#2 はじまりはいつだって突然
「チル・アンド・ワーク is ライフ」というスタンスで生きてはいたものの、実際にそれを空間として表現してみようとなるには、何かしらの衝動、あるいはきっかけが必要であった。
事の起こりは、2017年11月の昼下がり。
そこは原宿のパン屋に併設されたカフェ。
夏に高円寺でクラフトビールとスパイスカレーのお店をオープンした友人と、ボーイズ・エチケットブランドを始めたばかりのわたしは「何か一緒におもしろいことをしたいな〜」と、何を決めるでもなく話していた。いつも落ち合う、お決まりのカフェで。お互いに新たなスタートを切ったばかりだったため、今すぐにという訳ではなく、将来的な計画として妄想を膨らませていた。
...少なくとも話し始めたその時までは。
カレーとビール、そして、銭湯。
彼女とわたしは、2013年に新卒で入社した会社の同期である。インターネットの世界に飛び込んだはずなのに、あれから5年経った2人は飲食とアパレルという全く異なる世界にいた。
当時彼女は3人でルームシェアをしていて、週末になると、いつもその家では何かしらが開催されていて、家主(時にはゲスト、時には未来のスパイシーな旦那)がつくる美味しい料理を囲んで人が集っていた。
わたしも例外なく、幾度も土産を片手に温かな晩餐をご馳走になりに赤坂の家を訪ねていた。
そんな女将肌の彼女が、これまた大将肌溢れるスパイシーな旦那さんとオープンさせたお店は、何とも云えぬ温かな居心地の良さに満ちている。我が家から少し離れた立地にも関わらず、贔屓目なしにおいしいカレーとビール、そしてホッとする空気を求め、何かにつけて通ってしまうのだ。
そんな夫婦の店が高円寺に誕生したことがきっかけで、わたしはその町の銭湯にも足を運ぶようになっていた。その日の気分で選んだ銭湯に立ち寄り、ひと汗流してから彼らの元へ向かうのが楽しみの1つとなった。
地元の銭湯から行きつけの店の町の銭湯へと、自然な形で馴染みの銭湯が増えてゆくのは、なんだか嬉しいものである。
お風呂上がりに飲みたいもの
わたしたちは原宿のパン屋に併設されたカフェで、2人でできそうなことを引き続き考えていた。しかし、そう簡単に閃くはずもなく、思いつくままにアイディアを口にしては「う〜ん」と唸ることを繰り返すのであった。
しばらくそんな調子でやり過ごしていたところ、銭湯でサッパリしてから飲みに行くことにハマっていたわたしは、ふと思い至り、またも思いつくままに「お風呂上がりにすぐアンドビールが飲めたら最高なんだけどな〜」とつぶやいた。そしてつぶやいてから、思ったのだ。
「めっちゃいいやん!それ、作ったらいいやん!」
思い立ったが吉日、そこから情報を集め、事業計画を練り、どのようにして実現させるかを模索する日々が始まったのである。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
🔸 BathHausはCAMPFIREプロジェクトを実施中です🔥
ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひご支援いただけると嬉しいです。
https://camp-fire.jp/projects/view/83054
🔸 BathHausとは
仕事して、ひとっ風呂浴び、ビールを1杯ひっかける。
そんな家路につくまでの幸せな一連の流れが日常になったなら。スーパー銭湯ならぬ、ハイパー銭湯・BathHaus があなたのささやかな夢を叶えます。
こんなコンセプトのもと、2018年11月代々木上原にコワーキングスペース・銭湯・クラフトビールバーが1つになった〔ハイパー銭湯 • BathHaus〕をオープンします。オープンに先立ち、このマガジンでBathHausができあがるまでの過程やコンセプトなどを綴っていきます。