邦題：淫乱地獄団地（Nasty Hell Complex）

　ドーモ、三宅つのです。これはニンジャスレイヤーTRPG公式シナリオ「ニンジャの自宅」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。

　ヤモトとシルバーカラスを襲撃するシナリオですが、つの次元ではもうやってますし、大幅に改変します。今回は彼女が挑みます。

◆デモゴルゴン（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　　６＞７　　体力　　　　　　　　９
ニューロン　　　　１１　　　　精神力　　　　　　２０
ワザマエ　　　　　　６＞７　　脚力　　　　　　　　４/Ｎ
ジツ　　　　　　　　６　　　　万札　　　　　　　３５＞１
ＤＫＫ　　　　　　　０　　　　名声　　　　　　　１５

攻撃/射撃/機先/電脳　　７/　９/１２/１３
回避/精密/側転/発動　１５/　８/　８/１７
即応ダイス：６　緊急回避ダイス：３

◇装備や所持品
▶サイバネアイLv１：ワザマエ判定ダイス＋１、射撃判定時はさらに＋１
　▷全方位監視アイ：回避ダイス＋２
▶生体LAN端子LV１：ニューロン判定ダイス＋２、イニシアチブ＋１

◆伝統的ニンジャ装束一式：体力・精神力・即応＋１
　回避＋２、緊急回避＋３、脚力ダメージ軽減１
◆家族の写真：精神力＋１
◆オーガニック・スシ：体力３回復（使い切り）

◇ジツやスキル
☆イカルガ・ニンジャクラン、ジツLV５
　☆カラテミサイルLv３：連射４、マルチターゲット
　☆◉カラテミサイル触媒：即応ダイス１を消費し、ジツの精神力コストを１軽減
　★ラピッド・カラテミサイル：連射２、マルチターゲット、ダメージ１
　　手番開始フェイズに精神力１か回避ダイス２を消費し発動（自動成功、触媒可）
　◉◉グレーター級ソウルの力：ジツ＋ニューロンで精神力換算
　★グレーター・カラテミサイル：精神力２を消費し発動（N）
　　連射２、マルチターゲット、時間差、ダメージ２、回避H、視線不要
　　出目６６６で「装甲貫通１」を持つ
　★キネシス迎撃：手番開始フェイズに精神力１を消費し瞬時発動（H）
　　戦闘終了まで射撃ダメージ軽減１
　★カラテバリア：手番終了フェイズに精神力２を消費し瞬時発動（H）
　　戦闘終了まで術者に近接攻撃を繰り出した敵へ命中の可否に関わらず１ダメージ
　　連続攻撃や迎撃含め１発につき１ダメージ　２発以上なら時間差（回避N）

◉◉タツジン：ジツ　ジツに対する回避・抵抗判定難易度－１
　●発動スタイル
　　エテル引き寄せ：出目６６６（集中時は６６）で発動成功した場合、精神力１回復
　　兆候読み取り：本来と同じコストを支払って発動判定を振り直し可能
　　危険な賭け：コストを２倍支払い発動難易度＋２、回避難易度＋１　戦闘中１回限り
　　　上昇した発動難易度に届かず通常難易度で発動した場合は回避難易度－１

●連続攻撃２、連射２、時間差、マルチターゲット
◉ニンジャアドレナリン強化：アドレナリン・ブースト回数＋１
◉忠誠心：ソウカイヤ　精神力＋１
◉頑強なる肉体：体力＋２、カラテによる毒抵抗判定ダイス＋２

○生い立ち：下劣なパパラッチ
◉交渉：欺き、駆け引き
◉知識：ファッション、スポーツ
○立ち位置：秘密や陰謀

◉常人の三倍の脚力：脚力＋１、連続側転難易度－１　記憶
◉不屈の精神：精神力＋１、ニューロンによる精神抵抗判定ダイス＋２　記憶

能力値合計：３５＞３７

　前回の冒険で万札17、名声1、余暇4日を獲得しました。名声が15に到達したので成長の壁を超えます。15以上の場合は壁2を1つか、壁1を2つ取り除けますので、カラテとワザマエを同時に取り除けます。ニューロンやジツは充分高いですし、そうしましょう。その前にレガース（レッグガード）を下取りに出してニンジャレガースに置き換え（プラマイで万札6を消費）、「伝統的ニンジャ装束一式」を揃えます。残り万札29。

　カラテは[362]＝11＞6＝成功、ワザマエは[164]＝11＞6＝成功。残り万札11。しかしタツジンスキルを取ろうにも、記憶スロット外の◉がすでに8個あるため習得できません。「忠誠心」は記憶スロットに送れませんし、「常人の三倍の脚力」「不屈の精神」を記憶スロットに送りましょう（忘れてもいいかも）。武器を持つと即応ダイスが減りますし、正面でカラテするタイプでもありません。ここは「タツジン：ジツ」を取ってみましょう。余暇２日と万札10を消費して習得し、残り万札1。

