「僕ら的には理想の落語」金週初笑い?! 妄想亭四人会

 配信にて、昼夜と鑑賞いたしました。
バラエティパートの感想は、まあ……さておいて(笑)、簡単に噺に関する感想を。

『小僧いじり』
昼・夜共通演目。当初は妄想亭茸丸役の榊原優希さん、同門万識役の中島ヨシキさんふたりで行う予定でしたが、榊原さんが新型コロナウイルス感染のため欠席となり、中島さんひとりでの高座となりました。
昼公演ではアドリブを多く盛り込んだらしいためか、主軸となる噺の筋が迷子になっていた印象でしたが、夜公演ではアドリブを盛り込みつつ、しっかりと噺の筋を保ちながらで流石の経験者といった印象でした。結構噺の内容としては仕方のない部類というか、しょうもない話なんですが(笑)、中島さんの崩す喋り方がすごくマッチしていた印象でした。今度は榊原さんとぜひリベンジしていただきたいという感想。

『職人ひねり』
昼公演演目。妄想亭和穏役伊東健人さん、同門上利役土田玲央さんおふたりでの高座。こちらもまた動きの入った与太話ではあるのですが、シモネタ具合ではだいぶソフトめ。土田さんの洒落の含んだせりふ回し、表情、動き等々にフフ、と笑ってしまうことしばしば。コミカルな節回しがすごくお上手だなと思いました。伊東さんはちょっと噛んでしまった場面もありつつ、そこはさらりと流すようにしてくれたので良い笑いどころになっていたように感じました。低音のずっしりとした声と飄々とした高音の演じ分けは流石本職の一言。

『猫煩い』
夜公演演目。こちらも和穏役伊東さん、上利役土田さんにて。がっと心臓をかっさらわれたような感覚。伊東さん演じる和穏さんは『不穏な話が大好き』という趣味嗜好があるのですが、そういうキャラクター性を踏まえた語り口、演じ分けになっていました。土田さん演じる上利さんは上記の職人ひねりのコミカルさを出しつつも、話が進むにつれて漂う作品の不気味さを際立たせる『普通の人』をしっかりと表現されていました。多分、上利さんの『天才肌』というキャラクター性ってここからきているんだろうなとぼんやり思いつつ楽しみました。

個人的には夜公演をおすすめしたい。
なぜかといえば猫煩いに持っていかれたから!(笑)
私自身も不穏なお話、大好きです。あと、BLとしての濃さみたいなものがちょっと抑えてあるのであんまり……という人も見やすいように感じられました。
配信ではありましたが、とっても楽しかったのでぜひ本編2期もお待ちしております。

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