【海外ポーカー】レーキとプロの活動領域
急増する日本のポーカープレイヤーの助けとなるべく、情報提供します。こちらに依拠して何か起きても、一切の責任は負いかねますので、ご参考程度に。
コロナ後、私自身、あちこちでポーカーをやってきました。またそれだけでなく、各地で現地のポーカー専業(以降「プロ」と呼びます)の方々からお話を聞くことができました。(日本人20人、日本人以外10人程度)
私自身の経験と、現地のプロたちからのインプットを交えて、世界各地のレーキとプレイヤーレベルをまとめました。
レーキ
世界中の多くのポーカールームで、ポットに対して一定割合を徴収される、
・「ポットレーキ」【Pot×●%,● cap】
が採用されていますが、これ以外にも
・タイムレーキ:ミドル~ハイレート、プライベートゲーム
・ハンドレーキ(1ハンド毎の固定レーキ):LA
という場合もあり、比較できる指標が欲しいと思いました。
そのため、一定の前提を置いて、多くのプレイヤーにとって最もなじみ深い数字である【BB/h】に直したいと思います。
結果、以下の通り。
また、Tip(チップ: 感謝の気持ちとして渡すお金。実態は強制)の有無も、低レートは影響が大きい。
USはどこもポット獲得時ほぼ強制的に$1支払う一方、オーストラリアのカジノでは一切のTipが不要。(そもそものレーキが高いためか)
今回の前提では、例えば1-3では$1/hand⇒時給1BBとなるので実はそこそこ影響あり。
$1/hand ⇒ $25/hour (table) ⇒ $3.125/hour (per player)
プレイヤーレベル
プレイヤーレベルは、定義するのが非常に難しいです。そのため、現地専業へのインタビューをもとに、私の主観で作成しています。参考程度に。なお、WSOPや大型連休などを除く平常時を想定しています。
Aria 5-10(-20)
Max $5,000のディープで入れる。タームレーキ$7/0.5hour。ほぼストラドル20。通常卓で一番、Regが多く強い。ほぼ固定メンバー。
Bellagio 10-20
上限なし。タイムレーキ$10/0.5hour。Web上は$7/hourと表記されていたものの、実際は$10取られた。(2024/2時点)支払い方法は抽選(ディーラー交代直後のフロップ、真ん中の数値の卓#に座っている人が全額払う)。ほぼ固定メンバー。
The Star 5-10(-20)
Max2,000。0or1卓。常時ストラドル20。ポットレーキ10%capAU$15。Sydneyは2-3と2-5はあまり変わらないが、5-10だけは別。ほぼ固定メンバー。
Bellagio 5-10
Max2,500。タームレーキ$7/0.5hour。常時複数卓稼働。10-20やAria5-10と異なり、テーブル数が多く相応にrecも混じる。
Commerce 5-10
Max1,500。ハンドレーキ$6/hand。常時複数卓稼働。5-10で一番recが多い。Cold call多発。
Musashi Poker Room 2-5
Max 1,000。ポットレーキ5%capMD20。常時複数卓稼働。Cold callが非常に少ない。Bellagio 2-5に近い印象。
Bellagio 2-5
Max 1,000。ポットレーキ10%cap$5。常時複数卓稼働。十分に生活費を稼げるレート・レーキなのでReg多い
Paradise City 2-5
Max 1,500。週末に1-2卓。日本人割合多い。コロナ後、Whaleが少なくなった。
以下、省略
なお、ハイレート・プライベートゲームは卓によって違いすぎるので対象外。
ここで、先ほどのレーキと、プレイヤーレベルを並べてみます。
本分析の前提においては、左下が勝ちやすくて、右上が勝ちにくい。
プロ分類
本分析はキャッシュオンリー。キャッシュプロの中でも様々な人がいて、ざっくり分けると以下の通り。
②と①の一番の違いはBRであるものの、②は①よりも活動歴が長いケースが多い。③は潤沢なBRと高いコミュニケーション能力が不可欠。
一般的に想定される、プロとしてステークスを駆け上がる、という意味では②が完成形に近いか。
この図に、各プロの活動領域を書くとこんな感じ。
LAの1-2や2-3はレーキが非常に高く、プロとして生活費を賄うことを考えるとあまり現実的ではない。LAならば最低でも2-5。
5-10はいずれもレーキが低い一方で、どこも基本的には固定メンバー+α。αの数はAria5-10は少なく、Commerce5-10は多い。
次は、プロとして継続的に活動するのに必要な最低バンクロールを想定してみる。いずれも、他に収入が無い前提。
若者は海外にポーカーをしに行け!
昨年は、沢山のプロとお話をしました。ローレートは20-30代の若者が多く、日本から1~3か月のみ出稼ぎ専業生活をする、というような方も多数会いました。多くの国で3か月はVISA不要で滞在できるので、3か月ごとに国を変えてポーカーをしているという方もいました。羨ましいです。ミドルレートは、30代+で、何年も専業生活をつづけた末にBRをためた方(=経験豊富、強い)が多い印象。ハイレートは、正直ポーカーの実力よりも営業力。
そんな中、日本の若者にとって、海外でみっちりポーカーをしにいくメリットは大きいと思います。
一番の理由は、お金が稼げるから。
若いうちに手に入れるお金は、年取ってから手に入れる金と全然違う。手取り10万円台の若者からしたら人生を変えるかもしれない。
USD/JPY=150として、単純な計算をすると
①ローレートで月間収支10,000ドル ⇒年収1,800万円
②ミドルレートで月間収支30,000ドル ⇒年収5,400万円
一方、海外でプロ生活を一定期間するのは、お金以外のメリットも大きい。私は、専業したことは一度もないけど、大学~大学院時代に海外でみっちりポーカーやったおかげで、以下の恩恵を得ました。
英語力(カジノは無料の語学学校)
外人相手の交渉力(度重なるラフプレー体験)
面白いエピソード(ESに書くとウケる。特に外資系)
人脈(特にハイレートはすごい。)
20代でこの経験ができると人生を変えると思います。責任は取りませんが、オススメです。
日本には、ギャンブルとして健全にポーカーができる場所がないにも関わらず、ポーカーを真剣に勉強している若者が多い印象です。努力の末に得た能力で、お金を稼ぐことの面白さをぜひ経験してきてほしいと思います。その際に、「どこでプレイするか」は最も重要なことの一つなので、この記事を参考にしてみてください。
色々とメリット書きましたが、海外で稼げるのはもちろん一部の上手い人のみです。ポーカーを覚えて間もないうちに、貯金をオールインして海外に突撃するのはリスクが高いので、まずは本記事の分析対象にいれたMusashi Poker Room(”むさぽ”)で腕試しをすることをお勧めします。
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