　成長限界近くまで能力値を積み上げました。では、始めます。

◆◆◆

序

　ネオサイタマ、アポカリ・ストリート。ウシミツ・アワー。

「ここね？スキャッター＝サン」「ハイ、デモゴルゴン＝サン」二人のニンジャが、とある老朽化した集団住宅地……いわゆる「団地」の入口前に立っている。斥候ニンジャ・スキャッターの調査により、ここにニンジャがいるとの情報がキャッチされたのだ。「一般市民に紛れてるってわけ？」

◆スキャッター（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　　２　　　　体力　　　　　　　　３
ニューロン　　　　　８　　　　精神力　　　　　　　７
ワザマエ　　　　　　５　　　　脚力　　　　　　　　３/Ｎ
ジツ　　　　　　　　２　　　　万札　　　　　　　１５

攻撃/射撃/機先/電脳　　２/１２/　９/１０
回避/精密/側転/発動　１０/　７/　７/１０
即応ダイス：４　緊急回避ダイス：０

◇装備や所持品
▶サイバネアイLv２：ワザマエ判定＋２、射撃判定時はさらに＋２
　▷全方位監視アイ：回避＋２
　▷高性能赤外線ターゲッター：射撃＋３
▶生体LAN端子LV１：ニューロン判定＋２、イニシアチブ＋１

◆カタナ
◆タクティカルスーツ：体力＋１

◇ジツやスキル
☆コダマ・ニンジャクラン（レッサー）、ジツLV２
　☆◉索敵モード：手番開始時に精神力１を消費し、戦闘終了まで索敵モードON
　　環境効果や敵のステルスによる攻撃・射撃難易度ペナルティを１軽減
　　術者と味方全員に射撃ダイス＋１（環境効果、累積せず）
◉スリケン乱射：回避ダイス２を消費し発動
　スリケン/ナガユミによる射撃時に連射＋１（時間差可・チェーンターゲット可）
◉ニューロンブースト/チルアウト：手番終了時、精神力１消費し発動
　戦闘終了までイニシアチブを＋D３するか、１から６の任意の数だけ減少させる
　減少させる時は精神力消費なし　戦闘中２回まで使用可能
●時間差、マルチターゲット
○生い立ち：下劣なパパラッチ

能力値合計：１９

　この次元ではフジキドに殺されなかったスキャッター＝サンです。カラテはからっきしですが案外侮れません。カタナを装備しスリケン乱射まで持っていますが、特に粘着性の写真を射出したりはしません。

交渉判定、難易度N。「欺き」で+1。14D6[46256521133334]成功、出目66によりボーナス。即応ダイス+1、対ニンジャ交渉難易度-1。続いてスキャッターにより事前調査、ハッキング判定難易度H。10D6[5141463424]成功。出目6によりボーナス。建物内の配管パターンを掴んだ。

「ハイ。この団地に、夜になるとボンテージ衣装に身を包んだ女性の変質者が出ると聴きつけまして。調べたところニンジャでした」スキャッターの事前調査によれば、数は二人。モータル名は「ヤワタベ」と「スラタニ」だ。その両方が、野良ニンジャかつ女性変質者ということになる。

「アタシ、スカウト部門じゃないんだけど」「私もそうですが、人手が足りないそうでして」組織に属さず、一般市民にまぎれて生活を続けているニンジャはたまにいる。ソウカイヤのニンジャは、そうした野良ニンジャを見つけて調査・報告し、説得や力づくで従わせ、新たな戦力としているのだ。

　それとなく呼び出し接触をはかってもいいが、人前で暴れられても困る。スキャッターの姿かたちは、スカウトには向いていない。デモゴルゴンは手練れだ。スキャッターは彼女より後輩で、カラテも弱い。しかしパパラッチが趣味という共通点があり、今回行動をともにすることとなった。

「でも、女性二人の私生活をパパラッチするってのは……」「アッハイ、スミマセン」「面白そうね」デモゴルゴンは目を細めた。野良ニンジャ二人は相当の戦力だが、こちらも二人。スキャッターはともかくデモゴルゴンは手練れであるし、クローンヤクザも8人ほど連れてきている。充分だろう。

作戦会議

　スキャッターが、周辺の地図をデモゴルゴンのサイバネアイに送信する。さて、どう攻めるか。二人はしばし無言のまま、IRCで相談する。

一番下、白のマスが標的（YとS）の住む家であり、4階にある。東側の真ん中にドアがあり、表札は出ていない。薄い緑のマスの家は近隣住民が住む。蛍光緑はランダムトレジャー。黄色いマスは廊下。紫のマスは細い裏路地。濃灰色は進入不可。Wは自販機などが置かれた細い路地で進入不可。標的が「出」や「下水」のマスに到達すると逃げられてしまう。

