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「総情工房 MonoLab」のご紹介

この記事について

本記事は,「関西大学総合情報学部 山の上Advent Calendar 25日目」の記事です.
せっかく学内で面白い企画が行われていたので,盛り上がりの一助になればと思い乗っかってみました.僭越ながらトリです…!
このAdvent Calendarの方針は「後輩たちになにか助けを」ということなので,学内のローカルな記事を書いてみたいと思います.
学外の方にとっても,関大総情の一角を覗けるような楽しい記事になれば幸いです.

書いている人

・19年卒(予定)の修士2回生.某インタラクション研究室の構成員.
・主な研究内容はVirtual Reality.主な使用技術はUnity(と,この工房).
・総情工房 MonoLabのアルバイトスタッフとして勤務.

書くこと

学内にあるものづくり工房「総情工房MonoLab」について書きます.研究紹介やハッカソン体験記なども考えたのですが,これが一番,自分ならではかつ学内に纏わる内容かと思いました.もっとガンダムのファンネル作った話とかしたかったのに,なんか真面目な内容になってしまった….
今回は設備紹介と,簡単な作例紹介をお届けします.

「総情工房MonoLab」について

概要(2018年12月現在)
・場所  :情報演習棟 1F(TC102)
・開室時間:月・水・木・金 10:00~19:00(祝日・学休期間を除く)

「総情工房MonoLab(以下,モノラボ)」は情報演習棟1F(TC102)にある,ものづくりのためのオープンスペースです.2017年春から開室されました.授業よりも個人利用に向けられており,在学生は誰でも利用可能です.
主に,3Dプリンタ,レーザーカッター,UVプリンタなどのデジタル・ファブリケーション機器や,電動ノコギリ,電動ドリルなどの木工機器,それらを扱うためのWindowsやMacといったPCなどなどが揃っており,研究から趣味まで様々な用途に利用することができます.

開室時間中はスタッフが2名常駐しており(僕もそのうちの一人),こんなものは作れるかといった制作の相談や,機材の使い方についての案内を気軽に受けられます.
利用ルールはまだまだ模索中なのですが,機材や物品は慎重に扱うこと,初めて試すことはスタッフの指示を仰ぐこと,使ったものと場所は片付けること,くらいを守っていただければ,自由に使っていただくことが可能です!
しかし,まだまだモノラボでできることや利用方法は認知されておらず,利用者が少ない状況です.以下にモノラボの機材とその利用方法や,実際に利用された例などを紹介していきます.

使用できる機材たち

今回は主な機材のみご紹介します(書くのも読むのも大変になるので…).
もちろん気になった方は実際にご来室いただければ,他の細かい器具もご紹介しますよ!

3Dプリンタ

概要:
最近は個人でも手が届くくらい値段で販売もされている,代表的なデジファブ機器です.樹脂を積み上げていくことで,3Dデータを実物として出力することができます.
モノラボでは「Ultimaker2・3・S5」という高価格モデルが1台ずつ,「X-One2」というオープンソースの廉価モデルが2台導入されています.
使い方:
stl,またはobjという拡張子の3DCGデータをご持参ください.「Cura」というソフトで変換して出力します.変換設定が細かく存在し,出力の品質や時間に大きく関わるので,スタッフに相談してみてください.
Tips:
データを自力で作成するなら「Fusion360」という学生無料ソフトが,フリーデータを使うなら「Thingiverse」がおすすめです.
研究で使うパーツからオリジナル生活用品までつくれちゃいますが,意外と作れないもの作りづらいものも多いので,慣れと試行錯誤が必要です.簡単なものから作ってみてください.

レーザーカッター 

概要:
これもデジファブ機器として比較的に手軽でメジャーです.熱線によって素材を切断,彫刻することで,PCで書いたパスデータの通りの形状を切り出したり,彫刻したりすることができます.モノラボでは「trotec-speedy100」という低価格帯の業務モデルが1台,「HAJIME」という家庭用モデルが1台導入されています.
使い方:
「Adobe Illustrator」
でパスデータを書いて.aiファイルかsvg形式でご持参ください.
Tips:
パスデータを書くのが苦手なら,フリーデータを使用したり,Illustratorの「画像トレース」などの機能を活用してみてください.

