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オタク、推しぬいを縫ったの巻

ごきげんよう。皆様いかがお過ごしでしょうか。

オタクはコンサートに向けてぬいを縫うなどの活動をしております。
手芸の話、どこにも書くところがないのでここにまとめておきます。

意外といろんな界隈のお友達が日記読んで下さっているのでふわっと説明します。
「ぬい」とは、オタクが持っているぬいぐるみのことですね。暴言みたいな言い方になっちゃった。
アニメや漫画のキャラクター、三次元アイドルなど人間のぬいぐるみです。ゲームセンターのプライズなどによくあります。
そして、オフィシャルぬいが発売されない民や、推しを自ら錬成したい民がぬいを縫う作業をしているみたいです。
K-POPとか中華アイドルだとマスターさんが作る工場製ぬい文化もあるよね…。
それに近い一次創作ぬい(無所属ぬい)、棉花娃娃もめちゃくちゃかわいいよね…。

わたしはオフィシャルグッズにぬいが無かったのでぬいを作ろうの民です。
ぬい、興味なかったんですが(二次元だとぬいよりフィギュア派)、一緒にコンサートに行くオタクが既にかわいいをぬい錬成していて…。
コンサートに連れて行くって言っていて…そんなのわたしもぬい連れて一緒に写真撮りたいじゃん…。
一緒にぬいにツアーパーカー着せよ…!!!という感情で、ぬい始めました(ツアーグッズにパーカーなかったです、Tシャツを着せます)

裁縫ぜんぜんしない(着てるシャツのボタンが取れたら縫わずにシャツそのものを諦めるレベル)がぬいを作ったメイキングを記しておきます。
先人たちの型紙や作り方講座を見てただただ縫っているだけなので、作り方ではなくメイキングです。
「裁縫したことないけどぬい作ってみたい…」という人たちがやる気になるキッカケになれば嬉しい心。
インターネット彷徨ってるとうまい人が多すぎて作る前に挫折しそうになるからね。。


★ 型紙、参考資料

参考資料はグラフィック社さんから出ている「てづくり推しぬいBOOK」
これを読みながらサイズ感を考えて、顔や身体や髪のデフォルメの具合を想像してやんわり絵を描いて、


まろまゆさんの型紙から頭部をアレンジさせて頂いて、


LINKさんの型紙からボディをお借りしました。
もっちりした身体かわいいのにパーツ少なくてすぐ縫えて感動した…。かわいい…。


どれも素敵な型紙なのでわたしのように混ぜこぜにせず是非お好みのものをズバッと使ってください!!!
LINKさんの型紙の身体が本当にかわいくてオススメなんですが、
立体感のあるこのサイズの身体、版権オフィシャルぬい界隈では見かけない作りをしているので、
この身体でぬいを縫うとお洋服が全て自作、巷で配布されている型紙はあまり合わないのでアレンジが必要、の茨の道になるかもです。
ぬい服作家さんのお洋服を着せたい場合や簡単にお洋服を作りたい場合は版権オフィシャルぬいによくある平たい形の身体をオススメします。

「顔や髪のデザインを描いて」という部分で躓く方が9割なのではないでしょうか。描けねぇよ!と。
先に言っておくと、わたしも絵は描けないです…。
しかも生身の人間をデフォルメするの、その人の顔のどこがどう特徴なのかもわからなくて無理…。
なので、描く前に、アイコンメーカーでデフォルメ顔のパーツを組み合わせて「どんな感じが推しっぽいのか?」を研究しました。
アイコンメーカーは二次創作への使用は濃いグレーなので、研究用に留めておきましょうね。

https://charat.me

本当は韓国ぬいみたいなキラキラのかわいいお顔にしたい心もあったけどドシンプルな顔してるのは絵が描けないからです。
(●_●)の目の色を可愛くするとか、( I _ I )系の顔のぬいもかわいいと思います。
描けなくてもなんとかなります。サンリオのキャラとかサンエックスのキャラのシンプルな顔、見てください。
ドドドシンプルでもかわいいんですよ。

