【短小説】紅茶の香り

紅茶の香り

ついに捕まってしまった

全部並べたら体育館1つじゃ足りないとベテラン刑事は言った

ここらが潮時か

ベテラン刑事は言った

「腹減っただろう?」

ここで「はい」と答えれば観念したと見なされる

「…体育館に綺麗に並べると約束してくれますか?」

「もちろん」

私は今日、下着泥棒を引退する

「私がやりました」

ベテラン刑事は優しくうなずいた

ドアが開く

紅茶の香りが広がる

…冗談だろう?

テーブルにはダージリンとシフォンケーキ

下着泥棒だぞ…こんな甘ったるいモノ…こんな仕打ちあるか?

………!?

天使のくちどけ!

女の子の敵はこの時はじめて女の子の気持ちがわかった気がした

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