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【聖杯戦争候補作】Tender Sugar

ボクと契約して、魔法少女になって欲しいんだ。
ボクは君たちの願いごとを、なんでもひとつ叶えてあげる。
なんだってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ。
でも、それと引き換えに出来上がるのがソウルジェム
この石を手にしたものは、魔女と戦う使命を課されるんだ。

最近、私は同じ夢を見る。
誰か知らない女の子が病室にいて、ベッドの上に座ったまま本を読んだり、食事をしたりする姿を、ただ眺める夢。
その子は時々、私に笑いかけて何かを言う。だけど私には、その声が聞こえない。
きっとそれは、私が病室にいないから。私は画面の向こうにある別の世界を、ただ眺めているだけだから。

どうして私…こんな夢ばかり見るようになったんだろう。

――見滝原市――

私が繰り返し、あの夢を見るようになったのは、前にこの町に来てから…
あれからずっと、夢を見る度に胸がざわめく…
私の中に押し込められた何かが、しきりにうごめくように…

…だから、私は真相を知りたい。夢のことも、胸がざわつく理由も…
だって、そのために、この町に来たんだから…

見つけないと…そして確かめないと…

「甘いのは、好き?」
「……はい……」
「じゃ、これ食べる?」
「いえ……私は、遠慮しておきます」

自分の部屋で全てを思い出した時、私の目の前に、奇妙な女の子が立っていた。金髪のおかっぱで、前髪で目が隠れていて、ほっぺに黒丸、胸にバツ印。ショートジャケット、ズボン、腕と脚にストライプ。指先に結んだ糸の先には4つのキャンディ。年齢は、わからない。私よりは年上に見える。女の人、と言うべきだろうか。年齢を聞くのも失礼だろうか。

「わかんない」
「え?」
「私、自分でも年齢、わかんないんだ。忘れちゃった。もともとないのかも、年齢」
「はい……」

心を読まれたのか。……彼女は、私のサーヴァント。使い魔の一種、だそうだ。『英霊の座』というところから霊的にコピーされた、過去や未来の英雄、異世界の存在の霊。そういう記憶や知識が、私の頭の中に入っていた。魔法少女の力とか、ドッペルとか、魔女とは違うらしい。ただ、彼女が……魔法少女よりは、ドッペルや魔女に近い存在だとは、なんとなくわかる。名前……真名や、クラス名は、まだ教えてくれない。

「このゴミ箱の中身なら、いい?」
「あ、はい」

彼女が手を触れたものから、ざらざらと砂糖が湧き出す。いや、触れたものが砂糖に変わる。メルヘンチックな能力だ。生きたものは変えられないらしい。そして、その砂糖は魔力を含んでいる。彼女は普通の食事をせず、この砂糖ばっかりを好んで食べる。彼女が霊でなければ、糖尿病になりそうなほど。

「いろんなものから簡単に作れるのはいいよね。もともとは、■■■■の■■を■■して作られてたのに。それにしても、どうしてあれもこれも、ぎょっとするモノばかりなんだろ。おかげでタイクツしないけど。:-)」

彼女の言うことは、脈絡がない。あったりなかったりする。どうやら、あの砂糖には精神を狂わす性質があるらしい。やめさせることは出来ない。あれは彼女そのものだ。あれを食べ続けねば彼女は消えてしまう。彼女が消えれば、私は―――『環いろは』は、聖杯戦争から脱落してしまう。

「シュガー」
「……え?」
「『シュガー』よ。この物質。で、私の名前。クラスは『バーサーカー(狂戦士)』だって。世界は5つの要素から構成されてる」

急に名乗られた。そして意味がわからない。狂戦士。狂っているのは、わかる。
「煙、メタル、プラスチック、肉、シュガー。このゾーンは、そうじゃないみたいだけど」
何を言っているのか、全然わからない。『シュガー』が真名、らしい。砂糖さん。佐藤さん?

「紛らわしい? そうよね。物質もシュガー、私もシュガー。私の方は『スクレ(Sucre)』って呼んでもいいみたい。:-)」
スクレ。……たぶん、英語ではシュガーで、何語だかではスクレ。砂糖のこと、だろう。
「フランス語だって。フランスってなんだろ?」
彼女はフランスを知らないらしい。全然違う世界の人なのだろうか。それとも、砂糖の食べ過ぎ?

