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忍殺TRPGリプレイ【ザ・ストリート・ファイターズ】03

 前回のあらすじ:ネオサイタマの反体制違法放送レディオ「キツネ・ムレ・チイサイ(KMC)」の放送に、奇妙なノイズが混じっていた。これを解析したところ、地理ガイドと謎めいたハイクが現れた。KMCはこの秘密を解くため、二人のストリートニンジャに調査を依頼する。その結果は……?

 翌日。DJゼン・ストームやクルーたちと合流した二人は、集めた情報を整理する。「……つまり、オナタカミがそのモデムを設置して、勝手に市民の情報を抜いていると」「ありうるね。あいつらとハイデッカーが結びついてんのは公然の秘密だろ。ファック、暗黒管理社会!」クルーたちは憤った。

「ヤバ過ぎるな。KMCレディオでリスナーに伝えるか?」「モデムを探してくれれば……」「それが狙いかもよ。リスナーをたぐってイチモ・ダジーンってのがさ」「キョートの工作員やテロリスト扱いってか」クルーたちは激しく議論し、意見を交換する。「どのみち、リスナーは捕まってるな」

 ルイナーは顎を撫でる。「ノイズを解析して探し回った末、オナタカミ・トルーパーにとっ捕まったんだ」「助けなきゃ!」「殺されてる可能性が高い。だが……それこそスキャンダルだ。少しでも市民の目を開かせてやる」DJゼン・ストームは、静かにそう告げた。「それが、俺たちの戦争だ」

「モデムの破片とノイズから、もう一つハイクが出てきたぜ」クルーのひとりがメモ書きを示した。『戦いを挑め/脳髄横丁で』とある。「センテンスがふたつしかないが、レベリオン的だな」「モデムにってことは、地下牢で死んでたオナタカミ関係者が、最初からこのメッセージを仕込んでたのね」

 このハイクもまた暗号だ。何に戦いを挑むのか? ここまでくれば、オナタカミのことだろう。あるいは暗黒メガコーポが支配する、このマッポーの世に。「脳髄横丁というと、どこだ」「調べはついてる。ケオサキだ。ネオサイタマの南端、オナタカミ本社要塞の対岸にある寂れた区域だな」

「モデムを調べたところ、収集したデータの送り先は……いろいろ経由しているが、実際ケオサキだ。オナタカミの秘密工作のためのアジトが、そこにあるってわけだな」「了解。リスナーたちのアダウチだ」デリヴァラーは拳を手のひらで叩き、立ち上がった。「やつらの企みを台無しにしてやる!」

脳髄横丁

 そして、その夜。デリヴァラーとルイナーはケオサキを訪れた。重金属酸性雨降りしきる「脳髄横丁」には、「高品質な」「トルク」「免税店」などの魅力的な文言のネオンサインが立ち並ぶ。違法サイバネ商店街だ。「ラッシャイ!欲しいのは銃か、ウイルスか、クロームメタルの心臓か?」

「それとも頭に電脳埋め込んで、暗黒メガコーポに無謀な戦いを挑んでみるか?ヒヒヒ!」サイバネまみれの商人たちが、後ろ暗い連中に呼び込みをかける。ここはオナタカミのお膝元、ジャンクや型落ち品は掃いて捨てるほどある。オムラやソウカイヤとの抗争もあるとの噂だが……「こっちだな」

 KMCのクルーたちが解析した座標は、この横丁の一角……狭い路地を何本か入り込んだところにある雑居ビルだ。一見すれば廃墟だが、よく観察すれば大量のLANケーブルがビル内に巧妙に引き込まれ、周囲には監視カメラやフクスケ・ドローンが配備されている。まずこの警備網をかいくぐらねば。

ワザマエ判定、難易度H。[141664533][3341136435]成功。

 常人なら即座に見つかってしまう監視の網を、二人はニンジャ野伏力を用いて難なくくぐり抜ける。まるでカートゥーンのニンジャのように。

???

