見出し画像

合気道の合宿に行った時の話【だいさんわ】

前回の話↓

練習が終わる頃には、体も熱くなり、汗もかいていたのだが、その状態で道場を出るとものすごい寒さが襲ってきた。

体の表面の汗が一瞬にして冷やされたので、頭からつま先まで衝撃の稲妻が走ったようだった。(byCHEHON)
※元ネタ

みどりにはならないが、さしずめ唇は紫にはなっていたと思う。

音速で部屋に戻り、着替えとタオルを持って風呂に直行した。

みんな考えていることは同じのようで、狭い大浴場に大人が一気に押し寄せてきた。

体を洗い、湯に浸かると、極楽かと思うレベルで体が癒されたので、そのまま昇天して本物の極楽に逝ってしまうところだった。

この世に魂を戻しつつ温まっていると、隣にはじめましてのおじさんが座ってきた。

どこの道場なのか、どこから来たのかなど色々話し、そろそろのぼせて昇天しそうになったので、風呂を上がり、髪の毛を乾かしていると、別のおじさんが同じことを聞いてきたのでまた色々話した。

浴場を出て、部屋に戻り、晩ご飯の時間が近くなってきたので食堂に向かい、晩御飯を出す手伝いをした。

段級位ならば中の上くらいだが、年齢で言えば1番下っ端なので、雑用その他をするのは必然だ。

手伝いは苦痛ではないが、これからみんな酒飲んでダル絡みを始めるな、、、と思い、さっさと食べて部屋に戻るのが吉と判断し、影も薄くすることを決めた。

段々と人が食事場所に集まり、最後に先生達が来た。

全員が席についたのを確認して、先生が
「初日お疲れ様でした。いただきます。」
と言ってみんな晩御飯を食べようとしたその時!!!


「おーいkoo!!こっちこーい!」


なんでだよ。

先生達の席に呼ばれ、他道場の先生に挨拶し、どうしたのかと思っていると、先生が周りの先生や高段者の人に俺のことを適当に紹介し始めた。

クソ恥ずかしい状況で、なんで今するかなぁ!!!と思って先生の顔を見ると、顔がすでに赤くなっていた。

そう。酒を飲んでいたのである。

酒が回るの早すぎだろ!今飯食い始めただろ!いやてか俺にも飯食わせてよ!!

と言いたいことはたくさんあったが、なんとかこらえて適当に相槌をしたり、自分の話をして、酔っ払い達の猛攻をなんとか食い止め、自分の席に戻った。

同じ道場の先輩が、

「大変だったね笑笑」

と言っていたが、その人もすでに顔が赤かった。

これ以上この場にいると俺も酒を飲まされそうだったので、急いで晩飯を食い、自分の部屋に引っ込んだ。

食べ終わったのが8時くらいだったので、やることもなく、道場に行って軽い運動をしたり、スマホで時間を潰していたのだが、10時になっても誰も帰ってこないので、結構やってんな。と思いつつ食堂に行くと、先生が持ってきた日本酒を〝今から〟開けるとこだった。

その様子を一瞬見て、部屋に帰ろうとしたら、酔っ払った他の道場の人たちが、「君も飲みにきたの〜?笑」
などとふざけたことを抜かしてきたので、
「いやぁ、飲んじゃだめっすよ〜笑笑」
と返したら、
「え〜少しくらい大丈夫だよ〜笑」
と言ってきて、酔っ払い相手にしてても埒が開かないと思い、一緒に置いてあったコーラを開けて、一杯だけ一緒に飲んだ。

明日二日酔いで全員死ぬのは目に見えていたので、高校生くらいのおとなしい人がいないか探したら、すでに部屋に戻っているようだった。

正しい判断である。

しかもまだ未開封の日本酒が2本ほどあったので、これは日付を回るだろうなと確信し、再び部屋に戻って時間を潰した。

なんせ布団も敷いていないクソ狭い部屋で俺1人で先に寝るなどできないのである。荷物もごっちゃだし。

せめて俺の部屋の人は早く帰ってくることを祈りながら、自分の明日の用意をすませ、ネットサーフィンにいそしんだ。

暇すぎてインスタライブを11時ごろに始め、みにきてくれた友達に今の状況を説明したら爆笑していた。

一時をまわってやっと同じ部屋のメンバーが帰ってきた。
全員赤ら顔でさながら茹で蛸のようだ。

呂律もかなり怪しかったが、眠気で今にも沈没しそうな俺は、明日の朝練が早いことと早く布団に入らないと風邪を引くと伝え、みんなでさっさと布団を敷いた。

布団が天国すぎて本日2回めの昇天を経験した。


最終日の話はまた次で。
では。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?