2月に、上記紹介した推しぬいBOOKとは別の、ぬい作り本が出るようです。

推しぬいBOOKのぬいよりこっちのぬいのほうが形が好みかもしれない…!どっちも縫ってないからわからないけれど…!!!
急ぎでない方はこの本が出るまで待ってみても良さそうです。




★ ぬいを作るために準備したもの

⭐︎道具
・布を縫うための針
・刺繍するための針
・まち針
・針を刺すクッション
・糸通し
・糸を切るハサミ
・布を切るハサミ(小さめがあると便利)
・刺繍枠(8センチを買いました)
・チャコペン(時間が経つと消えるタイプ、普通用と濃色用)
・ほつれどめピケ(服に使いました)
・布用の接着剤
・水で溶ける刺繍シート
・フリクションボールペン

⭐︎材料
・布を縫うための糸(肌色、髪色)
・刺繍するための糸(目、眉、鼻、口など、それぞれお好みの色)
・肌の布(グッズプロさんのクリスタルボアを使いました)
・髪の布(同じくグッズプロさんのクリスタルボアです)
・髪の布の裏側(髪の布を貼り合わせて両面にするか、ナイレックスやトイニットか)
・薄めの接着芯(片面/顔の刺繍の下地なので淡い色)
・薄めの接着芯(両面/髪を貼り合わせる用、芯というか両面接着のためだけのアイロン糊シートみたいなのを買いました)
・綿
・服を作る場合は服の材料も

思いつく限り書き出してみました。多分これで足りてる…?なにか抜けてたらまた書き足します。
肌の布、髪の布以外はほぼ100円ショップでも手に入るので(場合によっては布も100均でいけそうなの売ってる)
「初心者だから道具に課金してつよつよの装備で戦お…」と思ったら手芸品屋さん→100均の順で、
「初心者だからとりあえずお手頃価格のもので試しに揃えたい…」と思ったら100均→手芸品屋さんの順でGO!
個人的に、せめて刺繍糸だけは手芸品屋さんで見てみて欲しいです。色数がめちゃくちゃあるので。
「推しの目の色はこの色…いややっぱりこっちのメーカーのこの色…?」って悩むだけで楽しくて時間が溶けます。
針とからは各々専用のやつ買ったけど、山に刺してたら途中から「この針は縫うやつか?刺繍のやつか?わからん…針…」ってなりながら縫ってました。

わたしが作るぬいは身長約12センチで、型紙はA4サイズの紙に収まる大きさなので、肌の布は20センチ、髪の布は10センチ買っておけば余裕で何体か作れます。
ぬいぐるみ用の布は手芸品屋さんだと超大型店くらいにしか置いていないイメージなので、布だけはネットの専門店で通販した方が手っ取り早そうです。
グッズプロさん、ぬいぐるみの生地やさん、ヌイトミーさんなど。調べるとたくさん出てきます。

ソフトボア系、ナイレックス系、トイニット系、いろんなぬいが世にある中でグッズプロさんのクリスタルボアを選んだのは、
色見本が購入できるからと、既にぬいを錬成しているオタクのぬいと質感を合わせたかったからなので「絶対これがオススメ!」ってわけではないです。
わたしは初めてぬいを縫いし者…。ぬい作りは何年も前からある文化なので、既に山ほど作っている方が使っている布が間違いなさそうです。



★作っていきます

ふつうの手芸だと「型紙を用意します→布を切ります→縫います」の順だと思うんですが、
ぬいは顔の刺繍をするために布を刺繍枠にセットしないといけないので、裁断よりも先に刺繍するところからスタートです。

