ガルラジ合同あとがきのあとがき

Q:何でこんな蛇足を?
A:和月伸宏を読んで育った子供が創作を始めてライナーノーツを書かないと思いますか?いやない(反語表現)

Q:多宇部さんも自作について語るのは野暮と言っておられましたが
A:原作者と正面から対決する羽目になったし徹底的にやります

はじめに

 という事でこの記事が公開されてる頃、ガルラジ合同が頒布されて2020年もガルラジ!一生ガールズ・ラジオ・デイズします!と皆さんなっている頃でしょう(これを書いているのは合同締め切り前です)
  僕がnoteに初めて投稿した怪文書とコンセプトは同じで今この時思っている感情を可視化しておきたいなというやつです。ネタバレしかないのでお気をつけください。まだ読んでない、ネタバレが嫌だとかなら今戻りましょう








 流石にここまでスペース空けたし始めますね!?

経緯

 皆さんにお読みいただいたであろうテキスト「電波は届くよどこまでも」ですが当初合同にお出ししようと考えてたのは手取川と吉田さんがバチバチに最終決戦をする話でした。自身を手取川の未来にとっての重荷と感じいなくなろうとする吉田を高3になって少し成長した手取川がバイクで追いかけて金沢駅で対峙する話です。本編冒頭の手取川パートにその名残がありますね。でもどれだけ頭の中で格闘しても吉田文音はtender(動詞)してしまうんですよ。ドアの閉まる音で世界が二つに割れてしまうので祈りもクソも無いので諦めました。僕が吉田さんに対してキレ散らかしてるのはそこに起因しています。合同発売後の僕へ、勝てましたか?
 そんな中、TLでとあるアニメの話題を何度か耳にする事がありました。

宇宙よりも遠い場所( http://yorimoi.com )です。

 僕のリアルの友人が前にどハマりして怪文書( https://note.com/dobostorta/n/nc69ac73d22de )を書いていて気にはなっていたのですがどうも村人の履修率は高いしちゃんと見ようと思い試聴を始めたら時間がゴミのように消えていきました。自身の亡霊のような感情にケリをつけなければ未来へ進めない。報瀬は怖気付いてた僕のケツを蹴っ飛ばしてくれました。めぐっちゃんは何もない人間が後追いで進んでも良いという姿を見せてくれました。それと一番大事なのはキマリのアレです。
「淀んだ水が溜まっている。それが一気に流れていくのが好きだった。決壊し、解放され、走り出す。淀みの中で蓄えた力が爆発して、全てが…動き出す!」

 2ndシーズンの二兎春花じゃん…と

 そこからはマッハでした。二兎を南極に行かせよう。でも2-6から南極までってそんな平坦ではなかろう。じゃあ10年すっ飛ばそう!10年後の設定.txtを作ろう!何をしているだろうか。夢は叶ったのかな?それとも長い坂を苦労して登っているんだろうか。どうせなら10年後の祭だ全員出そう!そんなこんなでこのお話の骨格はできました。主催にどんなものを投稿するか報告してねと言われてたのでまあ他の人には見られないだろうと思って「二兎春花が南極でラジオをする話です」って言ったらこんなのが集まってますってスプレッドシート画像に思いっきり載ってて村人に驚かれて知らん顔で口笛を吹くのに必死でした。

冒頭から

 オカジョの3人がせーので上陸するくだりはよりもいの見過ぎです。あのシーンの青春っぽさ好きなんですよ。オカジョ3人娘10年経ってアラサーになっちゃいましたけど心はいつまでも青春でいてほしいしやらせても良いじゃないですか。
 年魚市すずがやってるラジオ番組のタイトル、実はここが当原稿の最大の難産ポイントでした。決闘相手である小島優氏とサシ呑みをした時に恥を忍んで「何か良い案ない?」と聞いたくらいです。「『年魚市すずの塩焼き』あゆだから」みたいな返答を貰った気がしたのですがしっくり来ないなあ…と思いつつもじゃあすずの部分から考えてみようと思ってできたのがあのタイトルです。
 玉笹パート、概ね最初っから予定通りでしたが「たとえ稼ぎがあったとしても彩美は配信用の離れを建てられるのか」という部分に疑問が募り建築基準法を調べたり竜王市まで出向いて一般家庭の庭のサイズ感を調べたりしました。インターネットの回線問題とかは知らん!業者さん呼んで引いてもらえ!です。
 徳光パート、先述の通りベースとしてゼロ稿を使ったのでカタチはなんとなくできてたのですが一番悩んだのは手取川海瑠(24)って何をしてるんだろう?です。東京に出たんだろうか。憧れに裏切られたりしてないだろうか。就職してるのかな、院に行ったのかな。もしくは高卒のまま吉田の通い妻してるのかもしれない。考えだすとキリがなくなるんですよね。2ndシーズン前のあらすじとかでストリートスナップに写って喜んでるし衣服のおしゃれに拘りがあるしモデルとかしてそうだよなあ。それと同棲はしてるんだろう。が僕の結論となりました。吉田さんは一緒の家にいるだろうけど手取川の預かり知らない生き方をしてるんだろうなあ、二兎の話に乗っかって何も伝えずに南極に行って手取川のチャッカマンになってほしい!そんな感じです。

