はじまり

自粛生活1日目

ふつうに寝てた
訳でもなく、ぐうたらを防ぐために布団を干した。
すきな くまたちも共に。
いつもの居場所を自ら奪ったので、ここに暮らしてから初のドアを熱心にふく。(そうじ)
わりと汚い。ひく。
あと冷蔵庫の中のキャベツとにんじんと水菜の占める量にも簡単にひく。自分で決定したことの結果やのに。

自粛生活について、職場のひとと"金髪に染めよう"とか"お菓子をたべまくろう"などと充実しただらだら家ライフを描いていたものの、いざ現実的になると、つまらん。
引きこもり傾向にある生活のわたしだからこそ気づくのか、外が静か。
鳥と吠える犬を叱る声がクリアに聞こえてしまう。

テレビからは気が沈むようなニュースと街あるきのコーナーが交互に流され、躁鬱なんか!と言いたくなる。
いま"感染しました"と言われるひとたちは、まだ自粛の効果前であるし、ていうか自粛自体まだ始まって半日も経ってないのに遠くまで来てしまった感じがある。

お友だちがTwitterでメッセージくれた。
わたしはいつも、もじもじしてしまってメッセージひとつ送れない。
ほんとうは、とじくじくと思っていたことを言う。
"もしも罹患したら、遊んでいたからだとか自己管理がとか責め立てられるから、いやな数ヵ月でした"という雰囲気のこと。
楽しいことは予告されていたのに、それにはたくさんのひとが来てしまうし(そのために予告するんやから)罹患する確率があがり、日々を過ごすこわさが大きくなってしまう。

そのお友だちとは、落ちついたら楽しく過ごしまくるぞ!と約束した。そんな簡単に、わたしたちの関係は破綻しない。

うちの本社の人たちは"リモート"でお仕事をしていて、やれ"メンション"とか、よくも分からんことを言っている。
きのうまでは、あぁわたしの気に入ったひとが働いている感じをつかめるの最高(はーと)くらいにしか思ってなかったけど、たぶんいま"わくわくを準備してくれてる"はずやのだ。
ひとの生活を彩るようなものを作っているはずで、それをわたしは待っている。

うちの会社のみならず他のところのひとたちだってそうなはずで、くまとわくわくしながら4階の角部屋で待っている。