2024年 柔道整復師国家試験必修対策(上腕骨外科頸外転型骨折)

この文章は2024年の2月に作成したものです。
また、指定試験機関から2022年に出版された柔道整復師国家試験出題基準をベースに執筆しています。
念の為、必修以外の範囲も記載してあります。
誤字、脱字、情報の誤りがある場合はコメントで教えていただけると助かります。
(注)この記事は柔整の必修国家試験対策のものです。

※画像は著作権フリーを使っています。

N=神経
A=動脈
V=静脈
D=脱臼
F=骨折
M=筋肉
L=靭帯
B=骨
w=週

とします。

【上腕骨外科頸外転型骨折】

【好発年齢、性別】

高齢者に好発する。

骨頭〜結節部(太い部分)
骨幹部に移行する部分
で好発する。


【原因】

①介達外力(多い)→転倒により肘、肘J伸展位で手を衝く。

②直達外力(少ない)→肩を衝く、三角M部強打。


【症状】

  • 高度な腫脹

  • 異常可動性

  • 軋轢音

  • 機能障害(肩Jの自動運動制限著名)

  • 著名な限局性圧痛(外科頸部に)

  • 骨片転移

  • 三角筋部に著名な腫脹

  • 皮下出血班

 などがある。

※上腕骨外科頸外転型では噛合fになりやすい。

※噛合fでは軋轢音、異常可動性が出ない事がある。

1.骨片転移、変形

近位骨片→軽度内転
遠位骨片→軽度外転、前内上方に転移
骨折部→前内方凸変形

上腕軸の骨折端部→内方(教科書まま)

※上腕骨外科頸骨折において、柔整国試では

遠位骨片=上腕軸、骨幹軸

を指す場合がある。


2.皮下出血班

上腕内側〜前胸部に出現する。



【鑑別】

肩関節前方Dと鑑別

外転型骨折は字の上腕軸の骨折端部が内方へ向くため肩関節烏口下Dの外観と類似する。

(教科書まま)


【合併症、後遺症】

  • 腋窩N損傷

  • 腋窩A損傷

  • 肩関節脱臼

  • 関節不安定性

  • 肩関節亜脱臼

  • 肩J内転位拘縮

  • 肩J外転外旋制限

実際にN、Aを確認する場合は腋窩Nの知覚領域と橈骨動脈の拍動を確認する。

麻痺がある場合三角Mの筋力が低下する。


【整復法】

位置する場所

患者→背臥
第1助手→頭の上
第2助手→前腕
第3助手→上腕


役割

①第1助手→腋窩枕子を入れて三角巾、帯を使って上内方へ牽引、固定する

②第2助手→肘90°屈、上腕遠位及び前腕遠位を把握し、牽引と同時に上腕を外転させ、短縮転移を取り、両骨片端を離開させる。

③第二助手の牽引を持続させたまま、遠位骨片を内転させる

④ ③と同時に術者は遠位骨片端を外方へ引き出し内転転移を取る。

⑤第二助手の牽引を持続したまま、遠位骨片を前方挙上させる。

⑥ 術者は⑤と同時に小指球で遠位骨片を前方から直圧する


【固定】

ポイント

  • 外転型Fは初期は内転で固定

  • ハンギングキャストでは持続牽引力が働く

  • 4〜5Wの固定期間

内転で固定するので内転位置拘縮になる。
そして、外転外旋制限になる。


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