 明り取り窓から音もなく雑居ビルの内部に潜入すると、そこは薄汚れたトイレだ。薄暗く、カビと饐えたアンモニアの臭いが漂う。だが何年も使われていないのか床や便器は埃まみれで、片隅にはモップなどが置かれている。二人はしめやかにドアを開き、殺風景な休憩室にエントリーした。

 人の気配はない。向かって右と左にドアがあり、左側は緊急避難用の階段に通じている。正面には、オナタカミのロゴが入った複数のダンボールが積まれており、床には複数の足跡。「アタリか」ダンボールの中には……例のモデムが詰め込まれている。これをネオサイタマ各地にばら撒くわけだ。

 デリヴァラーはサイバーサングラスで撮影し、画像データを保存する。レディオに特殊な波形を載せて流せば、技術のあるリスナーが解読してくれるだろう。ルイナーは部屋を探り、濃縮ザゼンドリンクを入手した。ここで働いている誰かの物か。……右のドアを開けると通路で、三方にドアがある。

 右手のドアには「UNIX」と書かれ、中に誰かいる気配はしない。正面と左手には何も書かれていないが、複数の気配がある。二人は無言で頷き、UNIXと書かれたドアを調べ、罠や鍵がないことを確認して、しめやかに開いた。

ハッキング判定、難易度H。DVが挑む。[352523553]成功。対面の部屋のドアに罠があることを確認、解除する。さらに調べるなら難易度UH、失敗すると体力にダメージ1。[642144131]成功!機密データを獲得する。RNは部屋を調べ、トロ粉末を1個獲得。

 デリヴァラーは慎重にUNIXをハックし、情報を抜き出す。ルイナーはハッキングを彼に任せ、室内を物理的に調べてトロ粉末を発見した。ハッカーが吸っているのだろう。「……この部屋の対面に、誰か監禁されてる。たぶんリスナーだ。助けよう」「ああ」二人はしめやかにUNIXルームを出た。

 ……対面の部屋には、複数の遺体が転がっていた。拷問や殴打で痛めつけられ、絶望と苦悶の果てに殺されたのだ。だが、微かに息のある男がいた。「アイエエエ……殺さないで」「シッ」デリヴァラーがしゃがみ込み、指を口の前に立てた。それから、キツネ・サインを作る。「KMCだ。わかるか」

「ハイ」ルイナーは男の背後に回り込み、手錠や足枷を破壊して拘束を解除した。「オナタカミのしわざだな」「ハイ。ノイズを解析して……調べ回ってたら、ハイデッカーに逮捕されて、ここに。でも、KMCについては喋っていません。誰も……」「ありがとう」ルイナーは彼にトロ粉末を与えた。

「あっちの非常階段から逃げろ。俺たちはここの連中をブッ殺す」「ハイ。アリガトゴザイマス」リスナーはペコペコとオジギし、トロ粉末を気つけに吸って立ち上がる。「……来る」デリヴァラーが感づいた。正面入口から、複数の足音と気配が近づいてくる!「チッ、感づかれたか。急げ!」

「ハイ!」リスナーは力を振り絞り、非常階段へ向かって駆け出した。彼を逃がすには、ここで足止めする必要があろう。「「「御用!御用!」」」「「「ハイデッカーです!違法行為摘発スッゾ市民!犯罪者予備軍!」」」

公式「ニンジャスレイヤーTRPG モブ敵アイコン集(警察機構/ハイデッカー/NSPD)」より
◆ハイデッカー(種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)×6
カラテ       3    体力        2
ニューロン     1    精神力       1
ワザマエ      4    脚力        2
ジツ        -    万札        1

攻撃/射撃/機先/電脳  3/ 4/ 1/ 1

◇装備や特記事項
◆マッポガン:ダメージ1
◆電磁ショック警棒:テック近接武器、ダメージ1+電磁1
◆オナタカミ・ライオット・ショットガン:ダメージ2

能力値合計:8

 威圧的な警告を吐き散らしながら、六人のハイデッカーが突入してきた!「ようやくカラテが振るえるぜ」「全員殺す!」一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

1ターン目

イニシアチブ:デリヴァラー/DV(9)→ルイナー/RN(6)→ハイデッカー/HD×6(1)

DVはマップ右端の部屋に突入し二挺拳銃連射[2643][6331][416]3発成功、1体を倒しもう1体に1ダメージ。RNは側転&掌打連続攻撃[2666465556][15613][14133]1発命中&痛打、負傷HD1体を倒す。残り4体!

