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アイカツスターズ!イリュージョン Show Timeを見に行った方がいい3つの理由

目次
0. まず大前提として、初演のネタバレあり/再演のネタバレなし
1. バーチャルアイドルと現実空間が混ざり合う投影システムがすごい
2. イリュージョンShowTimeでしか見られない、独自に作られたキレッキレのライブ演出がすごい
3. 繊細なモーションがすごい

この記事は、アイカツ!Advent Calender2017の12日目の記事です。

アイカツ!フアンなら知らない人はいないであろう、アイカツスターズ! イリュージョンShowTime。

今年の4月〜5月の期間でDMM VR Theaterで上演されていたが、
今月の12月8日より、約1ヶ月間再演が行われている。

アイカツスターズ!イリュージョンShow Time 再演|イベント/大会|データカードダス アイカツスターズ!

今後また再演があるかどうかわからないし、もしかしたらこれがイリュージョンShowTimeを見ることができる最後のチャンスかもしれないので、未見のアイカツ!フアンにはぜひ見ていただきたい。

ということで、イリュージョン未見の方に向けて、
なぜ見に行った方がいいのか、というかどういうところに感動したかを説明したいと思う。

0. まず大前提として、初演のネタバレあり/再演のネタバレなし

春のファースト上演当時では、「小春ちゃんが歌う」という大サプライズが仕掛けられており、そのことについては極力触れないようにして感想を言うのが紳士の嗜みだった。

しかし、上映開始から1ヶ月くらいで公式から「小春ちゃんが歌っている」ということはアナウンスされ、さらにイリュージョンShowtimeの人気投票では小春ちゃんが見事に1位を獲得。しかもこの結果を受けてか受けずか、テレビアニメの第79話ではついに小春ちゃんのCGステージが実現。

ということで、今となってはこの「小春ちゃんが歌った」というのは周知の事実であるし、その他の要素はネタバレして怒られる要素でもないと思うため
本エントリは、ある程度内容に踏み込んだ内容となることをご了承いただければと思う。

ただ、12月からやっている再演については、初演時にはなかった要素がいくつか追加されており、それについては見てのお楽しみとした方が絶対楽しめるので本エントリでは触れないようにする。

1. バーチャルアイドルと現実空間が混ざり合う投影システムがすごい

DMM VR Theaterは基本的には空中に映像を結像させるタイプの投影の仕組みを使っている。単純にこの仕組みだけでも、目にうつる映像としては「現実にキャラクターがいる」という状態にはなる。

しかし、やはりただそれだけでは現実世界の実体として情報が不足するため、イリュージョンShowTimeではそこを埋める工夫がしてある。

工夫1 照明と連動したキャラクターのライティング
イリュージョン Show Timeの上演では、映像投影だけではなくリアルなライティングの演出も走る。
このライティングは、投影されているキャラクターにもガンガン当たるのだが、この時にちゃんと「現実で、キャラクターに当たる位置にあるライトの色」と「バーチャルなキャラクターに当たっているライトの色」が一致している。


これは単純に演出のタイミングを合わせているだけなのだと思われるが、こうすることでバーチャルなキャラクターが一歩「現実」の側に歩み寄ってきていることがわかるだろうか。

工夫2 スモークによるポストエフェクト効果
上記のライティングと共に、ライブ上演中はライブではよくあるスモークが焚かれる。
スモークを入れることで、ライティングが美しく映えるため基本的にはその目的で使っているのだと思われるが、このスモークが天然のポストエフェクトのような役割を果たす。


アニメーションで時折見かける手法で、夕焼けなどの強い光があるシーンの時、キャラクターに光の色のグラデーション的なポストエフェクトをかける、というものがある。こうすることで、セルのキャラクターが背景になじむのだが、それと同じような効果が出ているのである。
当然、バーチャルキャラクターは現実空間に「なじむ」ので、より「現実の存在」に近い印象になっているというわけだ。
ただ、当然スモーク越しに見る必要があるので、ベストポジションは最前ではなく、ある程度以上後方の席ということにはなってしまう。

工夫3 キャラクターの影
工夫1に付随することではあるが、キャラクターにライトが当たった時にちゃんと背景の壁に影が落ちている。


これは、背景用に別の映像を表示できるようにスクリーン配置しているからこそなせる技であるが、これがもし「キャラクターの存在感をいかに出すか」というところを真面目に考えている制作陣でなかったら、
「背景にも映像投影できるんだから派手な要素盛ればいいじゃん」となり、存在感ぶち壊しの方向に持っていっちゃうだろうなあと想像できる。
このあたりから、DMM VR Theaterがその名の通りVR、「人工現実感」に真面目に取り組んでいることが伝わってくる。

2. イリュージョンShowTimeでしか見られない、独自に作られたキレッキレのライブ演出がすごい

イリュージョンShowTimeは曲数のボリュームが大きく、それだけでも満足度が高いが、1曲1曲がちゃんとDMM VR Theaterに最適化(特に、前述した「現実感」をできるだけ損なわない演出)され、かつアイカツスターズ!の世界観を壊さない独自の演出がもりもりに入っており、見ている間に「も、もう食べられないよぉ〜!」となること受け合いだ。
その中でも、筆者が特に感動した演出をご紹介しよう。

白銀リリィ「Dreaming bird」の演出


Dreaming bird、特に登場演出に鳥肌が立った。(映像はデータカードダスのもの)
イリュージョンShowTimeにおけるDreaming birdの登場演出は、イントロの時計の音に合わせて閃光が走り、イントロが盛り上がる瞬間に閃光とともに白銀リリィが出現する、というものであった。
そのイントロが良すぎて、Aメロ以降の本編はただただ圧巻されていたという感想しか書けないくらいである。


