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【歌詞解釈】 Righteous - Juice WRLD

昨日、「今日の一曲」で紹介した、Juice WRLDが亡くなった後、メインアーティストとして出したシングルです。

Juiceが亡くなった後だからこそ、いろいろ感じることの多い曲になっていると思います。

Chorus

まずは、コーラスから入ります。

All white Gucci suit, I'm feeling righteous, yeah
I know that the truth is hard to digest, yeah
Five or six pills in my right hand, yeah
Codeine runneth over on my nightstand
Takin' medicine to fix all of the damage
My anxiety the size of a planet (Yeah, ooh)
Holes in my skull, over time
My heart's over ice (Woah)

日本語訳

全身白のグッチのスーツ、正義を感じる
真実を消化することは難しいことはわかってる
右手に錠剤が5、6個
ナイトスタンドにコデインが流れる
壊れたものを全て直すために薬を飲む
惑星ぐらいに大きい私の不安
頭蓋骨には穴、時が立つにつれて
凍てつく心

大半は薬物に依存している様子を語っています。

コデイン:咳止めに用いられる薬で、これをSpriteなどに混ぜて飲む「お手軽な」薬物"Lean"が2010年代の若者ラッパーに流行りました。
Ice:隠語として、高級ジュエリーや薬物の意味もあります。歌詞の感じでは、意図的に恋愛と薬物のダブルミーニングを作ったと思われます。
聖書のイメージ:Righteousという言葉が、道徳的に正しいという意味であることや、旧英語に使われた"runneth"も、聖書のルーツからと思われます。

Verse 1

Over ice, I'm freezing
Beautiful eyes, deceiving
We may die this evening
Coughing, wheezing, bleeding
High, I'm an anxious soul
Blood moons are my eyes, stay low
Red and black, they glow
Under attack, in my soul
When it's my time, I'll know
Never seen a hell so cold
Yeah, we'll make it out, I'll know
We'll run right through the flames, let's go (Go)

日本語訳

氷の上で凍えている
綺麗な眼は欺く
僕らは今夜死ぬかもしれない
咳、息切れ、血を流し
ハイな私は不安な精神
月蝕は私の眼、低いままで
赤と黒に光る
攻撃下にある、魂の中で
時間が来たら、私にはわかる
こんなに寒そうな地獄は見たことない
脱出できるさ、わかってる
炎の中を通って走ろう、行こう

ここでは、自分の健康・精神状態と薬物の関係が続きます。

Ice:ここでもスラングとのダブルミーニングだと考えられます。
聖書関連:地獄の描写は、キリスト教との結びつきが強い、スピリチュアルな歌詞です。
High:薬物のハイと挨拶のHiの使われ方ですね。文脈的にはHiが合いますが、字面上はHighなので、聞いたときと読んだときでの違いが出ます。

この後、Chorusを挟み、Verse 2へ。

Verse 2

I'm in too deep
Can't swim like me
We're drowning, so I will see
My demons ten feet, under me
Inhale, exhale, but I can't breathe
Too busy drinking codeine doin' high speeds
Crash, pour a four, sip it slow, make the time pass
Take a pill for the thrill, have a relapse
Devil in my head tryna run gym laps
I ain't tryna race, he don't even know me like that

日本語訳

深いところまできた
私みたいには泳げないでしょ
溺れている、だから私は見るだろう
10フィート下にいる悪魔たちを
吸って、吐いて、でも呼吸ができない
コデイン飲んでスピード出して忙しいんだよ
ぶつけて、4オンス注いで、ゆっくり飲んで、時間を潰す
スリルのために1錠、中毒再発
頭の中の悪魔がジムで走っている
競争なんかしてない、そのように私を知ってもいない

ここでは、薬物依存により繰り返し摂取をしてしまう様子が描かれていますね。比喩を多く用いた一節です。

Pour a four:4オンスのコデインを入れて"lean"を作ること。
薬物と車:コデインは眠気など、思考が遅れる傾向にあります。その反面、車でスピードを出すことで、対比を鮮明にしているとみられます。

この後、Chorusをもう一度入れて、曲は終わります。

薬物依存と自分の健康のジレンマを残したJuice。その薬物が原因で他界したことはなんとも皮肉で心が痛いことか。まるで、彼が今を知って出した曲なのでないか、と思わされる一曲です。ぜひ、聞いてみてください。

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