前回のあらすじ：オナタカミ社による秘密会合の出席者を護衛するため、三人の手練れニンジャチームが集められた。裏の任務は、オナタカミを裏切ってオムラに会合の場所を密告したヤナマンチの出席者とニンジャたちを始末することだ。企業ニンジャたちに拒否権はない。カラダニキヲツケテネ！

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　情報によれば、他の企業のニンジャは一人か二人。イッキ・ウチコワシのニンジャ戦力も一人だという。『またオムラはソウカイ・シンジケートと密接な提携関係にあります。ソウカイヤのセキュリティ部門からオムラへ情報が流れた可能性も』「イクサは避けられないか。会合をしない選択肢は？」

『ありません。これは裏切り者を燻り出し、始末する機会です。サイデン・マルティネス＝サンはそう判断されました』「了解」三人に否も応もない。全身に施されたサイバネはオナタカミのプロダクトだ。上がそう判断したなら、それに従って動くのがサラリマン、すなわち企業戦士である。

『では、よろしくお願いします。全てはオナタカミのために』「「「ハイヨロコンデー！」」」

作戦開始

　廃墟と化した巨大ショッピングモール「コケシ」。ここが反オムラ秘密会合の場だ。朽ち果てたテナントと有機的に入り組んだ瓦礫、企業兵士らの厳重な監視を潜り抜け、エレベーターを何度も昇降した先の17階。吹き抜けの多いフロアには、直径9メートルの巨大円卓コタツが設置されていた。

　コタツにはオナタカミの専務、ヤナマンチの専務、ニッキキの取締役、マトモ電器の専務、ヤマミ鋼材の跡取り、サブリ化学のCEO。そしてイッキ・ウチコワシの伝説的な革命指導者、バスター・テツオが座っている。彼らの背後にはそれぞれ護衛ニンジャが一人ずつ控え、目を光らせている。

　すでに名刺交換も終わり、バスター・テツオからウチコワシによる反オムラ活動の戦果が報告されていた。彼らの革命的な闘争は、着実にオムラの経済拠点を破壊し、無視できぬダメージを与えている。その闘争資金は、まさに彼ら反オムラ連合の暗黒メガコーポから出ているのだ。なんたる癒着！

「まさに賽は投げられた。この小さな炎を消す事なく吹き荒らす事がかなうのなら、オムラと言う巨象は斃れ、その死骸の土壌に美しい花々が咲き乱れるでしょう。花々……それは貴方がたです。貴方がたであればこの火に油を注ぐ事ができる。貴方がたにしかそれはできない。貴方がたの義務だ！」

　バスター・テツオの怒声が雷のように一座を打ち据えた。そしてその怒声は思いがけず、轟音によって応えられた。それはとてつもない震動を伴った破砕音……何かがショッピングモールに突入したのだ。恐るべき質量を持つ何かが。そしてそれはテツオのものでも、オナタカミのものでも無かった。

？？？

「アイエエエエエ！？」ヤマミ鋼材の跡取りがコタツを飛び出し、狼狽えて周囲を見渡した。「何？どこから？コワイ！」KABOOOM！さらに轟音、そして震動！「下からだ」オナタカミ専務が言った。「上空は対空迎撃設備が生きている」「地震でもあるまい。オムラの襲撃か」とサブリ化学CEO。

「誰の責任だ！こんな簡単にバレて！」ニッキキ取締役が血相を変えて言った。「アイエエエ絶対そうです！だから僕は最初から反対しましたよね？」ヤマミ鋼材の跡取りは走り出し、護衛ニンジャに命令を下す！「行くぞブルージュッテ＝サン！僕を逃がせ！」「イエッサアバーッ！？」サツバツ！

　ヤマミ鋼材の護衛ニンジャ、ブルージュッテの背にカタナが突き刺さり、胸から切っ先が飛び出した！ヤナマンチの護衛ニンジャ、サンドウルフのアンブッシュだ！さらに潜んでいたヤナマンチの四人のニンジャが襲いかかる！「「「イヤーッ！」」」「「「「アバーッ！」」」」サツバツ！

　KABOOOOM！四人の護衛ニンジャが同時に爆発四散！なんたる鮮やかなアンブッシュか！「「「ウオーッ！」」」さらにヤナマンチの武装サラリマンたちが周囲のモールから飛び出す！今や裏切りは明白だ！

「イヤーッ！」オナタカミの護衛ディスメンバメントは、とっさにアンブッシュを躱してガード！タツジン！「これは裏切りか、ヤナマンチ＝サン！」「最初からこんな会合にアレしていません。裏切りとは人聞きが悪いですよ！」1:9分けの髪を撫でつけながら、ヤナマンチ役員は冷淡に返す。