「「イヤーッ!」」デリヴァラーとルイナーは迎撃に飛び出し、ハイデッカーたちに二挺拳銃とカラテを向ける!BLAMBLAM!KRASH!「「アババーッ!」」二体が即死!ナムアミダブツ!「「ザッケンナコラー市民!」」「「スッゾコラー市民!」」残り四体のハイデッカーが一斉に動く!

HDは…手近なRNを囲んで警棒で叩く![521][623][462][266]4発成功、1発は痛打。RNはまとめて回避可能![4115216113]3成功回避!迎撃はなし。

 ルイナーを囲んで電磁ショック警棒で叩く!スモトリでもたちまち打ちのめされて即死だ!だが!「イヤーッ!」ルイナーは難なく跳躍回避!ワザマエ!「ほう、ニンジャか」不意に、別方向から声がした。女の声。「それも二人とは、なかなかキンボシだ。……ドーモ、パルスウェーブです」

公式「ニンジャスレイヤーTRPG モブ敵アイコン集(警察機構/ハイデッカー/NSPD)」より
◆パルスウェーブ(種別:ニンジャ)
カラテ       6    体力       10
ニューロン    12    精神力      18
ワザマエ      6    脚力        3/N
ジツ        5    万札       10

攻撃/射撃/機先/電脳  7/ 7/14/16
回避/精密/側転/発動 12/ 6/ 6/18
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0

◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV2:ニューロン判定+4、イニシアチブ+2
▶クロームハートLV1:体力と精神力+1

◇ジツやスキル
☆カナシバリ系ニンジャソウル、ジツLV5
 ☆カナシバリ・ジツLV3:精神力1消費し発動(N)
  術者の隣接1方向の3×3マスの敵全員に精神力ダメージ1(回避H)
  モブ敵ならこのターンの手番を失わせる 1体のみ精神力ダメージD2(LV2)
  命中した敵全員は「崩れ状態」となる 1体はニューロン抵抗判定H、
  失敗すると術者の次の手番まで拘束(脱出判定不可) モブなら戦闘不能
  拘束状態の敵が新たにダメージを受ければ拘束は解除される 戦闘兵器には無効
 ★マインドブラスト・ジツ:精神力1消費し発動(H)
  術者を中心とした5×5マスの敵全員に対し、体力と精神力に1ダメージ
  軽減不可、回避H 出目666で命中したらターン終了まで移動不能かつ崩れ
  モブ敵なら即死する 戦闘兵器には無効
 ◉◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツで精神力換算
 ★★グレーター・マインドブラスト・ジツ:精神力3消費し発動(H)
  マインドブラストのダメージを各D3とし、任意の1体の回避難易度UH
  出目66で命中したらターン終了まで移動不能かつ崩れ、モブ敵なら即死
  出目666で回避UHの敵に命中したら、その敵はニューロン抵抗UH
   失敗するとその敵が発動し継続中のジツを1つ打ち消すか、
   イニシアチブをD6減少+次の術者の手番まで不覚状態となる

◉ニンジャソウルの闇(1):体力および攻撃・射撃・発動+1
◉頑強なる肉体:体力+2

能力値合計:34

 元シナリオでは性別不明ですが、女性ハイデッカー・オフィサーの画像を借りて来ました。ニューロン値が高いため厄介です。

「……ドーモ、デリヴァラーです」「ルイナーです」二人はアイサツを返した。ニンジャ同士の礼儀だ。パルスウェーブは目を細めた。「貴様らについてはすでに調べがついているぞ。反体制違法放送レディオ『キツネ・ムレ・チイサイ(KMC)』。そっちは以前ザイバツに加勢した野良ニンジャか」

「無関係だ」「欺瞞だな。たとえそうでも、ナラティヴ(物語)は作れる。我々は国家権力だ。何が欺瞞で真実かは、我々が作って市民に喧伝するものだ」パルスウェーブは冷たく答えた。「それで社会に秩序が生まれて、万事うまくいく。貴様らのような胡乱な陰謀論者は秩序の敵なのだ!」

 パルスウェーブの背後から、新手のハイデッカー二人が室内にエントリーする。「KMCの物理アジトについての情報を抜き出させてもらう。だが貴様らの自我に期待はしない。生体LAN端子やサイバーサングラスに問いただすとしよう」「ファック・オフ」二人はキツネ・サインを掲げた!一触即発!

戦闘継続

【続く】

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