殺陣のワークショップに行ってきました

殺陣のワークショップに参加してきました。直前に下着のサロンっぽいところに寄ったのですが、そこで「殺陣」という言葉が通じなかったことに衝撃を受けつつ、体を動かすことがこの世で一番苦手な私は見学という形で参加するため金沢市民芸術村に向かいます。

講師は冨田昌則さん。ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』や宮元亜門作品など数多くの作品の殺陣を手がけています。俳優としてはミュージカル『刀剣乱舞』源頼朝役で知る人も多いかもしれません。私としては「シャチョウ」と呼びたいところです。

参加者は20人弱。主に石川県と富山県で演劇に携わっている方々でした。20代が多かった印象です。最初に素手で基本アクションを全員に付けていきます。その後3つのグループに分かれてアクションをつけました。アクションはその場で動きながら考えていき、一つ目のグループに付けたアクションを他の二つのグループにも付けていきます。一通り出来るようになると、次は別のアクションを付けます。同時に全体の照明を落として受講者がアクションをする部分だけに照明が当てられ、効果音や映像を調整していきます。途中までは普通のアクションでした。そこに映像がつくと一気に2.5次元舞台になりました。例えばカメハメ派のように手から光が伸びて敵が吹っ飛ぶ。人間の周りから禍々しいオーラが見える。そんな映像が付けられました。

素手のアクションと刀を持った殺陣をほぼ同じ段取りで作ったのですが、休憩もちゃんと入って16時30分ごろには一通り終わりました(スタートは13時)。時間が足りなくなることはあっても余裕を持って終わるとは思っていなかったので、冨田さんの時間配分のすばらしさに感動しました。その後質問を受けたり冨田さんの希望で全員写真を撮影したり、完全に撤収するまで参加者も講師も和気藹々と交流をしました。

講師の冨田さんは本当にすごかったし素敵な方でした。でも、それだけじゃない。映像は荒川ヒロキさん、効果音(サンプラー)は赤間千咲都さん、そしてお名前を失念しましたが地元で照明をしている方、どなたもすごかった。映像も音も照明も、その場で作られました。映像と音は素材はあったと思います。でも、今動いている受講者を見ながら映像や音を調整しながら合わせていました。特に音は録音されたものを用意して動きを合わせるのではなく、動きに合わせて音を出していました。これは去年10月ごろNHKで放送されたミュージカル刀剣乱舞パリ公演の特番内で紹介されていたので、見知っている方もいるかもしれません。

私は舞台作品作りに関わったことはありません。そのせいか、このワークショップはとても新鮮でした。ただ座って見ていただけだけど、4時間があっという間でした。

この冬、主催のかなざわ演劇人協会は舞台制作の第一線で活躍する方々を何人も招き、地元の演劇に携わる人たちに刺激を与えました。金沢市民芸術村ではここ数年リージョナルシアターを開催し、地元の劇団の発表の場として定着しつつあります。それぞれ思いの違いはあるかもしれませんが、環境としてはとても良い。図らずも、金沢の演劇界の両輪となっているのではないでしょうか。観劇専門の私としては、今後の地元発の演劇に期待が高まっているところです。

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