1月から4月までに見た舞台メモ

今年に入ってから4月まで見た舞台。
ちゃんとした感想がかけないので、でもせっかく見たものは記録しておきたいので(わすれるから)。

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イッツフォーリーズ ミュージカルコメディ『死神』

金沢市民劇場例会。もともとは作曲家いずみたくが主宰していた劇団。ミュージカル曲は多くが彼の作品。いわゆるグランドミュージカルに慣れていて、日本語で歌うために作られた日本のミュージカルに馴染みがないので、かなり違和感があった。作品は落語の「死神」をモチーフにしていて、主人公は日本の冴えないおじさん。その奥さんは態度が大きくて粗雑で夫を怒鳴り散らしているおばさん。この昭和感を伝えるには、いずみたくの世界はとてもマッチしていたと思う。ただ、設定が面白くない。落語では死神は男だそうだ。このミュージカルでは「若い」女が死神で体の関係を持っておじさんを絡め取っていく。若い女に言い寄られて、当たり前のように受け入れる男という流れは、私の感覚では理解できなかった。それでもダレずに見続けられたのは、死神に不快な色気がなくてスッキリと突き抜けてて、芝居と歌に力があったから。
原作:今村昌平/脚本:水谷龍二/演出・鵜山仁/作詞:藤田敏雄、大谷美智浩/音楽:いずみたく、吉田さとる
キャスト:早川(葬儀屋の主人) 園岡新太郎/死神ロロ 宮田佳奈/早川の妻 藤森裕美/死神会社部長 井上一馬/金丸陽子 茂木沙月/金丸総合病院院長 中田浄/松本(鬼虎組組員) 嶋田翔平/事務員 池田たかひろ他
2月16日、18日(金沢市民劇場例会)

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コント集団カジャラ#4『怪獣たちの宴』

小林健一のツイッターをいつもチェックしていて、その流れでこの公演を知った。え、コバケンが金沢来るの?久しぶりに見たーい。くらいのテンションで観劇を決めた。ただ、コントに馴染みがないのと、コバケンは舞台上で裸になるイメージしかなかったので、なかなか誘う友人を選ぶ。声をかけた友人は小林賢太郎ファンだった。小林健一目当ての私とは違って、彼女は観客として真っ当な知識を持っていて、後からいろいろ教えてもらえて助かった。
小林健一は今まで一つのシリーズ作品でしか観てこなかったので、これまでと一味違って見えた。よく考えてみると違わないんだけど、作品の中での扱いというかポジションが違ったのかもしれない。小林健一の芝居にとにかく感動した。彼だけでなく、加藤啓、竹井亮介の芝居もものすごくツボに入った。特に目が離せなかったのは、保護者面談のコント。コバケン、加藤、竹井の芝居。本当にすばらしくて、そのコントではそこばかり見てた。
すごかったのは俳優だけではない。どのコントもチクリとしたり、思い当たることがあったり、なかなか深い。深さを感じながらもガッツリ笑える。本当にすごいものを見た。本当にこの機会を逃さなくてよかったと思い出すたびに感じる。

【舞台】 コント集団 カジャラ #4 『 怪獣たちの宴 』 作・演出:小林賢太郎 出演:なだぎ武/ 竹井亮介/小林健一/加藤啓/辻本耕志/小林賢太郎2019/2/20~4/17 横浜、広島、郡山、札幌、金沢(3月15日金沢市文化ホールで見ました)、大阪、静岡、北九州、東京、豊橋全国10都市で開催。

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劇団☆新感線39興行・春公演 いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』

 劇団☆新感線は初めてだった。一度は観てみたいと思っていたが決め手は吉田メタルの名前だったが、とにかく豪華でどの役者も芝居がうまい。なぜか橋本さとしが昔からツボで、今回もツボをガンガン押された感じがする。そして、本当にいい塩梅でそこにいてくれた山内圭哉。軽い口調だがとてもまじめで、そのバランスにしびれた。中山優馬と藤原さくらの芝居は正直イマイチという感じがしたが、これだけの役者陣の中ではそれがかえって表現としての若さとして生かされていた。正直、本当にどの役者も圧巻で、中山優馬くらいの隙があったほうが私は好きかも知れない。

作:中島かずき/演出:いのうえひでのり
出演:生田斗真、りょう、中山優馬、藤原さくら、粟根まこと、山内圭哉、早乙女友貴、右近健一、河野まさと、逆木圭一郎、村木よし子、インディ高橋、礒野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、新谷真弓、村木仁、川原正嗣、武田浩二、橋本じゅん、橋本さとし 他
2019年3月8日(金)~3/21(木・祝) 大阪・フェステバルホール
2019年4月2日(火)~4月7日(日) 石川・金沢歌劇座 ※4月2日(火)18時公演を観ました。
2019年4月18日(木)~4月21日(日) 長野・まつもと市民芸術館
2020年2月予定 東京・TBS赤坂ACTシアター
2020年4月予定 福岡・博多座

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ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』

シェークスピアのロミオとジュリエット。初めて物語を通して見た。本や映画でも見たことがなかった。自分たちが正しいと決め付け子どもを尊重しない大人と、大人の枠の中でしか生きて行けない年代の子どもたち。ラストは泣けました。なんという今さら感。
このミュージカルはスマホが存在している世界で、でも現代かというとそうとは言い切れず、地元の権力者が鶴の一声でロミオを追放してしまうという時代が迷子になっている設定である。だが、子どもが尊重されない場面は現代の日本に今も根強く残っているので、昔話である、現実とは違う世界の話であるとは言えなかった。
20代から30代の若手俳優たちの力強さと底力を見せ付けるベテラン陣、双方の芝居がうまく噛み合っていた。特に主役ロミオの古川雄大とパリス役姜暢雄が強く印象に残っている。
今回のお目当ては黒羽麻璃央だった。ソツなくこなしていたのが気にかかる。

原作:ウィリアム・シェイクスピア/作:ジェラール・プレスギュルヴィック/潤色・演出:小池修一郎
出演:古川雄大、木下晴香、木村達成、黒羽麻璃央、渡辺大輔、大貫勇輔、春野寿美礼、シルビア・グラブ、岸祐二、宮川浩、秋園美緒、姜暢雄、石井一孝、岡幸次郎 他
東京国際フォーラム ホールC 2019.2.23(土)~3.10(日)
刈谷市総合文化センター 2019.3.22(金)~3.24(日)
梅田芸術劇場メインホール 2019.3.30(土)~4.14(日)


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