岩手県北上市にできる東芝メモリの新工場を外から見てきた

筆者の実家は岩手県の北上市というところで、先日ちょっと実家に帰った際に東芝メモリの新工場をちょっと外から見てきました。

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新工場がある北上工業団地は高台にあり、新工場を見通せるような場所は無かったので微妙な写真しか撮れませんでしたが。
工場は2019年の秋には完成するとのことで、建物自体はほとんどできているようでした。

岩手県北上市について

・岩手県南西部にある市
・人口 92,539人(2019年7月末)
・岩手県は人口の減少が続いているが、それに比べると人口の減少率は大分低い
・市内に複数の工業団地がある。製品組み立ての工場と関連企業が多い。
・岩手県内では2番目の規模の工業団地
・工業団地にはジャパンセミコンダクター(旧・岩手東芝エレクトロニクス)、スリーエム、シチズンなどの工場がある
・隣接する金ケ崎町にあるのが岩手県内最大の工業団地。こちらはトヨタ自動車東日本岩手工場とデンソー岩手がある。

東芝メモリの新工場について

・NANDフラッシュを生産する世界戦略工場
・2017年9月に東芝は四日市工場に続く工場を北上市に定めると発表
・新工場の投資額は生産機械を含めて1兆円規模とされる
・2018年7月竣工、2019年秋完成。2020年本格稼働。
・新工場は、ジャパンセミコンダクター(旧・岩手東芝エレクトロニクス)の工場の北側に隣接した場所

東芝メモリの新工場が決まってから、どんな感じだったか

東芝メモリの新工場の建設が決まり、どんな感じだったかの話をいくつか聞けたので箇条書きにしていきます。東芝メモリの直接的または間接的な関係者から聞いた話ではありません。

・北上工業団地には、1973年から岩手東芝エレクトロニクス(現・ジャパンセミコンダクター)がありLSI等の半導体を製造していた。現在でもシステムLSIを製造している。
・なので、以前から北上市と東芝の半導体関連会社とは関係がある
・東芝がフラッシュメモリの量産を開始したのは岩手東芝エレクトロニクスの北上工場
・工場の建設で関係の雇用が1000人とか2000人とか規模らしい
・工場建設にあたり、新工場の場所にあった他社の工場を取り壊したみたい。多分半導体関連の関連会社の工場だったみたいです。
・この工場のために新たに浄水施設と下水施設が作られたらしい。とはいえ、半導体の生産には綺麗な水が大量に必要なので、工場作るときはそんなものらしいですが。
・北上工業団地は北上川沿いにあるので水量は豊富
・工場から車で10分〜20分くらいの北上市内に真新しいアパートがいっぱい建ってた
・アパートが北上市内だけでは足りず、隣接する花巻市にも新しいアパートが建ってきている
・工場関係の建設やアパート等の建設で、建築関係はかなり忙しいみたい
・私の親戚が自宅を建て替えするのですが、このあおりを食らって完成が大分先になるみたい。職人さんが捕まらないんでしょう。
・岩手東芝エレクトロニクスに就職しても三重県の津市にある工場に出向した人とかも大分いるみたい
・逆に新工場ができることで、今度は三重から人が出向してくるみたい
・北上市内の高卒会社員の一般的な年収って200〜300万円代だと思うのですが、どうも東芝メモリの提示するモデルケース年収は500万円代らしい
・中小企業で働いている200〜300万円の年収の人たちが、東芝メモリに年収500万円くらいでどんどん転職しているっぽい。これは複数箇所からの情報。
・なので普通の会社が募集しても全然人が集まらないらしい
・大卒の新人は想定ほどは集まってないみたい
・そもそも市内だけでなくこのあたり一帯に理系大卒の仕事がない地域だから、就職のために人が戻ってくるような土地では無いんですよね…
・この地域の人は、高度経済成長期に企業の工場が進出してきて産業ができたと思ったら、不景気とかで撤退していったりしていったみたいなのを見てきているので、今回の東芝メモリの工場建設についても人によってはずいぶんドライだったりする
・進出してた工場が撤退していったあたりは、リストラや国内の別の工場への出向、工場から畑違いの系列子会社への配置転換など、いろいろあったみたい