ドーモ、三宅つのです。これはytti＝サンのシナリオ「ワン・ナイツ・ネオサイタマ」および原作小説「スワン・ソング・サング・バイ・ア・フェイデッド・クロウ」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。

　駆け出しのストリートニンジャたちがサイバーツジギリを行うミッションです。前にソウカイヤに入りたてのサンシタたちがやっていましたが、今回はこのチームにしましょう。

◆デッドリーチェイサー（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　　５　　　　体力　　　　　　　　６
ニューロン　　　　　１＞５　　精神力　　　　　　　２＞５
ワザマエ　　　　　　５　　　　脚力　　　　　　　　３/Ｎ
ジツ　　　　　　　　０　　　　万札　　　　　　　１６＞２
ＤＫＫ　　　　　　　２　　　　名声　　　　　　　　１＞２

攻撃/射撃/機先/電脳　　６/　６/　６/　７
回避/精密/側転/発動　　５/　５/　５/　－
即応ダイス：５　緊急回避ダイス：０

◇装備や所持品
◆家族の写真：精神力＋１
◆生体LAN端子LV１：ニューロン＋２、イニシアチブ＋１

◇ジツやスキル
◉ニンジャソウルの闇：体力・攻撃・射撃・精密・発動＋１

○生い立ち：凶悪指名手配犯　万札５、DKK２を取得
◉知識：ドラッグ
◉交渉：威圧
○背景：恐怖や諦観

能力値合計：１１＞１５

◆マッドガンナー（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　　３＞４　　体力　　　　　　　　３＞４
ニューロン　　　　　３＞４　　精神力　　　　　　　３＞４
ワザマエ　　　　　　５　　　　脚力　　　　　　　　３/Ｈ
ジツ　　　　　　　　０　　　　万札　　　　　　　１１＞５
ＤＫＫ　　　　　　　０　　　　名声　　　　　　　　１＞２

攻撃/射撃/機先/電脳　　４/　７/　４/　４
回避/精密/側転/発動　　５/　６/　６/　－
即応ダイス：３　緊急回避ダイス：０

◇装備や所持品
◆チャカガン×２：連射２、射撃難易度H、側転難易度＋１、ダブルターゲット
◆オーガニック・スシ
▶サイバネアイLV１：ワザマエ＋１、射撃時さらに＋１

◇ジツやスキル
◉トリガーハッピー：回避ダイス２を消費し発動　マルチ・時間差・弾薬不可
　手番中に連射＋２、バースト３×３、射撃難易度＋１
◉魅了

○生い立ち：ガンマニア
◉知識：銃器
○背景：反抗心や嫌悪

能力値合計：１１＞１３

◆ストリーク（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　　２＞３　　体力　　　　　　　　２＞３
ニューロン　　　　　６　　　　精神力　　　　　　　７
ワザマエ　　　　　　３＞５　　脚力　　　　　　　　２＞３/Ｎ
ジツ　　　　　　　　０　　　　万札　　　　　　　１１＞０
ＤＫＫ　　　　　　　０　　　　名声　　　　　　　　１＞２

攻撃/射撃/機先/電脳　　４/　５/　７/　８
回避/精密/側転/発動　　７/　５/　５/　－
即応ダイス：５　緊急回避ダイス：０

◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV１：ニューロン＋２、イニシアチブ＋１
▶テッコLV１：カラテと回避＋１
◆トロ粉末

◇ジツやスキル
◉kill-9

○生い立ち：元ハッカーカルト
◉知識：ハッカーの流儀、ストリートの流儀
○背景：反抗心や嫌悪

能力値合計：１１＞１４

　まあまあ強くなりました。では、始めます。

◆◆◆

ダンゴウ

　ネオサイタマ、某所、廃倉庫。ウシミツ・アワー。サップーケイを絵に描いたような倉庫の天井ではボンボリ・ライトが苦しげに明滅し、3人のニンジャを照らしている。少し前、とあるビズのために即席のチームを組んだ彼らはそれなりに意気投合し、ともに新しいビズを請けることになった。

　それは、サイバーツジギリ。暗黒メガコーポ群が秘密裏に開発した武器や兵器、時には毒素や病原菌を、志願したエージェントに装備させ、スラム街などマケグミが多い場所で通り魔めいて使用させて、その威力を実地で人体実験する非道な行為だ。危険なミッションではあるが、実入りはいい。