この演出はデータカードダスやアニメ本編にはなく、イリュージョンShowTime用に独自に作られたものだ。

Dreaming bird自体はかなり激しい曲だが、イントロはかなり押さえて、静かである。
それはつまり、曲構成をジェットコースターに例えるならば

イントロ=「ジェットコースターで頂上に登っている時」
Aメロ=「ジェットコースターで頂上に到達し、一気に落下してる時」

という演出意図があると思われる。
イリュージョンShowTimeでのイントロ演出は、まさにこのジェットコースター的な印象を私に感じさせてくれるものだった。頂上に向かって高まる緊張感、閃光が走る0.1秒x数回だけDreamingbirdの世界をチラ見せされてるようで、徐々に、しかし確実に本編=Aメロに向かって盛り上げてくる。
この演出は他では見られない珠玉であると思う。

「episode solo」のカリスマ感


次に、S4の「episode Solo」。
自分としてはイリュージョンShowTimeの中でベストアクトがこれ。
なんというか、S4の「カリスマ感」がバシバシ感じられるのである。

演出内容はというと、こちらはむしろ必要なものは全て削ぎ落とした最低限のもの。照明と楽曲と振り付け、ほぼそれだけで勝負しているように見える。

そういう意味では、この楽曲については従来のアイカツスターズの演出とはとはかなり違う方向性に振ってきている。

S4の四人が等間隔に並び、ダンスは4人とも同じ振り付け。背景は真っ暗で、映像が映ってさえいなかったように記憶している。

DCDやアニメ版と異なり、S4の四人はキリっとシリアスな顔で歌い踊る。

しかしなのか、だからこそなのか、めちゃめちゃかっこいい。

実力に裏付けられた自信が、バーチャルキャラクターであるにも関わらず
S4の4人から感じられた
のである。

ちなみに、episode Soloのように極端に演出が削ぎ落とされた楽曲は他にはなかったので、他と対比させることでS4の実力を感じさせる、という演出意図はおそらくある。

しかし、その演出意図によって本当に「カリスマ感」をリアルに感じてしまうとは・・という驚きがあった。

3. 繊細なモーションがすごい


イリュージョンShowTimeでは、VR公演ということもあり
おそらくモーションの全てが作り直されている。
なので、DCDやTVアニメでも見ることができない、なめらかでリアルな動きをするアイドル達を見ることができる。モーションの使い回しはおそらく1つもなく、全てのタイミングの動きに意味がある、つまり生きている人間がそこで演技しているのと変わりのない贅沢なつくりとなっており、大変にありがたみがあるのだが、その繊細なモーションがあるからこそ成立している演出があり、筆者はそこに注目した。

再び前段で書いたepisode Soloの話になってしまうが、
S4の4人の振り付け。これは、4人とも全く同じもので、4人がぴたっと同じタイミングでダンスをする。
同じタイミングでダンスをしているが、完全に同じではなく微妙なずれがある。
つまり、おそらくこのepisode Soloにおいては4人のモーションデータは同じではなく、同じ振り付けであるにも関わらず4人分のモーション、しかも「ずれなくきれいに同じタイミングで踊れたモーション」を使っているようなのである。

リアルな人間のダンスであれば、まず「きれいに同じタイミングで揃える」という事自体難しい、というか
完全に1秒もずれずに3分間、4人のダンスを合わせるとなるとほぼ不可能。
なので、「ダンスが完璧に近い形で揃っている」という状態はものすごいスキルの高さ、ひいてはカリスマ性につながる要素となる。

しかしこれが、バーチャルなキャラクターだと「同じモーションデータを使う」ということで簡単に実現できてしまう。

カリスマ性につながるようなことが簡単にできてしまうわけだが、「モーションデータを使いまわした」ということは3Dゲームがもはや普通になってしまっている現代においては、ほとんどの人にその手法が見破られてしまい、カリスマ性を出すことはできなくなるだろう。

「ダンスが揃っているすごさ」を「ダンスが揃って当たり前のバーチャルキャラ」でどう表現するか?
という課題のアンサーとして、「同じ振り付けだけど1人1人別のモーションにして、人間のできる範囲内で揃える」という手段を取った。その結果、逆説的に?「ダンスが揃っててすごい!」という印象へとつながっている。

まとめると、モーションの細部へのこだわりは、ただ贅沢な体験をさせるということだけではなく、バーチャルキャラクターを生きている人間を「見ているかのように」感じ取らせる、という方向に作用している。

このようにして、人の知覚を人工的に捻じ曲げてくるのはVRの本質的なところであるし、他にはないエンターテイメントだと思う。


というわけで、このように素晴らしいアイカツスターズ!イリュージョンShowTimeは今月の24日まで横浜のDMM VR Theaterで上演されている。

上述したような素晴らしい演出の数々は、今横浜に来れば見ることができるのだ(上演時間はご確認の上行ってください)。

アイカツスターズ!イリュージョンShow Time 再演|イベント/大会|データカードダス アイカツスターズ!

先週からの上演なので、すでに見に行った人の感想がTwitterで散見されるのだが・・

このように、「再演だけど、再演じゃない」的な感想が多い。
そう、再演と言うにはもったいないくらい、豪華な追加要素が入っているのだ。

初めての方はもちろんのこと、春の上演を見た人も、ぜひ足を運んでほしい。

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