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診断士2次受験生へ:試験への向き合い方が変わった話

こんにちは、かやんぬ(@kaya_uni)です。

いよいよ中小企業診断士の2次試験まで残り2日となりましたね。不安な気持ち、時間が足りなくて焦る気持ち、早く受け終わってスッキリしたいと思う気持ち、いろんな気持ちを抱えていらっしゃると思います。

いまさらですが、今日は、診断士2次試験を受験される方に伝えたい、試験への向き合い方が変わった話をお届けします。

以下で紹介する話は、どれも私が2次試験前に出会った話で、私の試験への向き合い方を変えてくれた話です。

2次試験は、堪能すべき日本の叡智の結集である

あなたは1つの絵画の前に何分立っていられますか?

絵に詳しくない人だと数分が限界ですよね。

あなたが2次試験の勉強を始めた時のことを思い出してください。何を書いたら良いかわからず、解答用紙に何も書けずに80分を長く感じ、時間が余ったはずです。

でも今日まで必死に勉強してきた方は、今は「時間が足りない」と思うし、「何を軸に切ったらいいのか?」「問われていることの本質は何か?」「どっちを書いたら正解なのか?」を考えて正解に近い解答を導き出そうとできるようになっていますよね。

それは、2次試験を楽しめるようになっている証拠です。

診断士の2次試験は、経営に関する日本の最高の叡智が集まって作られた問題です。国家資格ですからね!

予備校の講師をされていた先生でさえ、

どれだけ予備校の先生が頑張って作っても、やっぱり本試験には敵わない

と言われていたほど、本試験とは、経営に関する日本最高峰の叡智が結集した素晴らしい"作品"です。

絵画もいかに素晴らしい作品であっても、ピカソの絵がいかに素晴らしいと言われても、なんの知識も背景もなしにその作品を見ても、「どこがすごいのかわからん……」となりますよね。

素人は世界一級品の作品でさえ、「なんとなく」しか楽しむことができないんです。

でも、素晴らしい絵画に出会って、その背景がどんな風でどんな技術が使われているのか、なぜ素晴らしいのか、などがわかれば絵画の深さをより楽しむことができるようになります。

同様に、ここまで必死で勉強してきた方は、この日本の叡智と本気で向き合い堪能することができる境地に立っているということです。

「なんか全然わからんけど、何書いたらいいんかわからんしめっちゃむずい……」という漠然とした難しさを感じていたあの頃とか違う難しさを感じているはずです。

それが、試験=経営に関する日本最高峰の叡智を楽しめる状態にいるということです。正直言って、今の私は試験に挑むという意味では昨年ほどの準備ができていないので、今年受けたとしても試験をそこまで楽しめれないと思います。

かけた時間分、受かりたいと願った想いの分、試験を最高に楽しめる状態の自分になっていることを覚えておいてください。

※この話は、尊敬する診断士の大先輩、ほらっち先生が言われていた話だったと記憶していますが、私の誇大解釈が多分に入っています。また、記憶からざっくり文章にしているのでご迷惑がかからないといいなと思いつつ、敬意を評してお名前を出させていただいています。

問題作成者は受験生と対話がしたいのである

中小企業診断士の2次試験は、約2割しか合格しない試験です。逆に言うと、約8割が落ちるのです。

1次試験で7科目という難関をクリアした人のうち、さらに2割しか合格しないので、「落とすために作られている試験で、選ばれしごくわずかな2割しか受からない試験」とも考えられます。

私もそう思って戦々恐々としていたのですが、ドラゴン桜で紹介されていた話を読んで試験への向き合い方が変わりました。

※うろ覚えなので引用にはなってませんが、こんな感じ↓

***

東大の問題の作成者は、受験生に「落ちてほしい」と思って作っているわけではない。

その時々の時代にあった問題を作成して、受験生に「君ならこの問題に対してどう考える?」とワクワクしながら問うているんだ。

だから、つまらない回答を書かれるととても悲しい気持ちになる。

受験生が自分が持っている知識や思考で、問題作成者の意図を汲んだ回答を作って対話してくれることを楽しみにしている

試験というのは、落とすためのものではなくて、問題作成者と受験生との知識や考え方の対話なんだよ。

***

診断士になってからこそ言えることですが、1次試験、2次試験を通して、無駄な勉強は本当に1つもなかったと思います。

むしろ、2次試験をあれだけ頑張ったからこそ、今目の前にある課題や仕事に向き合っていける自信がついているとも思います。

本試験の事例企業にはモデル企業が実在する

目の前に置かれたのは紙数枚の試験用紙だけれど、現実に同じような内容で悩まれている企業さんや社長さんは大勢いらっしゃいます。

受験生が向き合っているのは本試験という「中小企業診断士」という称号を手に入れるための試験ではなくて、実在する1つ1つの企業の社長さんの悩みである

ともよく言われます。

診断士の2次試験は、決して「合否を決めるための紙の試験」ではなく、本当に困っている中小企業の社長さんに的確な提案ができる人材であるかを判断するために、紙というツールを使って対話する試験です。

もちろん、国家試験なので奇抜な答えを求めているわけでもないし、基本に忠実にいることも大切です。

そのうえで、問題作成者がどんな気持ちで試験を作っているのかを知ると、少し、試験に人間性や現実味を感じてもらえて、温かい気持ちで受けに行ってもらえるのでは?と思い、書きました。

受験生にとって、なかなかそんな風に見ることが難しいのは承知していますが、それでも、本試験で出る事例企業は実際にモデル企業が存在するように、日本の中小企業は困っている所がたくさんあります。

だからこそ、紙の上だけの試験だけだとは思わずに、1事例1事例=1社1社、本気で向き合ってきてください。

応援しています。

2022年10月27日
中小企業診断士 栢原 陽子

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