　フリーランス・ヤクザや重サイバネの傭兵などが行うことが多いが、ニンジャがやることも多い。試作品には何らかの欠陥が付き物で、手練れでなければ扱いにくいが、ニンジャならうってつけというわけだ。フリーランスのニンジャがカネ稼ぎにやることも珍しくない。殺人欲も満たせる。

　廃倉庫の入り口に黒塗りのリムジンが止まる。運転席のドアが開くと、グレースーツにセルフレームグラスの女が降りてアイサツした。「ドーモ。私は電臣ニストソリューションシステムズCEO、コバヤシノ・ドンマイです。本日はミッションをお引き受けいただき、誠にありがとうございます」

「「「ドーモ」」」3人はオジギしてアイサツを返し、名刺交換を行う。「我々の商材は革新性をもたらします。つまりカネの流れを作る。信頼してもらっていいですよ。システムにショックを与える、それが生きがいですから」コバヤシノのバストは豊満である。「移動しながらダンゴウします」

　3人はクローンヤクザが運転するリムジンに乗り込み、目的地へ向かいながらコバヤシノとダンゴウする。「今回の弊社の商材はこちらです。新型のショック電光銃、セスタスガン、それにスナイパースリケン・カタパルト。ちょうど3種類ございますから、好きなものをお選び下さい！」

共通：所持・装備ペナルティなし、スロット占有数１

ショック電光銃：連射１、電磁ダメージ１、射程５マス
　射撃後にD６を振り、出目３以下ならエネルギー切れで、それ以上の使用不可
　報酬は殺した数１人につき万札１
セスタスガン：近接武器、ダメージ２（迎撃含む）
　カラテ７未満の者が扱う場合、反動で使用者にも体力に１ダメージ
　報酬は殺した数１人（成人男性）につき万札３、カラテカなら５
スナイパースリケン・カタパルト：連射１、ダメージD３、射撃・回避難易度H
　出目６６６で殺伐　報酬は殺した数１人（サラリマン）につき５

「ターゲットを殺したら、接近して写真を撮影して下さい。装備品はミッション終了後に全て返却して下さい。隠匿・破壊した場合は相応の対処をさせていただきますので」「アイアイ」マッドガンナーはスナイパースリケン・カタパルトを手にとった。デッドリーチェイサーはセスタスガンを。

　ストリークは、残ったショック電光銃をとる。「何らかの欠陥が使用時に発生しても、それによるツジギリストの損害に対して、依頼者側は一切の責任を負いません。契約書に書かれています。目的地はヤガネ・ストリート。狙撃の方は隣接するノビドメ・シェードに向けて行って下さい」「了解」

　やがてリムジンはヤガネ・ストリートに到着した。3人はしめやかに車を降り、コバヤシノはタブレット端末を操作する。『簡易マップと、潜在ターゲットデータを皆さんの携帯IRC端末に転送しました。では始めて下さい』「「「了解！」」」3人は闇を駆ける！危険な狩りの始まりだ！

襲撃開始

マップ

1ターン目

　看板「バロワイコ」をライトアップする粗末な電球の明かり。それを横切って不意に現れたモヒカン男の影法師は長い。地面には、落下したまま放置された「粗な夕べ」の鉄板看板が錆び朽ちて茶色い。モヒカンがそれを踏みつけると、いやに大きな音が路地に木霊した。忌々しい重金属酸性雨。

　モヒカン男は両手にロック解除したショック銃を持ち、濁った目で獲物を探しながら、薬物中毒の色濃い足取りで歩みを進める。モヒカン男の斜め後ろで物音。「アッへ！」振り向きざま銃を照準する。音の主は人ではない、バイオドブネズミだ。「人が撃ちたいよォ」モヒカン男は泣き出した。

◆モヒカン男（種別：モータル）
カラテ　　　　　　　１　　　　体力　　　　　　　　１
ニューロン　　　　　１　　　　精神力　　　　　　　１
ワザマエ　　　　　　２　　　　脚力　　　　　　　　１
ジツ　　　　　　　　－　　　　万札　　　　　　　　２