瞬間瞬間を必死に生きてる

 ここから書いては消し書いては消しが繰り返され接続の整合性が怪しいパートになります。モノローグが延々と続くと思えば会話だけになったりとかその辺ですね。

 萬歳と真維さん、Twitterで流行りの悪い話みたいにしたかった訳ではなく二兎春花という嵐について行った人間の話がしたかったんですよね。散々振り回されてきっと高校在学中の頃とは比べ物にならないくらいぶつかり合っただろうし喧嘩だってしたと思います。けどそれでも今こうやって南極にいる事を良しと思ってほしいしこれからも3人で色々やってほしい。そんな祈りです。

富士川、スレイトでも似たような事を言われましたが年魚市をハブにしたいのではなく僕は金明さんと白糸で話を回したいんですよ。これを書き出した頃は富士川イベント前なので金明さんは立派な業界人になってます。あとこれは設定上やっておきたかったけど百合のオタクに刺されそうなので本編に載せられなかった設定ですが白糸は旧姓です。このパートはオチありきでそこから逆算でやりました。

徳光痴話喧嘩。彩美の「わにわにきゅーん!はっはー!」一番好きなガルラジのフレーズなんですよ。双葉2-3は一番リピートしている回です。時間の経過で髪が伸びるのはオタク大好きですよね。プロローグの時も手取川の髪の話はやってましたし。お母さんとは似て非なるルートを通ったって事を手取川の外見描写で伝えようとしました。伝わって。
 力の限り原稿を書き続けても僕の中の吉田文音は倒せませんでした。だけどあの女は何かしらの納得を得て10年後の手取川のそばにいるんだろう。それは肯定的なものであってほしい。最後のモノローグはそんな祈りです。

御在所、Twitterでブツブツと呟いた話はだいたい放り込もうとしたんですがひとつだけ無かったことにした話があります。カグリンと花菜の話です。10年経って世界の謎を解き尽くして燃え尽き気味になったカグリンと色んなしくみやりくつが分かるようになって今が円熟みたいな花菜が話してカグリンに再び火が灯るみたいな話とそれとは別に徳ちゃんとアカリの話をしようかと思ったんですが思った以上に辛気臭いし祈りにならない雰囲気でやめた奴です。ラジオ開始からの双葉パートが無いのもそういう理由です。先ほど語った手取川のお母さんと似てるけど違う道を進んだ設定は何とか表に出しておきたいなってのがあって唐突な藤田さん登場に繋がりました。ゆきのクイズに出てきた手取川海瑠の週明けラジオは母と同じ道(週末ラジオ)ではなく、でもマンデーラジオは海瑠と吉田さんふたりのものであって欲しいという僕のエゴです。週明けの憂鬱な気持ちに寄り添った上でこれから一週間元気にがんばる力を分けてくれる。そんなラジオだったんだと思ってます。

