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ありのままであれ 春日希さん

今回はミュージカル俳優の春日希さんにお話をお伺いしました。

出身地:東京
活動地域:東京
経歴:2018年にオフ・ブロードウェイデビュー。
ミュージカル子役時代はミュージカル『アニー』(ダフィ役)などに出演。
現在は舞台出演の傍ら、ニューヨークでの留学経験を生かしての翻訳通訳や、ミュージカル・オーディション・ショー『SMASH CABARET』公式MCを務め、自身もシンガーとして出場した回ではチャンピオンを獲得。
MCとしては、明るくフレキシブルで知的な場回しが好評を得ている。
現在の職業及び活動:ミュージカル俳優、MC、通訳
座右の銘:Be Hope, Be Mare!


「みんなそのままでいい。を伝えたい」

夢は何ですか?


春日希さん(以下:春日):ニューヨークのブロードウェイの舞台に立つことが一番大きい目標です。あと、もう一つ先の夢があってそれは自分のプロデュースした作品をニューヨークで上演することです。自分のパフォーマーとしての夢とプロデューサーとしての夢の二つがあります。

記者:それを通して何を表現したいのですか?

春日:Be Hope Be Mare!って自分のスローガンにしてるんですけど、みんなそのままでいいんじゃない?っていうことを伝えたいです。例えば、現時点でのアイディアに、日本の文化をアメリカ人向けに面白おかしく伝える作品があります。どちらかいうと日本人って欧米人の方が凄いと思う傾向にあるじゃないですか。特に若い世代になればなるほど。そうじゃなくて自分たちが持ってるものをすごくポジティブな感覚でさらけ出して。例えば、アメリカに皮肉を言ってもいいじゃないですか、蔑まれてるってジョーク言ってもいい。それを包み隠さずにシェアすることで、人種、性別、様々なレッテルをはがして平等な関係性が作られると思います。

自分らしさってすごく簡単に聞こえてしまうかもしれないですけど、そのままで存在できるものがあったらいいなって。表現する職業は、いろんな役にはなるけれども、結局同じ役を3人がやったら3つの役になる、それが面白いところです。なので、こうじゃなきゃ、ああじゃなきゃっていう捉え方っていうか囚われ方を変えたい。みんなそのままでいいのにねっていうのを少しでも多くの人に分かってもらいたいなって思います。


「周りの人といっしょにつかむ。」

どんな目標計画でその夢を実現しようとしてますか?

春日:パフォーマーとして舞台に立つというのは個人的な夢に聞こえるかもしれないですが、それをやるためにはいろんなトレーニングとかチャンスが必要で。それは周りの人といっしょにつかんでいくものなので、そんな仲間にいっぱい会いたいと思います。クリエイターの方はもっと人が必要なので。今の時代で自分がパフォーマンスして作って演出もつけて何でも自分一人の名前が一番上に来る人はいるんですけど。何がすごいってその人が思ってることを実現できる仲間が大量にいるっていうことがすごいと思うんですよ。そういう人が集まる人じゃないとできないと思うからそういう存在でありたいなというふうに思っています。


「多くの人とつながる。」

どんな実践行動をしていますか?

春日:セルフブランディングとセルフプロデュースです。やっぱり知名度は少しずつでも高めていかなければいけないと思います。フリーランスなのでハードルは少し高くなりますが。自分がしていること、さらに言えば自分自身がどんな人かをとにかく知ってもらう。実践行動としてはとにかく人がいる所に行く。とにかく人に見られる所に行く。あとSNSですね。SNS あるもの全部駆使してとにかく世の中に出しておく。何も出さないのと、出すのとでは違うので。

あとはニューヨークに年に2回ほど行くのを目標にしています。行ったときに、短い滞在でもとりあえず多くの人に会うっていうのやってて、人に会って話して繋がるということをやっていれば、今は便利な時代なので、面白いと思ったくれた人とは連絡取り合えます。身体的に近くにいなくても作品は作れるし、そういう形で小さいものから作っていきたいなっていうふうに思ってます。


「ニューヨーク留学で感じた日本とアメリカの違い。」

夢を持つようになったきっかけは何ですか?