UVプリンタ

概要:
紫外線と特殊インクを用いて紙だけでなく様々なものに図柄を印刷可能なプリンタです.民間のファブスペースにも置いていなかったりするので,結構レアですよ!(機材自体もランニングコストも高いんです)
使い方:
印刷したい画像やイラストをjpgやpng,.aiなど,通常のプリンタと同じデータでご持参ください.Illustratorで細かい設定を施して使います.

木工機材

概要:
一般的な木工加工用機材が揃っています.主に電動糸鋸,電動丸ノコ,電動ドリルなどが使用可能で,木材の扱いが格段に楽になります.

使い方:
まずスタッフまでご相談ください!危険を伴う機器が多いので,怪我がないように,一度講習を受けてから使用していただきます.

つくったものたち

機材の紹介だけだと「なんかすごい機材があるんだなあ」ということしかわからないかもしれません.そこで,上記の機器を使用して実際に制作されたものをサンプルとしていくつかご紹介します.

オリジナルキーホルダー

これはレーザーカッターを用いてアクリル板を好きな形に切断し,UVプリンタで絵柄を印刷しています.比較的簡単な割に仕上がりが超可愛いですよ.

オリジナルスマホカバー

これはUVプリンタを用いて市販のスマホカバーに絵柄を印刷しています.これも簡単な上,グロス加工という,なんやろ…,遊戯王のキラカードみたいな特殊加工ができます.

オリジナルマグネット

これもレーザーカッターを用いてアクリル板を好きな形に切断し,UVプリンタで絵柄を印刷しています.レーザーカッター の彫刻機能で小さめの穴を空け,市販のマグネットを接着剤で埋め込んでいます.

ペン立て

これはFusion360を用いて作成したデータを3Dプリンタを用いて出力しています.モデリングは少々慣れが必要ですが,最初はこのくらいのものから始めれば,初心者でも作れますよ!

今回紹介したものの所要時間は,どれも初めてならデータ作成に1〜2時間ほど,印刷に30分〜2時間(説明時間も含む)ほど必要です.特に3Dプリンタは出力に時間がかかります.空きコマに少しずつ進めることも可能なので,ゆっくり時間をとって来てくれると嬉しいです.

今回はちょっとしたアクセサリ類や日曜品のみ紹介しましたが,研究で使用するデバイスの専用治具や,ハッカソンやコンテストに向けた作品制作などももちろんできます.
僕も何度もお世話になっていますが,上記の通り高機能な機材が揃っているので,個人の設備で作るよりも効率よく制作が進められています.

ちなみに,2018年現在の話なのですが,これらに必要となる資材はモノラボ内にあるものであれば無料で使用できます.あくまで常識の範囲内でね!
実習や研究室で大量,長期間の利用が必要な場合は応相談です.

お知らせ

最後にお知らせをして終わりたいと思います.
いろいろわかったし何か作ってみたいけれど,特に作るものがないしやっぱり手を出しにくいなあ,と思う方にはワークショップもご用意しています.

これは先日のWallLight制作ワークショップの完成品です.現役院生二人が必死こいてレーザーカッター、3Dプリンタ、Arduinoをいっぺんに教えてくれるフルコースだったんですよ!(大きめの声)

時期が不定期なこともあり,狙って参加するのがもしかしたら難しいかもしれないのですが,WebSojoや学内掲示で随時告知していますので,要チェックです!
http://ogilab.kutc.kansai-u.ac.jp/tc102/index.html#!index.md
あと,学生が「もっとワークショップやって!」「この時期,この曜日がいい!」とスタッフや事務職員さんに言ってくだされば,反映されるかも….

ちなみに,今年はオープンキャンパスで学外の方に参加していただけるワークショップも開かれました.もし学外から参加希望の場合は,こういった機会も狙ってみてください.

あとがき

この記事ではほんの触りのみの紹介でしたが,良い施設があるんだなあ!と思ってくださればと思います.本学は幸いにもAdobeのソフトが無償提供されているので,モノラボで活躍するIllustratorなども使えて非常に相性が良いです.
また,モノラボはまだまだ開室されて年数が浅いため,未整備なことも多く,利用ガイドやルールブックを作成しようか,とか,もっとワークショップの時期や内容をリサーチすべきだろうか,など試行錯誤段階です.皆さんのご意見もお待ちしております.
なにはともあれ,まずはぜひご来室&ご見学ください.困ったことはスタッフがご相談に乗ります.難しいことは難しいと判断するかもですが,他の打開策を一緒に講じますので.よろしくお願いします.

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