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忍殺TRPGリプレイ【オペレイション、オペレイション・レスキュー】04

 前回のあらすじ:ネオサイタマの北、中国地方に広がるタマチャン・ジャングル。ヨロシサンに追われてここに逃げ込んだサヴァイヴァー・ドージョーは、バイオインゴット不足と分断工作により追い詰められていた。強敵サブジュゲイターから逃げ果せた一行だが、負ったダメージは重く……。

「フーッ……!」サブジュゲイターは深呼吸してニューロンの昂りを鎮めつつ、ヨロシ・ジツを用いて周囲のヨロシ存在に指示を伝達する。ストームタイガー、ラハブ、アサイラム、それに自分。非バイオニンジャのエルトリアトを含め、五名のニンジャチームと多数のトルーパーを動かす包囲作戦。

 敵戦力は八名。長期の追跡、毒餌、サブジュゲイターのジツで強化したトルーパーやバイオスモトリ部隊による掃討作戦により、彼らは目的の領域まで追い込まれた。廃棄されたヨロシ施設が点在し、バイオインゴットの倉庫も実在するが、各々に罠や毒、ニンジャ戦力やトルーパーが配備済みだ。

 リーダーのフォレスト・サワタリはバイオ率が低く、長期のバイオインゴット不足にも耐えるものの、彼を倒せば残りは各個撃破できよう。相手の負傷やバイオインゴット不足を鑑みるに、動かせる戦力はあと半分、四名いるかいないか。そして、この領域には……自分が求めるものが、あるはず。

 サブジュゲイターはヨロシ・トルーパーの増援を要請し、包囲の輪を縮めさせつつ、注意深くヨロシ施設の配置を地図で確認し、その一つへ向かう。必要物資を補給・回収し、彼の秘密の計画を進めねばならない……。

ダンゴウ

 洞窟の外で日が沈んだ。サワタリは立ち上がった。応急処置を施されたディスターブドがゴザの上に横たわる。洞窟の奥の闇ではフロッグマン、セントールがうずくまっている。ハイドラはここまで戻る途中でしんがりをつとめていたが、バイオインゴットが切れて倒れたところを敵に捕獲された。

 外を見張るのは新入りのウーティス、客人のナーギニーミルメコレオ。彼ら、彼女らもバイオニンジャであり、バイオインゴットは必須だ。幸い、ミルメコレオはクローンヤクザを食らうことでインゴット不足を補えるが、捕食対象にタケウチ・ウイルスなどを仕込まれれば危険ではある。

「様子はどうだ」「何も来ない。ある程度動かないと嗅ぎつけられるかも」ナーギニーが問いに答える。サワタリは頷く。「ディスターブド、フロッグマン、セントールは重傷だ。動かせば危険だろう。俺は別のヨロシサン施設へ潜入して物資を調達する。お前たちはここに残り、仲間を守れ」

「ハイドラ=サンは」「捕虜となったとみられる。ついでに救出する」「一人でか」「俺が一番動ける。この場を任せられるのはお前たちだけだ」一行は互いを見、頷き合う。だが、ナーギニーが申し出た。「私の所属している組織に……ザイバツ・シャドーギルドに、救援を要請したい。可能なら」

 サワタリは少し考えた。「ザイバツ。ソウカイヤと敵対している、キョートの暗黒組織と聞く。お前はその一員か」「そう。私はネオサイタマ駐屯部隊の下っ端で、駆けつけてくれるかもわからない。けど……仲間がいれば、きっと」「施設のUNIXで外部と通信できるならな」サワタリは唸った。

「お前の仲間のIPアドレスを教えろ。俺が通信する」「怪しまれる。私でなければ」「こいつらはどうする。襲撃された時、お前がいないために全滅するかも知れない」「それは……」「ダイジョブだ」フロッグマンがよろよろと立ち上がる。「俺たちがなんとかする。信頼してくれ。……頼んだぜ」

 サワタリは……頷いた。「よかろう、ナーギニー=サン。ともにヨロシサン施設を襲撃し、物資を奪い、ハイドラを救出し、可能ならザイバツへ通信を行い、救援を要請する。然る後、速やかに撤収する」「了解!」ウーティスとミルメコレオも頷く。彼らは留守番だ。仲間を守らねばならない。

 ……紙に鉛筆で書かれた手製の地図で周辺の情報を整理し、時刻ごとの合流地点や潜伏場所を指定したのち、サワタリは目的地を確認する。「ここに秘密施設が隠蔽されている可能性が極めて高い。これまでの調査とニンジャ第六感による判断だ。ここを襲う。おそらくハイドラもいる」「了解」

