本好きこそ本当は知りたい、「本の読み方」

学生時代には誰でも、教師の手ほどきで難解な本に取り組むものである。だが、自分の読みたいものを読むときや、学校を出てから教養を身につけようとすれば、頼るものは教師のいない本だけである、だからこそ、一生の間にずっと学びつづけ、「発見」しつづけるには、いかにして書物を最良の師とするか、それを心得ることが大切なのである。この本は、何よりもまず、そのために書かれたものである、
(M.J. アドラー / C.V. ドーレン)

朗報です。

読書が好きな方でも「読書の方法」そのものを教わったり、学ぶ機会はなかったり。
先日、本の読み方を変えるきっかけとなった本と出会いました。
そんな名著『本を読む本』をサクッと要約したので、こんな方ご一読をオススメします。
そしてあわよくばこの要約が、自分とみなさんの読書生活の糧となることを祈ります。

こんな方が読むとよいかも
- 読書でのインプットが好き
- 本をなるべく早く読みたい
- 本をじっくり読み分析したい
- 本を論理的に批評したい
- ひとつのトピックを深めるとき複数の本から学びを得たい


0. 本の読み方とは

読書すること、つまり文章を通して何かを理解していく営みには4つのステップがある。各ステップごとに読者への読書への要求は高くなっていく。(今回の場合、ジャンルは文学というよりも教養本にフォーカスを当てる)

step1. 初級読書
シンプルに文章の意味がわかるということ。つまり、
幼い子は「わたしはりんごがすきです」という文章が、黒い線の繋がりにしか見えない。でもいずれ成長すると文字や、文章の意味を把握できるようになる。

step2. 点検読書
「系統立てて、拾い読みする技術」であり、一定時間内に「その本は何について書かれているか」を理解することが求められる。
具体的には「この本はどのように構成されているか」「どのような部分に分られるか」「それはどういう種類の本か、ー小説か、歴史か、科学論文か」を理解すること。

step3. 分析読書
時間に制約がない場合の最も優れた完璧な読み方
本の内容に関し、系統立てていくつもの質問をすることで、浅い理解から深い理解へ、本の内容を自分の血肉となるまで読み進めること。

Step4. シントピカル読書
比較読書法。一冊だけではなく、一つの主題について何冊もの本を相互に関連づけて読むこと。
「それらの本にはっきりとは書かれていない」主題を、自分で発見し、分析することができるようになる。


1. 初級読書

最もシンプルな読書法なので割愛するが、我々の文字を読む行為そのものである。

初級読書の4ステップ(幼児〜大人に至るまで)
1-1. 文字を文字と認識し読める状態
1-2. 単語を覚えている状態
1-3. 用語と文脈の習得している状態
1-4.  未熟にしろ大抵の本は読めるようになっている状態
(高校課程までに必要な読書力を指す)


2. 点検読書

一定時間内に「その本は何について書かれているか」を構造的に、素早く理解することが求められる、点検読書の読み方は2つのタイプに分かれている

2-A. 組織的な拾い読み、または下読み
どんな本か、筆者の主張していることを大まかにつかむ方法
その具体的な読み方は以下のステップ、

①表題や序文を見ること
②本の構造を知るために目次を調べる
③索引を調べる(重要単語や参考文献のチェック)
④カバーに書いてあるうたい文句を読む(宣伝部の)
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(やってもやらなくても良い)
⑤議論の要と思われる章をよく見ること
⑥所々拾い読みしてみる

2-B. 表面読み
「難解な本に出会った際は半分も理解できなくてもとにかく通読することを目指す」

・速読力:目を文章に固定せず流れるように読む技術
・没頭、積極性:読書への集中を高めること
(具体策、指を文章に添わせ目の動きよりも速く動かすことで、速読力と積極性の二つが身に付く)

この広い読みと表面読みの2つを合わせて習得することが求められる。


3-1. 分析読書

より深い理解、そして批評をするに至る読書法。
行うまでのステップを簡単に紹介します。

分析読書の第一段階(テーマの理解)
第1の法則:今読んでいる本のジャンルを特定
第2の法則:その本全体の統一を、二、三行かで表すこと
第3の法則:本の主要部を、それぞれ全体と関連づけて示す(構造化)
第4の法則:著者の問題としている点は何であるかを知る

分析読書の第二段階(内容の解釈)
第5の法則:重要な単語を見つけ出し、それを手がかりに筆者のニュアンスを汲み取ること
第6の法則:重要な文を見つけ著者の主要な命題を把握する
第7の法則:筆者の論証を、いくつかの文から抜き出し組み立てる
第8の法則:著者が解決した問題と、解決していない問題を見極める

分析読書の第三段階(著者が伝達し切れているかの確認、あるいは批評)
(A)知的なエチケット
第9の法則:「概略」と「解釈」をしないうちは批評しない
第10の法則:喧嘩腰の反論はしない
第11の法則:批評を下す際は、十分な根拠をあげ、知識と単なる個人的な意見を、はっきりと区別する
(B)批判に関して特に注意すべき事項
第12の法則:著者が知識不足である点を明らかにすること
第13の法則:著者の知識に誤りがある点を、明らかにすること
第14の法則:著者が論理性に欠ける点を、明らかにすること
第15の法則:著者の分析や説明が不完全である点を、明らかにすること


3-2. 文学の読み方

文学を、教養本と同じフローで読む方法についても書かれていました。
文学を読む上でのタブーは2つあります。

- 「フィクションは主として想像力に訴えるもの、そのため受動的に読み、拒絶してはいけないということ」
- 「文学の中に、名辞、命題、論証を求めてはならないということ」

この二つを抑えながら、文学を解釈するのであれば分析読書と同じように以下のようなフローとなります。

文学の分析の方法
1. 物語のプロットの統一性から、テーマや主題を割り出す
2. 作品内でそのテーマが、登場人物や事件によってどのように述べられているか、示されているかを繫げる
3. この作品は、部分的に、全体的に真実か。つまり読者の知性や感情をきちんと満足させているかを考察する
4. 作品の意義を振り返る


4. シントピカル読書

シントピカル読書とは、一つの主題(例えば「愛」や「進化」「社会」等々)について何冊もの本を相互に関連づけて読むことを指します。またその語源「シントピコン」は『西欧名著全集』の項目別索引に由来するそうです。
そんな読書法のフローはこちらになります。

シントピカル読書の準備作業
1. 主題に関する文献表を、図書館の目録、他人の助言、書物の文献一覧表を参考に作成する
2. 文献表を全部点検して、どれが主題に密接な関連をもつかを調べ、まら主題の観念を明確につかむ

シントピカル読書
第1段階:準備作業で関連書とした書物を点検し、最も関連の深い箇所を発見する
第2段階:主題について、特定の著者に偏らない用語の使いかたを決め、著者に折り合いをつける(筆者ごとの言葉の使い方、多義性を理解し、一つに収束させる)
第3段階:一連の質問から、どの著者にも偏らない命題を立てる。
第4段階:質問や、命題に対する著者の答えを整理して、論点を明確にする
第5段階:質問と論点を整理し、論考を分析する。



おわりに

おそらく文字読書をすることとは一生付き合っていくと思っています。
今回のnoteが「本を読む」という行為を振り返り、より良いものとする機会を読書家のみなさまに提供できていたら幸いです。

積極的な読書は、それ自体価値なるものであり、それが仕事の上成功に繋がることもあるだろう。しかしそれだけのものではない。優れた読書とは、われわれを励まし、どこまでも成長させてくれるものなのである。
(M.J. アドラー / C.V. ドーレン)

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