「貴様！」「ホールドアップしなさい！貴方がたの身柄は、このままオムラに引き渡しますよ！WIN-WIN関係！」「アイエエエ！」武装サラリマンたちはアサルトライフルを突きつけ、出席者らを次々にホールドアップさせる！残るはオナタカミとウチコワシのみ！このままでは！……だが、その時！

「イヤーッ！」「アバーッ！？」突然、サンドウルフの首が刎ね飛んだ。傍らに立つ武装オーエルが無造作に腕を振り抜き、内蔵型ブレードでアンブッシュしたのだ。「サヨナラ！」KABOOOM！爆発四散！「え？」「イヤーッ！」次の瞬間、ヤナマンチのニンジャ・クレイモーンへアンブッシュ！

　BLALALAM！「グワーッ！？」別の武装サラリマンが唐突に二挺拳銃を抜き、回転しながら銃弾とカラテを叩き込んだ！クレイモーンは弾き飛ばされ吹き抜けから落下！「イヤーッ！」「グワーッ！？」ヤナマンチのニンジャ・シーパンサーも別の武装オーエルに投げ飛ばされて落下！三人が脱落！

「え？」ヤナマンチ役員と、残る二人の護衛スティングレイとバンケットはあっけにとられた。そして！「キエーッ！」「「「アババーッ！」」」ウチコワシの女ニンジャ・ネペンテスはナガユミから無数の矢を放ち、ヤナマンチの武装サラリマンたちを一掃！二人の護衛ニンジャは役員をガード！

「これでシンプルになったな」ディスメンバメントはサイバネ機構を展開させ、四肢を分解・浮遊させてオナタカミ役員をガードしている。「誰が裏切り者かハッキリした。早期に反抗の芽を摘まねばならん」「アイエエエ！」形勢逆転！ニンジャ戦力は今や五対二、ヤナマンチ側が圧倒的不利だ！

「代表アイサツは済んでいる。やれ！」ディスメンバメントは冷酷に命令を下す！「キエーッ！」BOBOBOBOBO！ネペンテスはナガユミから矢の雨を降り注がせ、ヤナマンチのニンジャらに役員をかばわせて防戦一方に追い込む！「「「イヤーッ！」」」そこへ三人のオナタカミニンジャが追撃！

　SLASH！BLALALAM！「グワ、アバーッ！」スティングレイが集中攻撃を浴びて倒れる！さらに！「アバッ」デスブレイカーのチョップ突きがすれ違いざまにバンケットの胸板を突き破り、心臓を抜き取っていた。デスブレイカーは掌の中のそれを……握りつぶす！「「サヨナラ！」」爆発四散！

戦闘終了

　ゴウランガ……なんと鮮やかなイクサ！五人のヤナマンチのニンジャたちはたちまち排除され、武装サラリマンも全滅！「アイエエエ……こんな話、聞いてないッ！」ヤナマンチの専務は腰を抜かし、失禁しながら逃げようとする。だがディスメンバメントの浮遊する手が彼の首根っこを掴んだ。

「雨降って地固まる。そして、賽は投げられた。この試練を反動存在の処刑で乗り越え、今こそ足並みを揃えて前進しましょう」バスター・テツオがパチパチと手を叩くと、ディスメンバメントはもう一方の手でヤナマンチ専務の頭を掴み、無造作にひねった。「イヤーッ！」「アバッ」即死！

「アイエエエ……」ヤマミ鋼材の跡取りも失禁し、腰を抜かしている。「貴方がたの護衛ニンジャは、アンブッシュに対応できない程度に弱かった。それだけです。必要ならば手練れのニンジャ戦力をオナタカミから貸与しましょう」ディスメンバメントは告げた。「まずは、屋上から脱出します」

？？？

　だが、その時！KABOOOOM！轟音とともに吹き抜けの下からオムラの戦闘兵器複数が出現！ジェットパックを装備した飛行型モーターヤブだ！それぞれには武装オムラマンが搭乗している！『敵目標発見。これより排除に移ります』『ヤナマンチ役員と護衛ニンジャは全滅。護衛必要対象なし』

「アイエエエ！助けて！」ヤマミ鋼材の跡取りは再失禁しハンズアップ！『裏切り者を助ける必要はありません』無慈悲！「ニンジャ戦力五人に対し、戦闘兵器とモータルで挑むとは」ディスメンバメントはため息をつく。「しかし、ニンジャ戦力も来るでしょう。即座に排除して撤退します」

戦闘再開

【続く】

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