「気をつけろよ、大将、嬢ちゃん。この森はなんかおかしいぜ……」フロッグマンが息を荒げながら助言する。「わかってる。必ず戻る!」「そうだ!我々はサヴァイヴァー・ドージョー!可能な限りサヴァイヴする!」

出撃人員

https://note.com/gida0730/n/n15d637452418
◆フォレスト・サワタリ(種別:ニンジャ)
カラテ      10    体力       16
ニューロン     7    精神力       9
ワザマエ     11    脚力        8/H
ジツ        0    万札       20

攻撃/射撃/機先/電脳 10/11/ 7/ 7
回避/精密/側転/発動 13/11/11/ 0
即応ダイス:2 緊急回避ダイス:3

◇装備や所持品
◆マチェーテ二刀流:攻撃難易度H、連続攻撃+1、側転難易度+2
 防御構え:回避判定難易度-1、連続攻撃上限1、殺伐なし
 回転斬撃:ワザマエ判定Hで発動判定、隣接する敵全員に1ダメージ
  連続攻撃上限1、痛打・殺伐発生なし
◆タケヤリ:装備時側転難易度+1、攻撃難易度H、リーチ+1
 伸縮自在ゆえ所持時ペナルティなし
  強攻撃:攻撃難易度+1、痛打+1、連続攻撃上限3
  精密攻撃:ワザマエで近接攻撃、痛打なし
   出目666で殺伐、6666でナムアミダブツ
◆ショートボウ(スリケン)
◆伝統的ニンジャ装束一式:体力と精神力と即応+1、回避+2、緊急回避+3
 脚力ダメージ軽減1
▲▲戦闘用バイオトルソーLV1:脚力+1、体力+3

◇ジツやスキル
☆グエン・ニンジャソウル、ジツLV5
 ◉◉戦闘系ソウルの力:タツジンスキルを2つ持てる 記憶スロットから戦闘系スキル使用可能
  攻撃・射撃の直前に精神力1を支払い、攻撃+2か射撃+4
  1ターン中に最大2回まで使用可能 エンハンスやアドレナリンブーストは別
 ●ナム妄想:アトモスフィアがハード化するとターンごとに回避-1
  味方のバイオニンジャが一撃2以上の火炎ダメージを受けた場合、精神力-1
 ★◉トラップ設置戦術:連続側転で移動した手番中に、通過マスへ罠を仕掛ける
  ワザマエ判定(H)を行い成功した個数までのトラップを設置可能(6個まで)
   致命トラップ:ダメージ1、回避N
   捕獲トラップ:回避ダイスダメージ2、回避N、モブを移動停止させる
 ★◉即死耐性:即死効果を無視し「痛打+2D6」ダメージを受ける
  超過ダメージを受けても体力&精神力0で気絶にとどまる

◉◉タツジン:二刀流 二刀流での攻撃難易度N
 ●戦闘スタイル:連続回転斬撃
  精神力1+回避ダイス2を消費し発動(ワザマエH)
  素の連続攻撃回数まで回転斬撃(回数分判定ダイスを分割)
 ●戦闘スタイル:強化防御構え 連続攻撃上限2、殺伐なし
  次の手番開始まで、回避判定難易度-1か射撃ダメージ軽減1を獲得
 ●ワザ:アキレス・カッター 出目665+で発生
  回避H、殺伐出目4(脚部破壊)
 ●ワザ:捌き突き 出目5+で迎撃発生時、迎撃の回避難易度+1
  敵が回避判定できない場合は迎撃ダメージ2に置き換え

◉◉タツジン:ヤリ・ドー
 2マス離れた敵へのヤリの基本攻撃難易度N、隣接する敵へはH
 ●戦闘スタイル:強化精密攻撃 ワザマエで攻撃判定、隣接時は殺伐発生せず
  2マス離れた敵へは出目66で殺伐、665でナムアミダブツ
 ●戦闘スタイル:強化強攻撃 攻撃難易度+1、基本ダメージ2、連続攻撃上限3
 ●戦闘スタイル:薙ぎ払い突き 痛打・殺伐発生なし、エンハンス可
  ワザマエH判定に成功すると隣接敵全員に1ダメージ(回避N、迎撃不可)
  出目66なら体力を減らした敵1体を選んで真後ろに1マス強制移動させ、
  突きによる1ダメージ(固定、回避N、迎撃不可) 666なら追撃2ダメージ
 ●ワザ:迎撃串刺し 敵が2マス以上移動して近接攻撃を繰り出してきた場合、
  最初の攻撃に対する迎撃ダメージが2、回避Hとなる
  この迎撃が命中すると敵の攻撃フェイズは強制終了する

