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旅は失う

そして見る

自分が立つことのできないすべての通りを

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本当にどうでもいい夜

旅の終わりを感じるとき

僕達は新しい生き物に生まれ変わる準備を今あたふたと進めているところだ

このカラダはもう誰のものでもない

《わたし》であることは止めてしまおう

《自由》を求めることもこれで終わりだ

喜びを感じようとするのならば

この両手を大きく拡げて

瞳を閉じ

世界にいのちをぜんぶ浸して

どんな話にも耳を貸さないようにすればよい

どんなものにも従う必要なんてない

もしほんとうに世界がひとつならば

ぶつかりあってじゃれ合っているだけなんだから

壊れようが

消えようが

常に組み合わせを変えて飛びまわり

怒りや笑いの音楽が

世界中を真っ白に塗り尽くすまでは

どっちにしろ生き続けるしかない

棄てることなんてできない

ただ失い続けるだけ

ぽろぽろとこぼれて行くだけ

血を流す真実は

鮮やかに跳ねまわる赤い魚

下腹にこみ上げる心地の良い痛み

そんなものと一緒に

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とにかく電車から降りて

自分の生まれた土地へ帰って

河岸を歩いても

ここが自分の場所だなんて気持ちにどうしてもなれない

全部覚えているよ

こんなになつかしい気持ちがこみ上げてくるのに

何故だろう

7(Intermission)

7番ホール付近で客の打ったボールを探していた彼女

雷に打たれ

カラダ中の電子が同じ方向を向く

こんなかたちであたらしい人生が始まるなんて

もうこれまでの自分じゃいられない

限りないほとばしりと共に彼女は二つに分割された

大地と空とに

そして再び巡ってくる

ロッカールームグレイの空

そこで彼女は合流し

きしるような叫び声をあげながら

ちいさな生き物として生まれ直すのだ

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瞳だけ特別な石を盗んできてはめ込んだ

君はイカサマさ

まるでチグハグさ

だがそれでも構わない

昨日のフェイクが今日はリアル

ココロもカラダもおおざっぱに束ねられたアクションの集まりだから

愛を交わすためにどうしても必要ならば仕方がない

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*《わたし》と《自由》のタタカイ                 *

*ナワバリをめぐるアラソイ                    *

*大地や身体を我がものにせんと                  *

*かこいこみかこいこむ                      *

*                                *

*そこから逃げ続ける線がある                   *

*それが生                            *

*生は《わたし》にも《自由》にも縛られない            *

*いくら囲い込まれてもそこからするりとすり抜けていってしまう   *

*《わたし》も《自由》もその度に生まれ直さなければならない・・・ *

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