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人生のプライオリティーの明確化−後編

私には二度の退職経験と二度の再就職経験があります。

  • 日本企業を2度の流産を経て退職し娘を出産
    → 3年のブランクを経て外資転職

  • ワーキングマザーとしての苦悩の末に退職
    → 3年のブランクを経て外資転職

本コラムは私自身のブランク付きの子持ち女性としての外資再就職経験と、転職アドバイス中に得られた学びなどをご紹介しています。

ワーキングマザーであるなしに関わらず、ブランク有無に関わらず、転職を検討する際の参考になれば幸いです。

アドバイスを求められた際に紹介してきた【転職メソッド】を 『ブランクからの外資転職』コラムとして紹介中。 
2022年は娘と旦那さんの日本企業からの転職も無事に果たす


「最後に質問がありますか?」で人生のプライオリティーについて問う


私自身の人生のプライオリティーの最優先項目は
「お母さんでいること」
でした。


娘が成人した現在は少し内容が変わりましたが、過去2度の転職の際はどちらも最優先項目は「お母さんでいること」でした。同じ内容ですが、子供の成長や当時の私の立場などで少しその捉え方は異なります。

当時の私のそれぞれのケースで、どのように人生のプライオリティーについて面接の場で確認したか実例をご紹介します。



娘が2歳半の頃の再就職のケース

「子供を産めばお母さんになれる」子供の頃は簡単な夢だと思っていました。

幼稚園の頃「将来の夢はお母さん」と書いている友人を見ると、「簡単な夢を書いているな」と思ったほどです。

小学校2年生の頃「あれにもなりたいこれにもなりたい・・・どれかひとつに選ぶのが難しい・・・」と欲張りな私は思い悩んでいる時、

ちょうど、大草原の小さな家のドラマの主人公ローラが私と同じように「あれにもこれにもなりたい」と悩んでいるシーンで、誰かが「だったら『お母さん』ね、お母さんは学校の先生にもなるし、お医者さんにもなるし、看護婦さんにもなるし、シェフにもなるし、洋服屋さんにも、なんでもできる人よ」というアドバイスを授け、「私、お母さんになるわ!」とローラが閃く印象的なシーンを目にしました。

そのシーンに感銘を受けた私は「なんでもできるお母さん」になる、その次の夢がいわゆる職業として「なりたい職業」を設定していました。

余談ですが、私の思い描く夢には「お母さんになる」と「なりたい職業」のみで、「結婚」は含まれていませんでした。
そのため、20歳で生命保険に入った際「夢を叶えるためにはシングルマザーにならなければいけない」と覚悟し、「シングルマザーとして死亡しても、残された子供が困らない保険にしてください」と伝え、保険セールスの方を閉口させたという逸話もあるほどです。


「お母さんになるためには子供を授かれさえすればいい、あとは自分のもう一つのメインの夢を」と考えていましたが、実際には二度の流産を経験し、「お母さんになる」事自体が奇跡なのだということを体験を持って悟りました。

「お母さんになる」という当時の私にとってはとてつもない大きな夢を叶えるために、最初の会社は退職する決心をしました。当時の詳しい心境については、会社を辞める理由 でご紹介します。



ようやく子供を授かり、そうすれば自然とお母さんになるのだと思っていましたが、実際のお母さんはお母さんであり続ける努力が必要なのだということも感じるようになりました。

このような過去の経験や体験をベースに、 
私の人生のプライオリティーは私という人が『お母さん』である事
となり、

転職先は
子連れの再就職ママが受け入れられる環境か?
というのが私の中の最大の条件となりました。


当時多くの企業が女性が継続して活躍して従事できるようにと活動を始め、女性活躍推進が普及していましたが、私が気になるポイントは女性活躍推進の企業の取り組み内容云々についてではなく、

「私がこの職場に受け入れられると感じる環境か否か、私がこの職場でやりがいを持って活躍できるか否か」
ということが最も重要な判断材料でした。


そのため、1度目の再就職面接では「何か質問がありますか?」と聞かれた際は必ず
「私にはまだ手のかかる2歳半の娘がいますが、それでも務まる業務ですか?」
と全員の面接官へ聞きました。

面接官それぞれの回答は違いましたが、
「裁量労働制なので、自分で業務をアレンジできます」
「結果が伴っていれば大丈夫、自分で判断して業務できますよ」
「お子さんがいることは決してマイナスではないからもっと自信を持ってください」
というような回答を全員から頂戴して安心したのを覚えています。



娘が13歳の頃の再就職のケース

2度目の再就職面接では、前職で十分に守られ、機会を与えられ、やりくりできる環境だったのにも関わらず、それでも娘に寂しい思いをさせてしまったという失敗体験があり、何があってもとにかく娘を第一優先にする!と決意していました。

ついつい良くも悪くも仕事にのめり込んでしまう自分の特性を認識し、次はうまくコントロールする訓練をして続けたいという思いでしたので、決意を共有しご理解いただいた上で務めたいと思いました。


「この方との面接が最後。クリアーすれば合格が決まる」と言われた方との面接の最後に「何か質問は?」と聞かれた際に正直にこう伝えました。

「私は、仕事に没頭して娘に寂しい思いをさせるということは2度としたくないと思っています。もし何か、娘に寂しい思いをさせるきっかけとなるタネを見つけたら、仕事ではなく娘を取ります。どんな重要な仕事があってもどちらかとなったら娘を最優先させますが問題ないでしょうか?」と覚悟を持ってお伝えしました。

その方の回答は意外なものでした。

「うちはそんな会社じゃないよ。生きる上で家族が大切なのはあたりまえ、どちらかを天秤に掛けさせたりする会社じゃない。でも、もし、そんな状況に直面したらすぐに教えて欲しい、すぐに改善するから

当時、その言葉を聞いてものすごく安心したのを覚えています。そしてその言葉が私がオファーレターをもらってすぐにYESと返答する理由にもなりました。そしてこの感動はこの会社へ尽くそうという思いにも繋がります。

今でもその時の心が救われた思いが忘れられず、思い起こすだけで涙目になってしまうほど嬉しい言葉のプレゼントです。



ぜひ、あなたも人生のプライオリティーを明確にして、あなたに合う会社や仕事と繋がってください。そのためにはあなたの人生に適する仕事か否か、あなた自身が決断する必要があることも忘れないでください。



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