ベランダや窓から裏路地へ飛び降りる/飛び上がる（紫の線を越える）場合には、側転か飛行で移動し、移動距離を3マスぶん消費する必要がある。側転や飛行なしで移動する場合、攻撃フェイズにその他の行動としてカラテ判定UHを行う。成功すれば紫の線を超えて1マスだけ移動できるが、失敗すれば移動できない。ニンジャなら普通に側転すればよかろう。なお線の下にはツタ植物めいたLANケーブル天蓋など視線を遮るものが多く、上下に視線・射線は通じない。

事前調査で配管の構造を掴んでいるため、北側の風呂場（4マス）の天井に誰か1人を潜伏させられる。真正面からスキャッターが顔を出せば不審者もいいところであるし、風呂場にスキャッターが潜むことになろう。頭がダクトにつっかえそうだが、なんとかしなさい。

クローンヤクザ8体は、玄関から全員連れて入れば、戦力にはなるが怪しまれる。今回はニンジャ戦力が2人だし、スキャッターはいまいち弱いので、路地裏に4体、玄関周辺に4体としよう。

潜入開始

　……二人は無言で頷き、行動を開始した。周辺の治安は悪く、セキュリティも甘い。ニンジャ野伏力をもってすれば潜入は容易である。クローンヤクザたちは路地裏に四人配置され、ベランダから標的が飛び降りればチャカを撃つ。四人は、デモゴルゴンが率いて正面玄関から突入する。

　そして、スキャッターは配管から風呂場に潜入する。長いサイバネヘルムがつっかえそうだが、一応多少の伸縮はきく。なんとかなるだろう。デモゴルゴンはクローンヤクザたちをドアの左右に潜ませ、深呼吸する。ドアの中からは、かすかにニンジャアトモスフィアを感じる。まずは……！

物理罠感知判定、難易度H。DGは13D6[2166321664523]成功。解除判定、ワザマエで難易度H。DGは8D6[41155551]成功。物理鍵解除判定、ワザマエで難易度H。[16334262]成功。

　デモゴルゴンはサイバネアイを光らせ、ドアに仕掛けられた危険な罠を感知する。彼女は手慣れた手付きとニンジャの速度で、罠と鍵を瞬時に解除した。交渉の基本はフット・イン・ザ・ドア、ドア・イン・ザ・フェイスだ。ドアに足と顔が入れば第一関門クリア……ミヤモト・マサシの格言だ。

　中は暗い。寝ているのだろう。クローンヤクザたちを外に残し、しめやかに入室する。入って左にはトイレ。右には「ドージョー」と看板がかかったドアがあり、正面はリビングだ。ニンジャアトモスフィアは……ドージョーとリビングから感じる。どちらを先に確保するべきだろうか？

　デモゴルゴンは状況判断し、ドージョーの前に立った。リビングの方は寝ているだろうが、ドージョーにいるニンジャは、おそらくザゼンしており、眠っているというわけでもなかろう。こちらを後回しにした場合、正面玄関から逃走もされやすい。リビングのニンジャはスキャッターが足止めする。

　スッ、とフスマを開ける。「……！」ボンテージ装束を着てザゼンしていた黒髪の女性が目を見開き、こちらを見た！「ドーモ、ソウカイ・シンジケートのデモゴルゴンです」先んじてアイサツ。黒髪の女性はアイサツを返した。「ど、ドーモ。私はヤワタベ……いえ、キッドナッパーです」

「な、なんですか、夜中に！？泥棒！？」「シーッ。アタシは泥棒じゃないわ。あなたとスラタニ＝サンをスカウトに来たの」「す、スカウト？」ヤワタベは突然のことに反応できない。チャンスだ！「あなた、ニンジャでしょう。スラタニ＝サンも。こんなところでくすぶってるのはもったいないわ」

「え、あ」「ソウカイ・シンジケートは、いつでも新戦力を募集中よ。歓迎するわ。給料は充実、福利厚生も完備、オキナワ・リゾートへも」「あ、あああ……」「！？」ヤワタベの様子がおかしい。ボンテージ装束の首輪がぼんやりと光り、瞳にも怪しい光が灯る。これは……「洗脳、されてる？」

「AAARGHHH……」ヤワタベ、否、ニンジャ・キッドナッパーはよだれを垂らしながら、うつろな瞳でゆらりと立ち上がる。その手から剣呑な手錠つきのワイヤーが垂れ下がる。「カワイイ……男の子……サラウ……！」キッドナッパーの表情が、獰猛な肉食獣のそれに変わった！一触即発アトモスフィア！

戦闘開始

【続く】

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