攻撃/射撃/機先/電脳　　１/　２/　１/　１

◇装備や特記事項
◆ショック電光銃：連射１、電磁ダメージ１、射程５マス
　射撃後にD６を振り、出目３以下ならエネルギー切れで、それ以上の使用不可

能力値合計：４

　男は見ての通り重度のデザイナーズドラッグ中毒者であり、文無しであった。そして武装していた。非常に危険な存在だ。この手のヨタモノはネオサイタマの危険地域ではしばしば見られる。彼らが人を殺めても、ニュースにもならない。報道すべき事は他に沢山ある。街に現れたラッコの話などだ。

「撃ちたいよォ……撃ちたいよォ……」男はしゃくりあげた。「撃って打ちたいよォ……あッ！」濁った目が見開かれた。キャドゥーム！ショック銃が閃光を放った。「アバーッ！？」路地に迷い込んだ老婆が踵を返して逃げようとしたその背中へ電光が命中した。無残、老婆は焼け焦げて死んだ。

　一方、その東では。「フンフンッ！フンフンッ！フンフンッ！」左拳、右拳と交互に規則正しい正拳を繰り出しながら、タダイシは規則正しいカラテジョギングの最中であった。「フンフンッ！フンフンッ！フンフン、イヤーッ！」「グワーッ！」通りすがりの浮浪者を殴りつけ、走る！

　浮浪者はその場に倒れ、動かなくなった。タダイシの瞳は今夜もチャンピオンシップへの夢に燃えていた。カラテカの暴力を止める者はいない。

◆タダイシ（種別：モータル）
カラテ　　　　　　　２　　　　体力　　　　　　　　２
ニューロン　　　　　１　　　　精神力　　　　　　　１
ワザマエ　　　　　　３　　　　脚力　　　　　　　　２
ジツ　　　　　　　　－　　　　万札　　　　　　　　１

攻撃/射撃/機先/電脳　　２/　３/　１/　１

◇装備や特記事項
◉カラテジョギング：脚力の２倍マス移動し轢殺、移動後も攻撃可能
　ニンジャが轢殺攻撃を回避した場合は迎撃可能

能力値合計：６

　おお、なんたるマッポーそのものの光景か。だがこれもネオサイタマではチャメシ・インシデントなのだ！

2ターン目

「アッへ！撃っちゃった」モヒカン男は震えた。「ヤバイコワイ」うわ言めいて呟きながら、うつ伏せの死体に近づく。追い剥ぎを行おうと屈み込んだところへ、別の人影が彼の背後から現れた。「死ね」キャドゥーム！「アバーッ！」モヒカン男の上半身が電光に包まれ、一瞬にして焼け焦げた。

　即死だ。人影は闇の中から現れ、モヒカンの死体を蹴った。懐からカメラを取り出し、焼け焦げた死体に向けて繰り返しシャッターを切った。電灯に照らされる人影は……ニンジャだ。「アイエ！」脇道から微かな悲鳴。ニンジャは素早くそちらを睨む。「見てません」薄汚いなりのマイコだ。

「許して。見てないの」「そうか」ニンジャは答えるかわりにショック銃をマイコに向け、引き金を引いた。光らぬ。「エネジィ……」悲しげな合成ガイド音が鳴った。ニンジャは舌打ちし、ぼやいた。「これだからな」スリケンを投げれば殺せるだろうが、殺してもカネにならない。「見逃してやる」

「アイエエエ！」マイコは逃げていった。「クソ、ハズレ品を掴ませやがって……」ニンジャ、ストリークは苛立ち、エネルギー切れを起こしたショック電光銃をいじる。モヒカン男の持っていた方は……やはり、エネルギー切れだ。なんたる欠陥商品か。だがこれを持ち帰れば多少のカネにはなる。

「フンフンッ！フンフンッ！フンフンッ！」左拳！右拳！「フンフンッ！フンフンッ！フンフン、イヤーッ！」「「グワーッ！」」タダイシは通りすがりのゴスとプッシャーを殴りつけ、走る！「「アイエエエ狂人！」」タダイシの行く手には、ナード、ヤンク、DJ、別のゴス！このままでは皆殺しだ！

「へへへ……いるじゃねえか、カラテカがよ」タダイシの背後から彼を付け狙うのは、邪悪なモヒカンニンジャ・デッドリーチェイサーだ。彼の持つセスタスガンは、殴りつけると自動で火薬機構が働きゼロ距離射撃を食らわせて殺す非道な武器である。これでカラテカを殺せばボーナスがつくのだ！

戦闘継続

【続く】

◆