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何年たっても変わらない彼女

平成最後の三日間、ずっと私と過ごした
10年目の付き合いの彼女

10年目の付き合いのくせに、私の名前を漢字で書けず、誕生日すら覚えていない中学以来の友人(この後から彼女と書く)がわざわざウチに遊びにきた。

LINEで予定を立てている時から彼女は持前のマイペースを発揮して、「〇〇に行きたい、でもこっちも行ってみたい、さのゆとなら〇〇にも行きたいし…」と二泊三日では到底無理だろうという量の観光地を上げてきた。彼女がワクワクしているのは文面から伺えた。し、ほぼ月一くらいでしか連絡を取ってなかった彼女が1週間くらいマメに私に連絡をくれていたことから、本当に楽しみなことがわかった。

彼女とはお泊り2日目に湯布院に行った。申し訳ないくらいに雨が降った。そう、私は生粋の雨女なのだ。私のせいではなくても雨が降ると憂鬱になるが彼女は「相変わらずの雨女っぷりだな(笑)」といつも通り笑い飛ばしてくれていた。

湯布院バーガーを食べ、金賞コロッケを食べ、インスタ映えるクッキー屋さんに行って、猫カフェにより、スヌーピーカフェの雑貨を見て、団子を買ってタピオカを飲んだ。雨の割には楽しかった、むしろ雨のおかげで客足も少なく有意義に過ごせていた。

家に帰ってふと彼女に、「今日はどこが楽しかった?」と聞くと「帰りのバス!」と返ってきた。実に彼女らしい回答だと思った。メインは湯布院だったはずなのに。それと同時に嬉しくもあった、僭越ながら私とならどこでも楽しいということか。と。

前から彼女は小悪魔ばりに私を喜ばせるのが上手い。まぁ、小悪魔だと思うほどだから喜ばされているのは私だけではないのであろう。すでに彼女が行ったことのある場所でも「えぇ、でもさのゆと行ったら絶対楽しい〜」とか何か相談事に乗れば「さのゆはうちのことわかってる」とか。絆されてはならないのだが、口角は意図せず上がる。きっと、みんなにかけているのは……わかっている……傷ついてなど、いない。

だからきっと彼女の大遅刻も、結構大事なものを忘れる癖も、物をすぐなくすところも、私は許してしまうのだ。許して、しまうのだ。

彼女は変わらない。良い意味で変わらない。今も昔も彼女は彼女のペースで生きている感じが強い。時に周りに流され、時に自分に自信がなくなる瞬間だってあるようだが、気持ちが落ち着くと「なんてことなかったな!」なんて言って笑うのが彼女なのだ。その笑い声と、吹っ切れた笑顔が私の目にはいつも眩しくに映っていた。きっとこれからも彼女は変わらない。

#思い出
#湯布院
#ゴールデンウイーク
#10年

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