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できて当たり前、出来なかったらクレーム、の世界

工場の生産ラインとか、事務処理とか。
作業工程があって、出てくる結果も一定だから、「できて当然」なんですよね。

私は昔、とある週刊で発行される紙媒体の制作を担当していた。そこでは、「毎週●曜日に必ず媒体が出来上がっている」ことは当然のことであり、ミスやトラブルは許すまじきものとして取り扱われた。

一見クリエイティブに見えるメディアの世界だったが、産み出す現場は非常にシビアだった。そこには、プラスの評価はなく、〜が遅延した、●ページに誤記があった、など、フィードバックされるのはマイナスのことばかりだったから。
働いてる現場も当然モチベーションは上がらない。でもなんとか、そんな空気を変えたいと、社員であの手この手を使いながら、現場がやる気を出せるように、そしてなおかつミスのないように場を作る。それが自分の使命だった。

こういう組織の場所、少しでもマイナス評価されると、人の定着率は落ちる。求心力も下がる。上司には、「人がやる作業だから、ミスもあるよね。でもどうしたらミスが減るかな」と、おおらかな気持ちで部下を迎え、そして、守ってほしい。

ミスは、人のせいではない。人がミスできる仕組みが原因だ。

私はこの仕事で、そんなことをたくさん学んだ。


だから、後輩たちがミスした時は、叱らない。「ミスが出来る仕組みを変えるにはどうしたらいいと思う?」そう、彼らに寄り添って話をしたい。

#エッセイ #ひとりごと


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