、ライフ・ジェムを飲み込み消化してしまったことにより、完全な不死身を獲得していた。死んだふりをして生き残った彼女はリトル・インスマウス地区に身を潜め、魚人ユーワン&ミネットのレストランで世話になりつつ、仲間の復讐のために機をうかがっている。元いた世界は現代地球と遜色ない程度の(超科学等もある)文明世界で、日本に相当する地域から来たマンガやアニメも存在するが、テレビゲームは存在しないらしい。

【ロール】
イタリアからの観光客。とある格安ゲストハウスでアルバイトしながら長期滞在中。懐具合はそこそこ。

【マスターとしての願い】
フィッシュボーン・ギャングの皆を生き返らせて欲しい。けど……。

【方針】
京都観光をしつつ、サーヴァントだけ倒して優勝し、聖杯を獲得する。協力できる主従とは協力する。

【把握手段・参戦時期】
原作でのストーリー開始前。詳しくは公式サイトやwiki、Youtubeとかを参照下さい。

◆◆◆

不死身のねこ娘と真・ジャガーマンレディだ。やはりどうもステータス表が長くなるが気にするな。テスカトリポカは邪神だが破壊神でも創造神でも文化英雄でもあるので、FGOのケツァル・コアトルやなんかを考慮してこんな感じにした。ちょっとナラクが入った。ミス・フォーチュンはマジで不死身で戦い方がグロい。スカルガールズの登場キャラはヤバいのばかりだ。なんかヒュージシュリケンをズンビーっぽくしたのまでいる。

【続く】

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