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U0。0UbANdアルバム『To,bE』使用機材紹介☆ギター編

それでは、アルバム『To,bE』のギターサウンドについて訊かせていただきたいと思います。


アユ犬(以下A):いつもですけど、曲によって弾くギターが違いますね。このアルバムもギターは三本ぐらい弾いているんですが、zoomのG3Xというマルチエフェクターを通して録音しています。このマルチは、有名なアンプやエフェクターのモデリングが入っているので、そこから選んで音を作っていますね。


どんなセッティングをしているんですか?


A:アンプの設定は、基本的にはマーシャルの1959だったりJCM800風のアンプモデルに、od1のモデリングでブーストするというヘビメタ御用達のセッティングです(笑)でも、今回はod1とコンプレッサーを入れ替えた音も入れてますね。そこで歪みを作って、後にはVOXワウ(のモデリング)です。


王道のハードロックギターサウンドなんですね。クリーンっぽいカッティングなども聞こえましたが、そういう音は?


A:ああ、クリーン系もアンプのセッティングは同じでブーストを切って、ギターのボリュームを下げて弾いています。基本的にアンプは歪みっぱなしなんです(笑)


そうなんですね。ああいったカッティングは今まではあまり聞けなかったと思うのですが。


A:今回の曲はニューロマがテーマだったので、バンドのサウンドとして考えた時、2人のギタリストがいるグループをイメージしてアレンジしたんです。ざっくりと、歪み系とクリーン系で分かれて弾いている感じでね。日本ではニューロマから影響を受けたバンドが、そういうギタリスト2人のスタイルで多数出てきましたよね。片方は堅実にリズムを刻み、もう一人はちょっとおかしなノイジーな音を出す、とかね。


一曲目の『nEO ROmANTiX』は確かにそういったバンドの雰囲気になっていますね。終盤のギターソロが途中でブーン!!ビヨヨヨ~!!と崩されていくあたりはそこら辺の気分でしょうか。


A:まさにそのとうりです(笑)だいたいどこのバンドさんにも、普通にコードとかリフを弾く方と、飛び道具で変な音を出す方がいますからね。


この曲ではどのギターを弾いているんですか?


A:メインはBrian May Guitars Black Special改ですね。音はRed specialですけど、弾き心地はストラトっぽい感じでこの曲のカッティングに合うと思って。ただ、ちょっと伸ばすリフの辺りは音程感がしっくりこなかったので、K‘z Red special Jr.で弾いた音が入ってます。セッティングはさっきも話した通りで、最後の壊れていくギターソロはワーミーペダル風にしています。



リミックスも収録されている『Rock the cosmos』では、また違ったギターサウンドが聞こえますが、こちらはどんなイメージだったんですか?


A:これは、完全に二名のギタリストがいる、とあるヘビメタバンドのイメージですね。録音中DAWでトラックネームをつけるときにも“Ace”と“Luke”となっていて(笑)


そのまんま…(笑)


A:(笑)ボーカルとかもそのバンドのメンバー名になっていました。過去にはトラックネームが“PATA”“HIDE”となっていた曲もありましたよ(笑)そんな感じで、左右でそれぞれカラーが違うギタリストが弾いているイメージでパートを作っていきました。フレーズも、デモで打ち込んでるときにシンセで入れておいてね。


デモの段階でギターのパートも入っているんですか?これまでは、シンセで打ち込みのサウンドをまず固めてからギターを弾いて入れていましたよね。


A:そうでしたね。この曲では、ギターソロも鍵盤で弾いて打ち込みながら作って、実際のギターに置き換える録音をしました。だからアルバムの他の曲や、いつものU0。0Uの曲とはまた違ったソロになっています。これがなかなかいい感じになることがわかったので、それ以来そういうやり方でギターパートを作っています。


なるほど~。『命の種』では、往年のファンが狂喜乱舞するかのようなU0。0Uっぽいギターソロが入っていますね(笑)


A:そうですね(笑)これは、大昔からやってきている、打ち込みJpopとQueenのギターとの融合です。曲がメロディーだけでも充分だったので、ちょっと普通のヒトではやらないような大袈裟なギターを入れました。


ギターの音が完全にQueenだと思いましたが…。


A:DigitechのRed special pedalという、ブライアンメイのギターを完全再現したエフェクターで弾きましたよ。パッチは“ディーキーアンプ”のモデリングです。ギターは30年近く弾き続けているKid‘s BM specialです。サスティンとかが独特で、昔はこのギターしか持っていなかったので、全ての曲をこれで弾いていて…。そういった意味では、昔ながらのアユ犬のギターサウンドと言えるでしょうね。そう言えば、『Rock the cosmos』も、同じギターで弾いていますね。



タイトル曲の『To,bE』はどうだったんですか?


A:K‘z Guitar worksのRed Special Jr.ですね。アンプはzoomの最初に話したセッティングと同じですが、この曲ではワウワウとアーミングを使いまくってます。


全編即興でシンセを演奏しながら作曲したとおっしゃっていましたが、ギターパートはどうやって作ったんですか?


A:まず、最初に歌を入れたんですけど、ギターは歌を聴きながら、合わせて寄り添う感じで入れていきました。これも、よく聴くと2人のギタリストがパートを分けて弾いているのがわかると思いますよ。個犬的には、最後の方にハーモニクスのアーミングから入ってくるワウワウ踏みながら弾いたソロがお気に入りです(笑)この曲では、ひとつのパートを弾いたら、被らないように全く違う感じで重ねていく方法で録音していきました。だから、だんだんとギターがハーモニーになりながら次々出てくるように聞こえてきませんか?ジャムセッションする感覚ですね。ヴォーカルとコーラスも入ってきて、moogのシンセリードにも絡みあうギターというのは、あまりやってるヒトいないんじゃないかなぁ。


アルバムを聴くのが楽しくなるような、機材解説ありがとうございました!!
では、次回はヴォーカル編でお願いします!!

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