●連続攻撃2、連射2、時間差、マルチターゲット
◉頑強なる肉体:体力+2、毒属性のカラテ抵抗判定+2
◉不屈の精神:精神力+1、精神攻撃のニューロン抵抗判定+2
◉常人の三倍の脚力:脚力+1、側転難易度-1

能力値合計:38

 前回の冒険からサヴァイヴしました。負傷や疲労は回復したものとみなします。

◆ナーギニー(種別:バイオニンジャ)
カラテ       8>9  体力       14>15
ニューロン     6    精神力       4
ワザマエ     10    脚力        6/N
ジツ        0    万札        8>6
DKK       3>4  名声        8

攻撃/射撃/機先/電脳 10/10/ 7/ 6
回避/精密/側転/発動 11/10/13/ 0
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:1

◇装備や所持品
▲▲戦闘用バイオトルソーLV1:脚力+1、体力+3
 △バイオテイル:体力及び攻撃&側転+1
 △毒ガス噴霧:精神力1を消費し、開始か終了フェイズに瞬時行動で毒ガス攻撃
  隣接マス全員に毒ダメージ1(回避N) 戦闘中1回限り
▲▲戦闘用バイオサイバネLV1:バイオ武器LV1、ダメージ2、交渉判定難易度+1
 △外骨格ブレード:バイオ武器での近接攻撃時、出目6で痛打+1
●過剰バイオサイバネ(7個):精神力-2
◉バイオニンジャ化:体力+2、交渉判定難易度+1、アイテムによる回復量-1
●脆弱性:火炎(精神力1)

◆伝統的ニンジャ装束:回避と即応+1
◆レッグガード:緊急回避+1、脚力ダメージ軽減1

◇ジツやスキル
◉トライアングル・リープ:連続側転で壁に触れて移動した時、
 直後の近接攻撃の難易度上昇を無視し、1発目に痛打+1
◉電光石火:イニシアチブ+1、側転+2
 側転成功時に出目666なら回避ダイス3、6666なら4獲得
◉ニンジャアドレナリン強化:アドレナリン・ブースト回数+1
●連続攻撃2、連射2

○生い立ち:純正バイオニンジャ
◉知識:バイオ系メガコーポ
◉交渉:威圧
○立ち位置:心酔や従順(仲間への個人的な親愛)
◇カラテ鍛錬蓄積1

能力値合計:24>25

 前回の冒険で余暇4日を獲得しました。万札8なのでまずモータルハントを行い(サヴァジョとともにヨロシサンの施設を襲ったわけです)、10-1D6[2]=8を獲得。残り万札16。もう1日やって10-1D6[2]=8獲得、残り24。1D6[6]=DKK獲得!1D6[2]2で割って1獲得。カラテを鍛錬し[535]=13>9=成功、[125]=8<10=失敗。残り万札24-18=6。DKK4ですが、このイクサで生き残ればサワタリがカルマロンダリングしてくれるかも知れません。

行動開始

 サワタリとナーギニーはしめやかに夕闇の森の中へ突き進む。ニンジャ知覚力、野伏力、聴覚、嗅覚、第六感を最大限に駆使すれば、この陰鬱な森は最強の防衛陣地だ。洞窟の周囲には縦横無尽に罠が仕掛けてあり、クローンヤクザ程度では決して近づけない。ただ、ニンジャがくれば話は別だ。

 二人は立ち止まり、しゃがんで目と表情で会話する。この森は実際奇妙だった。鳥の声が無い。バイオリスやキツネ、シカといった獣の姿も、一度として見ていない。ヨロシサンの投入した地上戦力を恐れて逃げていった様子もない。だとすれば……直後、 危機の予感は現実のものとなった!

「MYYYYYYYAAAAAAHHHHH!」「MYYYYYYYYYYAAAAAAHHHHH!」気味の悪い叫び声が森に木霊する!二者は周囲を警戒!おお、見よ!木陰からじわりと進み出てきた複数の人影を!「MYAAAHHH!」人? それは人なのか、あるいは蔓草めいた植物の塊か? 少なくとも頭と四肢はある!

 頭部には、まぶたのない一対の目がギョロリと光り、その下に口らしきものがダラリと開いている。「MYAAAAHHHH!」なんたるおぞましい声!なんたる恐怖モンスター!「MYAAAH!」既に二者は大量の植物人に周囲を囲まれている。ニンジャ知覚力が及ばぬ相手か。否……木々の闇の奥を見よ!

