はじめに

「コミュニケーションがうまい人」と聞いて, 頭に浮かぶのはどんな人ですか？

その人は, あなたが「コミュニケーション」をどのようなものと捉えているかを表しているかもしれません.
ここでは, コミュニケーションについて改めて考えることで, より効果的なコミュニケーションを実現するためのヒントを探求しましょう.

コミュニケーションとは伝えること？

社会で生きる限り, コミュニケーションをまったく取らずに生活することは困難です. そのため, コミュニケーションに対する人々の関心は高く, コミュニケーション能力の向上を謳った書籍があふれています. そして, それらの多くは, いかにうまく「伝える」かに主眼を置いているものが多いようです.

コミュニケーションの語源は, ラテン語のcommunisと言われています. この「communis」には,「共通の」「共有する」「分かち合う」といった意味があるようです. また, 「コミュニケーション」という言葉を検索すると, 「人間が互いに意思・感情・思考を伝達し合うこと」とあります. 
「伝える」というと, 一方向だけの矢印が頭に浮かびますが,「交流」や「伝達し合う」という表現からは, 矢印が双方向に向き合っているイメージが頭に浮かびます.
つまり, コミュニケーションとは,「伝える」という以上に, 何かを「共有」すると言ってもいいかもしれません.

コミュニケーションの目的

上述からお分かりのように, コミュニケーションの目的は

・自分の考えを相手に伝えること
・自分の考えを共有して,思い通りに相手を動かすこと

であることが分かります.

ビジネスの場面でもおなじです. ビジネスの場面では, 利害が相反する相手や初対面の相手に対してコミュニケーションを行うわけですから.

・自分の考えを分かりやすく相手に伝えて, 納得してもらうこと
・自分の考えを共有して, 思い通りに相手に動いてもらって, 物事を先に進め, より早く確実に成果につなげること

ということになるでしょう.

おわり

さて, ここまで「コミュニケーションとは何か」について考えてきましたが, いかがだったでしょう.

「コミュニケーション」とは, 共に目的地に向かうことであり, 共有することであり, 「キャッチボール」である.

このことを意識するだけでも, おそらく選ぶ言葉や声の大きさ, 声のトーン, 会話のタイミングや間が変わってくるはずです.