「あ、イローハ。私、毒に弱いのかも。体力が多いから、毒が効く。気をつけて」
「はい……」
会話にならない。毒に弱い。それは、まあ、そうだろう。あと、イローハじゃなくて『いろは』なんだけど。
「ええと、私、治癒の魔法が得意です。毒は……体力は回復できますけど」
「すごいね。イローハ。治してね。頭の方は治らないよ。シュガー食べないとダメだから。私の望みはシュガーを食べることだけ」

……この人を治すと、消えてしまうのだろう。治したくはあるが。
いろいろ置いておいて整理すると、こうだ。彼女は『シュガー』ないし『スクレ』、クラスは『バーサーカー』。話は通じない、こともない。生きていない物質を砂糖(シュガー)に出来る。このシュガーは魔力を含んでいて、多幸感を与え、依存性がある。バーサーカーはたくさん魔力を消費するけど、彼女はシュガーを貪ることで補給出来る。そこはメリットだ。

真名を知ったのでステータスが確認出来るようになった。そこそこ戦えるが、強力ではない。仲間が必要だ。やちよさんのような魔法少女が来ていたら、協力出来るだろう。聖杯は―――どうするか。願いはある。妹を助け出し、治すことだ。でも、ここから神浜市に帰るにも、聖杯が要るのかも知れない。いやそもそも、聖杯を作って大丈夫なのか。この戦争の主催者は、何を企んでいるのだろう。

□□

ぼくらはここで■■を燃やして、出た蒸気を画期的な下水システムによってシュガーに変えてるんです。作られたシュガーは、工場の壁を縦横に走る下水チューブで処理室へ送られます。そこで残った灰を取り除くために洗浄を受け、精製されるんです。完成したシュガーは、日々の仕事のご褒美として、従業員全員に配給されます。

隠された…第五のエレメント…もっとも重要なエレメント…

だってシュガーが無ければ、人々はこれ以上現実に耐えられず、みんな狂ってしまうでしょうから。

□□□

:-)

ステキなモノのこと、すーっごく真剣に考えてみなよ。そしたらキミにだって、ステキなモノが見えるかも。それってたとえば、ステキな一日みたいなカンジ。おっきなアヒルちゃんとすごす日みたいな。それも、ぎょっとするようなアヒルちゃんと。

□□□□

シュガーが歌う。スクレが唱う。
英語で歌う。フランス語で唱う。日本語で詠う。

♪私が頼りにする小さなもの
♪白い砂糖が私を優しく隠す
♪ああ、甘い砂糖が私を救う
♪それは私を閉じ込める部屋
♪私を閉じ込める 甘い砂糖

:-)

【クラス】
バーサーカー

【真名】
シュガー@OFF

【パラメーター】
筋力C 耐久B 敏捷C 魔力B+ 幸運C 宝具C

【属性】
中立・狂

【クラス別スキル】
狂化:C
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。また現界のための魔力を大量に消費するようになる。そこそこ会話可能だが、シュガー中毒によりよくわからないことばかりしゃべる。シュガーを作り出して貪り食うことで魔力を補給出来るため、燃費は比較的良い。

【保有スキル】
シュガー中毒:EX
自分で生成する魔力を帯びた物質「シュガー」を貪り続けたいという欲望。シュガーは多幸感を与え依存性があり、多量の使用は精神を狂わす。「精神汚染」「精神異常」のスキルを包含し、他の精神干渉系魔術をシャットアウトできる。

陣地作成:C
本来はキャスターのクラス特性。地下室に自分の「工場」を作成し、材料があれば大量のシュガーを作ることが可能になる。

シュガーアタック(仮):C
シュガーを消費して敵を攻撃する技ないし術。幾つかの種類がある。

・キャトル・キャール:単体にダメージを与える
・パフェ・ショコラ:全体にダメージを与える
・ミル-フィーユ:単体の攻撃力を低下させ、激怒(命令を聞かず、物理攻撃しかしなくなる)を付与する
・ダム・ブランシュ:単体に錯乱を付与する
・ハードキャラメル:単体を麻痺させる

【宝具】
『甘いの四つ欲しい?(ダミー・シュガー・キャンディ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1-5 最大捕捉:4

砂糖でできた、四粒のおいしいキャンディ。両手に二つずつ弦で結んで持っている。各々が弛緩の仮面(全体・魔力上昇)、盲いの仮面(全体・筋力上昇)、病の仮面(全体・耐久上昇)、共感の仮面(全体・敏捷上昇)という技を使う。これにより自他のパラメーターを一時的に強化出来る。ダメージを与えると砕けるが、シュガーによって再生可能。最大で四つまでしか同時には持てない。砕くと銀の肉を落とすかも。

『甘いのはお好き?(グランド・ショコラティエ)』
ランク:C 種別:対物宝具 レンジ:1 最大捕捉:-

砂糖を連想させる奇妙な物体。シュガーの霊核と融合しており、彼女が触れた物質(無生物)を「シュガー」に換える。シュガーはこのシュガーを摂取することで魔力を短時間増強させられるが、多幸感を与え依存性があり、多量の使用は精神を狂わす。他人に与えることも可能。死体など魔力量の多いものほど高純度のシュガーになる。土や岩をシュガー化して脆くすることも可能。生物や英霊を直接シュガー化は出来ない。