顔を刺繍する下準備として、今回は使った布がちょっと伸びるので、伸び防止に刺繍するあたりにだけ薄手の接着芯を貼りました。
伸縮性のない布で作る場合は接着芯不要です。
刺繍シートに絵を描いて、布に貼って、シートごと刺繍していきます。今回はダイソーの刺繍シートを使いました。
手元にあったフリクションボールペンの赤で絵を描きました。肌色の布なので最悪滲んだとき赤とかピンクとかオレンジとかだとマシかなって…。
熱すると消えるフリクションボールペンの色ですが、冷やすと復活するので、極寒の冬に外で持ち歩く可能性(あるのか?)も考えるとなるべく目立たない色で描くのが良さそうです。

1本取りのアウトラインステッチで線を描きました
2本取りで埋めました
なんか縦に縮みましたね
洗われて大体の形に断裁されたいのち
まだ湿っている姿

刺繍のステッチは「アウトラインステッチ」「サテンステッチ」で検索すると解説が山のように出てきますので参考に。
目のグラデーションはこちらを参考にロング&ショートステッチ的なものを目指しましたがぜんぜんまっすぐ縫えてなくてヤバ。

参考にしたって動画載せるの恥ずかしいくらいできてない…。

たくさん休憩しながらゆっくり縫ってるので参考になりませんが、
布に刺繍シートを貼った状態AM1:01、
アウトラインステッチが終わった状態AM3:01、
まつ毛部分(目の上の線)をサテンステッチで埋め終わった状態AM4:02、
グラデとハイライトが埋め終わった状態AM6:24、
って写真がカメラロールに残っていました。すごく時間かかってますね…。夜なべしとる…。


刺繍が終わったらその他のパーツも型紙通りに断裁して、縫い合わせていきます。
今回は髪の毛を細かめのパーツにして上から接着剤で貼ろうと思っていたので、髪パーツはまだ作らずにそのまま坊主状態で縫いました。

いのち
刺繍シートのベタみがのこっていることにこの時点で気づいていなかった

頭の縫い方は、型紙配布されているまろまゆさんのYouTubeを見ながら順番に。


身体は、LINKさんの説明の通りの順番で縫いましたが、
自分がやりやすいように縫いしろをつけて返し縫いしていくと、股とか腕とかキツイ部分がありました。
なので自己流縫いと、指示通り縫いのミックスになっています。
ひっくり返すと縫い方のミックス感はバレなさそうなので、たぶん大丈夫!たぶん!

出来上がった坊主ちゃんを見て、よーし髪を作るぞー!とパーツをまち針で止めながら形に悩んでいたら、
「土台になって見えなくなる部分ではあるけれどもおでこもっと狭い方がかわいいのでは…???」という気持ちが湧いてきて、
さらに「耳の後ろの後頭部と顔の間、ここも斜めに自然に作った方がかわいいのでは????」という気持ちが湧いてきて、

これも上から髪貼るから隠れるんですけど…

なんやかんや「こうしたほうがさらにかわいいのでは???」と型紙とにらめっこを続けて、

髪型考える時に型紙に書き込んで切ってぬいに当てて調整する作業を何回かするので、
頭部の型紙は多めに印刷しておくと心が安らぎます
上の型紙で切り抜いてるおでこパーツを当てて様子を見ている姿

「よーし!!!型紙好きに直してもう一回縫うか〜!!!!!!!」と心が決まりました。
つまり顔の刺繍アゲイン。

自分で言うのもなんなんですけど、型紙見て立体になった姿が想像できないわたしのようなタイプの方は、
顔の刺繍とか始める前に一回お試し布(フェルトとか)でザクッと形だけ作ってみた方が良いです…!!!!!!!
わたしは一発目から本番の布で本番を作っていたのに途中で気が狂ってしまいました。良くない。良くないよ…。


★今度こそ作っていきます

縮むと学んだのでちょっと大きめに刺繍してみている様子

2回目になると速いのでは!?と思いましたが、アウトラインステッチ片目で30分かかった時点で
「あ、これアウトラインステッチ両目で1時間+眉と鼻と口…1回目とそんなに変わらないな…」と悟りました。