締めのパート

「いつか星の海へだって行ってみせましょう」以前投稿したイメソンファイト記事を読んでもらった方なら分かると思いますが僕の年魚市への祈りです。「手と手繋いでこの宇宙を駆け巡りたいね」です。
「少女だった頃の延長線上の日々」にガールズ・ラジオ・デイズのルビを振る事を思いついた瞬間にガッツポーズを決めました。ルビの位置を伝える前から主催も理解してくださってて本当に感謝しています。(2/26ガノベ発売後追記、快心の一撃を叩き込んだつもりでクロスカウンター貰ってますね)
 二兎の最後の挨拶も概ね最初っから頭の中にありました。「いつもの言葉で締めたいと思います」は読み返すと普段僕がアイマスライブばっかり行ってるのが透けて見えますね。14個の鍵括弧以外で全員で一斉に喋ってるっぽいのを表現する方法があったら誰か教えてください。陳腐だとは思うんですが思いつかなかったんです
 飯を食うパート、実は当初の構想にありませんでした。最後のパートへ直行でしたが前述の話の増減に伴って出番格差みたいなのを僕が感じて急遽双葉と御在所の出番を生やしたやつです。
 双葉SA巡礼の際に竜王駅の近くに中華屋を見つけてラーメンと丼のセットで680円!というお店を見つけてそこに行かせようと思ってたんですが撮った写真を見直したらランチ限定だったので彩乃に親子丼を作ってもらいました。親子丼が嫌いなアラサー女子はいません。彩美の彩乃の2人の酒盛りはハングオーバー!な感じなのだと思ってます
 富士川と手取川、コミュニケーションダメ人間×4な訳ですがまあアンタらも10年経ってるし大人だろう。と思って穏便に酒盛りへと向かってもらいました。すずすず(酔)VSミルミル(酔)を見て大笑いする泥酔金明さんが見たいやつです。白糸は手慣れたものなので水をピッチャーで店員さんに頼んでます
 鍋。大団円といえば鍋です。古事記にもそう書かれている。花菜、良い子だから歳上を立てて鍋奉行に徹するタイプだと思うんですよね。なのでオカジョの鍋奉行こと真維さんに代わってもらいました。一言芳恩、お言葉に甘えて的なニュアンスを持つ四字熟語を知らなくてマジでググりました。
 カグラヤの向かう先はわかる人だけわかればいい奴です。わかってしまう君はSANチェックだ!
 この面子の呑みはうちの子可愛い自慢が白熱すると思うんですよ。花菜もみーちゃんのーちゃんの可愛さを必死に力説するし吉田も手取川の話をするし徳ちゃんはカグリンの話をするし萬歳と真維さんは二兎の話をする。収集がつかない。
 「人生という冒険は続く」STAR DRIVER 輝きのタクトで一番好きなフレーズです。語りたい事は語り切ってしまったけど必要になって生じた蛇足めいたパートを締めるにはどうしようと思って借りてきました。

 ラスト、ラジオしか聴いてない人はポカンとしたと思います。ガルラジのプロローグに出てきたゼーレ会議の人を出したかったんです。丸石さんや養老さんのように各チームの担当をしていた人とは別にいた初老のリーダー。彼が全ての始まりだから最後にあの子たちは自分たちの手から離れたけどもう大人だしうまくやっていくだろうという事を言わせたかったんですよ。平成ライダーは豊潤だ!的なノリ。それを以て僕の中の亡霊を成仏させたかった。これを書いた時多宇部氏の小説はそもそも存在が出ていませんでした。未来の僕へ、成仏できましたか?

最後に

 蛇足も蛇足、自己満足の塊を受け入れてくださった主催のひっかけさんには感謝してもしきれません。この場でも改めてお礼を言わせてください。
 ラジオ本編が終わってからTwitterジャック、富士川イベント、大感謝祭とたくさんの供給をしてくださり今回の原稿を以て燃え尽きて灰になろうとかと思っていた僕もそんなヌルい事言ってられねえ!と活力がもりもり湧いてきてます。NEXCO中日本の皆様、ドワンゴの皆様、それとキャラに命を吹き込んでくださったイラストレータさんや声のキャスト、シナリオを書いてくださった皆様、あと僕をこの村へ誘ってくれた小島優氏、我が友こと巣鴨の童帝くろね子。本当にありがとうございます。今なら胸を張って言えます。2020年もガルラジ!一生ガールズ・ラジオ・デイズします!

2020/02/23 夜 けいせん

3/15追記
この物語のテーマソングが今更やってきました。劇場版SHIROBAKOのED 「星をあつめて」です。お話自体も遥かな未来への果てなき祈りなので見れる機会があったら見てください。僕の拙い言葉より映像と台詞でとてもわかりやすく僕の言いたい事を言ってくれてる話なので。水島監督ありがとうございます…

さらに追記
今回のコミケはなくなってしまいましたがそれでも何かしらの形でガルラジの物理書籍をお求めしてくださった皆さん本当にありがとうございます。皆さんのご期待に添えたでしょうか。さらにこんな辺境まで駄文を読みに来てくださって本当に感謝しかありません。
最後に、どうか彼女達のこれからの日々が幸せに満ちたものであり続けられますように

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