【Weapon】
宝具。

【人物背景】
フランス名はスクレ(Sucre)。ベルギー産フリーゲーム『OFF by Mortis Ghost』の、とある場所に存在する隠しボス。金髪メカクレおかっぱ頭で、ほっぺに黒丸、胸にバツ印が描かれている女性。 :-)  CVは自然ガイド。
OFF世界のエレメントのひとつ「シュガー(砂糖)」を好み、地下室にある巨大なシュガーの山の近くにいて、それを貪っている。シュガー中毒であるらしく、話しかけても奇妙なことしか言わない。仮面の商人ザッカリーとなんらかの関係があるが、確かなことは不明。「お互いが好き(like)なことは確かだが、彼らが友人なのか、恋人なのか、兄弟や姉妹であるのかはわかりません」と原作者にコメントされている。少なくとも「ザッカリーの母親ではない」。シュガー工場のあるゾーンのガーディアン・イーノックとの関係も全く不明。

【サーヴァントとしての願い】
なし。シュガーを作って貪りたい。

【方針】

【把握手段】
ああ… 原作をプレイすることですね。日本語OFFwikiも見るといいです。派生とかはよくわかりません。

:-)

【マスター】
環いろは@マギアレコード

【Weapon・能力・技能】
『魔法少女』
キュゥべえとの契約により、自分の魂を封じ込めたソウルジェムによって魔法少女に変身できる。変身することで常人を凌駕する身体能力と肉体強度を獲得し、それぞれ固有の能力となる魔法を使える。彼女は光属性・ヒール(治癒)のタイプに属し、体力の回復に関する魔法に長ける。

『クロスボウ』
小さなクロスボウ。魔法少女としての固有武器。敵の頭上から光の矢を降らせて攻撃し、力尽きた仲間一人を復活させる「ストラーダ・フトゥーロ(未来への道)」というマギア(必殺技)を使う。

『ドッペル』
ソウルジェムが濁りきった際に、内なる魔女の力を部分的に発動・自由に行使する能力。覚醒した魔法少女だけが備え、神浜市でのみ体現できる不可思議なちから。現在いろははこの能力を使いこなせてはいないが、ソウルジェムが濁りきった際、無意識のうちに発現する場合がある。

いろはのドッペルは「沈黙のドッペル」と呼ばれる。その姿は、呼子鳥。このドッペルは沈黙の写し。ソウルジェムが黒く染まりきる時、いろはの髪の毛が変化しこのドッペルは姿をあらわす。臆病な性格のこのドッペルは沈黙し耳を塞ぎ、あらゆるものを布で覆い隠そうとしてくる。真名はGiovanna。

【人物背景】
アプリゲーム『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』の主人公。CV:麻倉もも。15歳の中学3年生。妹「うい」の病気を治すため、キュゥべえと契約した魔法少女。姿を消し、記憶からも消えていた妹を探すため、不思議な夢に導かれて神浜市にやって来た。性格は明るく真面目、お人好し。控えめで周囲に気を遣いすぎるところはあるが、ここ一番では芯の強さを見せる。趣味は料理(味付けは薄い)。得意料理は豆腐ハンバーグ。最近の流行には疎く、スマホの扱いもぎこちない。方向音痴でよく道に迷う。

【ロール】
中学生。両親はいるが妹はいない。

【マスターとしての願い】
妹の病気を治したい。現世への帰還。

【方針】
ひとまず仲間と情報を集めて、この聖杯戦争がなんなのか調べる。戦いは当面避ける。

【把握手段・参戦時期】
原作。ドッペル発現後。

:-)

天国聖杯に唯一通過した主従だ。ちょっとズルをした。なにしろベースがまどマギだから、いろはを出せば採用してくれるだろう(おれはまどマギやマギレコにあまり詳しくない)。従順で有能な鯖をつけても面白くないから、癖の強いやつをつけた。本文の半分以上は、マギレコとOFFの台詞の抜き書きだ。あとはシュガーの元ネタの歌詞の和訳。でも通ったのだから勝ちだ。

OFFは星座聖杯のベースになってた作品で、そこから知ってやってみたところ結構面白かった。OFFもまたMOTHERとかの影響を受けている。シュガーはカワイイで狂ってるので人気が高く、ザッカリーとのカップリングも人気だ。狂ってるのでバーサーカーだ。宝具はスタンド能力ぽくした。

イローハ…環いろはは、まっとうに善良な魔法少女で、主人公力がつよい。しかしまどマギ海は悪意が渦巻いている。聖杯戦争の舞台ともなればなおさらだ。吐き気を催す邪悪もいる。鯖は狂人だ。どうなることやら。おれは天国聖杯本編に投下しないので、動かしてくれる方々には感謝しかない。おれは黄金の精神を尊重する。彼女の善なるカルマの上に幸多からんことを。

【続く】

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