刺繍シート、1回目は洗面台に洗面器と一緒に持って行って蛇口ひねってぬるま湯出しながらそれを浴びせつつ洗ったんですが、
直洗いしないほうが良いと聞いて今回は洗面器にぬるま湯をはってからそれに刺繍が終わった布をそっと浸して、
触りたくならないようにコンビニに行って、帰ってきてから流しました。
スルッと取れたけど乾いてからよく見たらのりの残りがあるな〜。どうにか良い洗い方が知りたいです。

縫いまして、縫います。

縫い目ずれたけど、もみあげ?左の方がかわいいねヤッタ
急に材料にないもの出してくる姿

1回目にぬい縫いしたときに、頭と身体をコの字でひっつけるの苦手すぎて頭ぐらぐらしたりめちゃくちゃ縫い目見えたりするなぁ…と思ったので、
2度目は「上達したい」とかのステップを華麗に踏み飛ばしてテディベア用のジョイントで繋ぐ、にしてみました。
ジョイントを通す穴をあけるので、本当はアゴ部分に接着芯仕込むべきでした。綿詰め終わってから気づいたので諦めました。
そして頭も胴もできた瞬間テンション上がって綿詰めましたが、ジョイント固定するには綿あとからの方が良いです。。

2体並びました

え〜〜〜!?!!?!!?!
1回目の方が顔が可愛い!!!!!!!
困った!!!!!!!!!!!!!!
と、この時点で3回目の顔の刺繍を始めたのですが、それがだいぶん進んだところでミスってダメになって、
「4回目はもうちょっとやる気を貯めなきゃ無理〜!!!」ということで1回目の子で制作を続けることにしました。
頭と胴をバラして、頭はうなじの縫い目をほどいてジョイント仕込んで、身体は3体目を作って繋ぎました。
髪は裁縫上手という布用接着剤でひっつけます。

いのち
ボトム履かせてた跡がある写真でごめん
後ろ姿
もっと髪パーツ細かく増やしても良かったね
1回目ちゃんの気に入らないポイントは念入りに隠した

ウルフもどきの髪のパーツ分割は、身体の型紙をお借りしているLINKさんのツイートを参考にさせて頂きました。


★縫えました

ぬいは縫えたのであとは服を着せるだけ!

ファミレスで虚無顔のぬい
PENTAX MX、FLEKTOGON35mm、SUPERIA1600

お洋服の型紙は主ににーびさんにお世話になりました。

同じ身体の型紙を使ってぬいを縫いし先人が作ったお洋服を試着させて貰ってサイズ感を見て、いけそうな型紙を紹介して貰ったり、
「これはこの型紙をA4で印刷して80%に縮小してそこからさらにここを縮めている」みたいな話を聞いて真似して調整しつつ。
助かる…ありがとう先人…。
わたしも失敗しながらぼちぼち縫ったので「この型紙は110%でコピーすると良」みたいな情報が共有できるようになってきました。

アルバム衣装を着たよ
別日にまたファミレスにいる写メ
靴は先人のオススメで、ハンドメイド作家さんの作ったしっかりしたぬい靴を購入したので骨なしでも立てるよ

かわいい!!!推しのぬいという存在!!!かわいい!!!
思ったよりかわいいぞ!!!!!なんだこれ!!!かわいい!!!!!
似てる似てないの問題じゃない!!!かわいい!!!かわいいわ!!!!!

さて、見に行くコンサートには暫定推しが2人いるのでね、もう一体作ります。

う〜んお顔のデフォルメ難しい…!似てない…!

できた!!!!!!!
顔も髪もイマイチ似てない…難しい…服ももうちょっとどうにかしてあげたい限界の姿なんですけど、一応できた…!!!!!
っていま縫い終わったみたいなテンションに見えますが違うので安心してください。
コンサートに行く前に途中まで書いていた日記の続きを書いて終わらせとこうとしているだけです。
今日はこれ連れて横浜アリーナ行ってきま〜す!わーい!楽しみ〜!!!!!!!
ぬいには着せてあげたいお洋服が山ほどあるので、またいろいろ縫って写真がたまったら日記を書くかもしれません。

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