 今まさに地面を蔦が這い絡み、地中から腐乱死体を引きずり出して、その全身を覆い尽くす様を!彼らは今まさに、次々に産声を上げているのだ!地中の腐乱死体に寄生し動かす、冒涜的生命体としての産声を!おお、ナムアミダブツ!ナムアミダブツ!「「「MYAAAAHH!MYAAAAHH!」」」

Stable Diffusion 2.1 Demo:"Photo, moving plant monster with human-like appearance, red cloudy eyes, standing in a dark forest"
◆ボタニック・ゾンビー・ミニオン(種別:バイオ生物)×6~
カラテ       2    体力        2
ニューロン     1    精神力       1
ワザマエ      3    脚力        2
ジツ        -    万札        -

攻撃/射撃/機先/電脳  2/ 3/ 1/ 1

◇装備や特記事項
●拘束蔦:射撃、ダメージ1、拘束(脱出H)
●脆弱性:火炎/爆発(体力1)
●同化:自身の体力を本体に与えて消滅、回復させる
●大量発生:数ターンごとに援軍がPOPする

能力値合計:6

 蔦で操られたクローンヤクザなどの死体です。戦闘力はクローンヤクザ並みですが数がやたら多く、拘束蔦を大量に飛ばして圧殺します。火炎攻撃を受けると燃え広がって滅びます。サワタリが火矢でも射てばいいでしょう。

 這い寄る蔦は一箇所へ集中し、脚、腰、胴体、腕、頭が順番に形作られていく。やがて顔の部分の植物表皮がバリバリと剥がれ落ちる……そこには生身の顔があった。網の目状に葉脈めいた血管を浮き上がらせた奇怪な顔が!最後に鼻から下を蔦が覆い、メンポを作る!『ドーモ。ボタニックです』

Stable Diffusion 2.1 Demo:"Photo, moving plant monster with human-like appearance, red cloudy eyes, standing in a dark forest"
◆ボタニック(種別:ニンジャ/バイオニンジャ/危険生物)
カラテ      12    体力       17
ニューロン     9    精神力       4
ワザマエ      5    脚力        6/N
ジツ        1    万札       30

攻撃/射撃/機先/電脳 12/ 5/ 9/ 9
回避/精密/側転/発動 12/ 5/ 5/ 9
即応ダイス:2 緊急回避ダイス:0

◇装備や所持品
▲▲▲▲▲▲戦闘用バイオサイバネLV3:バイオ武器LV3、スロット3
 ダメージ2、出目6で痛打、66で痛打+2 交渉判定難易度+2
 △△△△△△無数の触腕:バイオ武器による近接攻撃にリーチ+1
  ●拘束攻撃:痛打・殺伐なし、脱出UH 素手・ムチ装備化

●過剰バイオサイバネ(12個):精神力-5
◉◉バイオニンジャ化&危険生物化:体力+5、精神攻撃回避・抵抗難易度-1
 交渉判定難易度+2、アイテムによる回復量-2 ◉◉スキルを持てない
 自発的精神力使用コスト2倍
●脆弱性:火炎/爆発(精神力1、体力2)

◇ジツやスキル
☆バイオ・ブンシン・ジツ(レッサー・ブンシン・ジツ)
 手番終了時に精神力1を消費し発動(H)
 (フーリンカザンにより数ターンはコストなし?)
 自分を中心とする5×5マスに最大3個までのブンシン・デコイを発生させる
 デコイは攻撃を受けると取り除かれるが本体は無事
 移動フェイズにデコイは消え、術者は本体とデコイのどちらからでも動ける
 残っていたデコイ1個につき攻撃・射撃+1
 出目66で精神力1を追加で支払えばデコイを5個出せる

●連続攻撃2、時間差、マルチターゲット

能力値合計:28

 特に公式データがないため、原作小説での描写を参考として適当に組み合わせて作りました。明らかに危険生物なのでバイオサイバネを盛り、それに必要な能力値を盛り、スキルやジツを盛りました。これでも原作よりは弱めかも知れません。

 植物ニンジャは赤い目を邪悪に光らせてアイサツした。「ドーモ、フォレスト・サワタリです」「ナーギニーです」アイサツを返す。「貴様と戦っている暇はない。そこをどいてもらおう」『イツデモヨロシサン……ターゲット確認重点……イツデモヨロシサン……現れたな……イツデモヨロシサン……』

 ボタニックはブツブツと壊れたレコードめいた文言を口走る。もとより異常なバイオニンジャではあるが、さらに何か洗脳めいた状態にあるようだ。サワタリは訝しんだ。これは、あのサブジュゲイターのしわざか。暴走して野生化したボタニックをジツで手懐け、門番としているというわけか。

 この森に野生動物がいない理由がわかった。全てボタニックが排除していたのだ。その死体は養分となってやつを肥やし、あるいはゾンビーと化して操られる!ここは文字通り、やつのフーリンカザンなのだ!「急いで切り抜けるぞ、ナーギニー=サン」「了解」一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

【続く】

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