春日:舞台を自分が見てる時の感覚って言うか、自分が舞台を観て、変えられたこともすごく多いし、それがもしかしたら自分が舞台で発信してる時にも起こっているのかなって思ってるんですよね。劇場空間ってすごく人間の心にフィットする環境だなって感じています。舞台って体でそれを受けるじゃないですか。いろんな物語があるしいろんな人がそこに生きてるのを見て、なんか自然に涙が出てきたり。音だけ聞いてたのになんでこんなに心が震えてるんだろうって思ったり。言語化できない何か呼吸みたいなものが満たされる空間だなっていう風に思うんですよね。なので私は舞台が好きでミュージカルを続けてて、それを使って変えられるってのが分かってるから魅了されてるなっていうのもあります。

あとは、ニューヨークに留学したことが一番影響を与えてくれたっていうのは間違いないですね。留学した半年間、夢のような日々で。まずエンタメが近い。毎日毎日ミュージカルをやってるし。
お客さんの空間も舞台はこう見なきゃいけないってのが全くないので。日本だとみんなが静かだったら静かに見る。日本はパブリックスペースが基本的に静かにするもんじゃないですか。みんなの空間だから。だけど、アメリカの感覚はパブリックスペースは自由だから何でもいいんですよね。その文化が良いか悪いかは別として。なので劇場で面白くって一人で笑っててもいいし、みんなで笑ってもいいし自由に表現できて、でもって誰も干渉してこないので笑ってるからうるさいよとかないし、笑ってて睨まれるもないし一人一人が自由に平等に見られるのはいいなって思います。
後はダンスのレッスンに頻繁に通ってましたけど、ブロードウェイで今活躍してる女優さんの横に趣味でバレエ習ってるおばあちゃんとかいるんですよ。みんなで一緒にバレエするんです。もちろんおばあちゃんは、あらあなた素敵ねって言うんですけど。プロのバレリーナが彼女のことをなんか嫌な目で見るとか絶対ないんですよ。だってみんな踊りたくてきてるのは一緒だからっていう環境とかも全然違って。ニューヨークは最高だっていうのがあって、6ヶ月フルで満喫して日本に帰ってきてその違いにズドンって落とされたので、そこから沸々といろんなものがアイディアとか自分がやらなきゃとか、自分にしかできないことがあるなって思ったのはありますね。今はどちらの文化圏にいる時も自分らしく存在することができています。もちろん文化に柔軟に適応しながら。それが出来るのはとても幸せなことだなぁと思います。


「自分らしくあれることを受け入れてくれる人がいた。」

ありのままが大事と思うようになった背景は何ですか?

春日:家族は大きいですね。何をしても否定されたことはなかったので、多分両親の方針だったと思うんですけど、それは似合わないよとかは言われたことないんです。言われないから自分でしか判断しないじゃないですか。自分で似合うか似合わないか、合うのか合わないのかを判断していったんだろうなっていうのはあります。

後は高校も国際科で特殊だったんで、本当にいろんな人がいて最初の頃は埋もれてた方だったんです。派手な突拍子もないことをする人が多すぎて、そこから少しずつ自分は何、みんなと違う風に、自分ができることは何か、自分のポジションはどこかなって探していく中で自分らしくあれる場所があって、それを見てそれを評価してくれる子がいて周りに人が集まってきてくれるという体験してきました。

後は実際舞台の上で表現してる時とかも、やらなきゃいけないことを作ってしまった瞬間にすごいつまんなくなるんですよね。この時は手をこうをしなきゃいけないとか、この時はこう考えなきゃいけないって思った瞬間に凄いロボットになってしまうんですね。アーティストっていう職業が AI が代替できない理由はそこじゃないですか。その時にいきなり生まれた感情に任せてお芝居ができたり、歌の声色変わったりとか、涙が出てきたり、出なかったりとかってそこが毎回違うから面白いし、ありのままやることによって毎回違う自分が生まれたりとか、ああ私こんな風になったりするんだとかもあるんでやっぱりそういう事を舞台の上で経験してきてるのは大きいなと思います。

記者:春日さんはありのままであることを人から受け入れてもらえたことで自分自身のことも受け入れ、さらに人のありのままを受け入れていきたいと思えるようになったんだなと感じました。

本日は貴重なお話、ありがとうございました!

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春日さんの活動についてはこちらから↓

Website
https://maaare514.wixsite.com/website

Twitter
https://twitter.com/mare_kasuga

Instagram
https://www.instagram.com/behope_bemare/

YouTube
https://m.youtube.com/channel/UCCIox6boq1-2V-3VARTLovg


【編集後記】インタビューの記者を担当した小田原と澤田です。
常に元気にワクワクお話されていた春日さんにこちら側も心躍るようなインタビューの現場でした。彼女の愛らしい笑顔の中に、人がありのままに生きられないことへの涙とそれを変えていく強い意志を感じました。

今後の更なるご活躍を楽しみにしています。

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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36


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