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心地よさは町に浮遊する

人の日々の営みを眺めるのが好きだ。
ボーッとそれを視界に入れながら、何かを考える時間が好きなのだ。

たわいもない人と人との会話と、そこに浮遊する感情に安心する。全く関係のない人々ではあるけれども、ちょっとした笑顔に、平穏な日常が今日もここで流れていることを感じて安堵するのである。

生い立ちを話せば暗い話になってしまうので深くは触れないが、自分の家とそこに住む人の間にはそうした生温かな人肌を感じられる瞬間がなかったせいか、町に出て外の世界に流れている "人の介在した時間" を感じると「生きてるって良いな」と満たされてゆく。

10代までは自分の居場所を探したりして苦しんでいたけれど、別にそんなものはどこかにあるわけではなくて、そこら中に浮遊しているのだろう。

町に出て、旅に出て、そこで人と話したり、その地の空気に浸ったら、もうそこはわたしの居場所になる。

狭い世界で居場所を見つけられなくて困っていた時はいつも、その少し外縁の世界に救われたりするものだった。数え切れないほどたくさんの人が世界にはいて、各々が各々の毎日を生きていることを知覚すると、いい意味で自分のちっぽけ具合と世界のでっかさをまざまざと感じられて安心する。

誰かにとって安堵できる場所をいろんな場所にポンポンっとつくっていけたらならいいな、なんて今夜もカフェで心地よさそうに寛ぐ人々を見ながら思うのである。

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