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夏になると思い出す苦しいこと

真夏の灼熱に、少し耳障りな蝉の鳴き声。ベタつく肌。元気に走り回ってる子供たちに、朝からうるさいラジオ体操の音。冷房が効いた部屋で食べるアイスキャンディーに壊れかけの扇風機。向日葵。花火に近所の市民プールの匂いに少し汚い海の焼けそうに熱い砂浜。ちいさなお祭りの屋台にきれいな色のヨーヨーたち。

全て昔すきだったこと。
いつからだろう、そんなことも忘れてしまって何がすきだったのか…この15年はなにもなかったのかのように夏を過ごしていた気がする。

じゃあいまもすきなのかって聞かれると、全てすきなわけでもない。きっとそれはあたしの価値観など変わってしまったから、子供ながらにすきだったものに関心を持てなくなったのだろう。

でも、雨上がりの翌日や夕焼け、真夏の日中はいまでもだいすき。少し切なく胸を締め付けられる感じが昔からだいすき。「今日も生きてしまった」なんて考えてたあの頃を思い出してしまうから。思い出したくないのに、忘れることも出来ない。だから苦しい。

あの頃、きっと救われたかったんだ。
生きたくなかったから逃げ出したかった。

でもそんなことが出来ないから、快晴の空を流れる雲のようにあたしの時間もなにも考えることなく無意味にただ流していたのかもしれない。

抱え込んでいた涙と一緒に。

あの頃大切にしていた気持ちはどこかに忘れてきてしまったけれども、忘れたくないほど今でも苦しく心に突っかかったままの思い出なんだろう。

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