ジャニオタが初めて宝塚大劇場に行った話

ジャニオタが宝塚にはまって1年ほど、生まれて初めて兵庫県宝塚市の宝塚大劇場に観劇に行って参りました!
いろんなジャンルを渡り歩いてきたおたくが「宝塚すげぇ(語彙力ゼロ)」と思った感想を述べておきます。
写真とかないです。ひたすらうわーっと書き殴ります。

…と記事をしたためている間に、起きてはいけない悲しいことが起きてしまいました。
詳細が分からない私でも動揺しています。
記事をあげるか迷いましたが、私が宝塚大劇場に行って楽しかった事実は変わらないし、何を感じたかという自分の気持ちに無理に蓋をするのも良くないと思い、オープンにします。
もちろん、差し支えあるようだったらすぐ取り下げます。

ということをご了承いただいた方のみ、片手間に読んで下さい。

チャンスはたまたまめぐってくる

何を隠そう、9月上旬が転職のための退職のタイミングで有給休暇を消化出来る最後のチャンスでした。
平日を使って今行きたいところ…

「そうだ、宝塚行こう。」

思い立ったらおたくの行動は早いので、Twitter(私にとってはジャスコとサティはいつまでもイオンにならないように、XはいつまでもTwitterのままです)で慌ててど平日のチケットを探してお譲りいただき(当然定価で)、その勢いで宿と足を手配して急遽母親と2人旅となりました。
正直、タイミング的に見られるならどこの組でも構わない!と思っていたのですが、最近気になっている月組さんが絶賛公演中で、無事に初めての宝塚大劇場、通称「ムラ」での観劇にこぎつけたわけです。

劇場に着く前から楽しい

関東から遠路はるばる阪急の宝塚駅にたどり着いたわけですが、もうすでに宝塚歌劇団一色で楽しい。
そもそも、その前に乗り換えの阪急梅田の駅ででっかい宙組さんのポスターを見かけてすでに楽しい。
宝塚駅に着くと、耳慣れた音楽がBGMになっているし、降りたら銅像も立っているし、写真でめちゃくちゃ見た光景だ…!と感動しました。
上京してきたいなかっぺが渋谷のスクランブル交差点で写真を撮るのと同じように写真を撮っていて観光しているヤツ感満載。
駅前の商業施設も宝塚を見に来た人ウェルカム!感がすごい。
駅前を抜け信号を渡ると、どーんと花のみちがあってまた写真を撮る。
世界で一番歩きたかった道だ…と感動していると、写真で散々見たあの特徴的な色の外壁の建物が見えてきて、いよいよたどり着いたぞ感が出てくる。
正直「私、東京ディズニーリゾートに来たんだっけ?」と思ったんですよ。
もう没入感がすごい。

もはやテーマパークだ…

そしていよいよ施設の中に足を踏み入れるわけですが、空気から何から、360度全てが宝塚歌劇団の世界なんですね。
グッズ売り場で思わずジェンヌさん風のキャラクターが刺繍された5色(くらい)展開のハンドタオルを買ってしまったのですが、母親に「ロゴをミッ〇ーに変えるだけでディ〇ニーで売れるよね」と現実的なツッコミを入れられました(そんな母親もしっかり宝塚名物の炭酸煎餅を買っていました)
カフェで公演ごとに変わるメニューがあり、衣装を着て写真撮影出来るブースあり、宝塚の歴史が学べる博物館あり…
ただの劇場ではなく、完全に宝塚歌劇団を楽しむためのテーマパークが広がっていてものすごい驚きました。
予習せず、前情報なしで行ったので余計にザ・宝塚ワールドが広がっていることに大きな衝撃を受けました。
それに普段行けるのが東京のど真ん中にある日比谷の大劇場なので、なおさら「場所」としての違いを実感しました。
東京はチケット持っていないと建物内にすら入れないけど、宝塚に来ればチケット持ってなくても1日敷地内にいられるじゃん…
おたくなので推しと同じ空気吸いたくなったら公演期間中に来よう…とのんきに考えてました(そんなにほいほい遠征出来ると思うなよ社会人)
もとは温泉街の娯楽施設の一つだった場所が、歴史を重ねて地域で一番大きなエンターテインメント施設になっていて、改めてすごさを実感しました。

月組さんはまさしく「いぶし銀」

普段星組さんの公演ばかり見ているのでどうしても星組さんと比較しての感想になってしまいがちになりますがご了承下さい…
まず、月組さん全体がまぁ歌が上手くて驚きました。
れいこさん(月城かなとさん)のどっしりと安定していて、劇場全体を包み込むようなザ・男役という歌声で始まって、「あ、月組の落ち着いた雰囲気はトップたるれいこさんのこの雰囲気が中心になっているんだ」と思いました。
そしてナディアが最初にステージを披露する場面で海ちゃん(海乃美月さん)がマイクが割れるんじゃないかっていうくらい声が出ていて、度肝を抜かれました。
見た目おしとやかで落ち着いたベテラン娘役トップさんのイメージだったので、ゴリゴリロックをお腹の底から発声して歌う姿を見て「やばい、推せるうちに推さなきゃ…」と謎の使命感にかられました。
恥ずかしながら今の月組さんの公演はYouTubeのダイジェストで少し拝見したくらいなので、全体像をちゃんと把握しているわけではなく、組長・副組長、路線がだれかはなんとなく分かるくらいです。
いつも見ているのが星組さんなのでどうしても星組さんと比較してしまうんですが、月組さんはまんべんなく皆さん歌が上手いなと率直に思いました。星組さんが下手というわけでは決してなく、突出してこっちゃん(礼真琴さん)とみほちゃん(有沙瞳さん)が歌が上手いので、私の中では星組で歌といえば2人のイメージが強いんです。
しかもこっちゃんは特に劇場の一番後ろまでレーザーのように突き刺さる派手な歌声なので、全体に充満するような響きのある歌い方のれいこさんとは受ける印象が違い、組のカラーを如実にトップが表しているな…
これは星組さん以外も全部見なきゃ!と心に誓いました。(その場では全組見なきゃ!と誓ったけど冷静に考えて宙組さんは次がトップコンビ大劇場お披露目、花組さんと月組さんがトップコンビ揃って退団なのでチケットとれるわけないですね。解散。)
月組さんはどの場面にだれが出ていても安心して歌を堪能でき、「芝居の月組」と言われるだけあってお芝居もみなさん破綻がなく、ネットで見かけたいぶし銀のようだというご意見に納得しました。

フリューゲル~はジャガービートだった


肝心の内容に関しては…まぁ…私より玄人のヅカオタの皆様に批評はお任せしますが…
東ドイツの堅物軍人を演じるのがれいこさんというのは大変分かりみが深いのですが、海ちゃんがとんちき衣装のポップスターなのはなぜ?感は否めません。
スカート捌きの天才である海ちゃんにはドレスが一番似合うと思っている勢が通ります。
しかもナディアの曲、サビまでは低めの音が多くて海ちゃん歌いづらそうというか、海ちゃんの本領発揮出来る音域はそこではない…と素人ながらに思ってしまいました。
でもちなつさん(鳳月杏さん)の軍服姿が見られたから全部チャラになりますかね。
なんやかんやあるけど爆弾解除して最後は歌ってハッピーエンド!なのがさいとー先生らしいなと思います。
母親が1幕終わり、「あの劇はどうしちゃったの?」と160kmのど真ん中ストレートの感想をのたまったので「この前一緒に見た星組のショー(2月に東京で見たJAGUAR BEAT)を作った先生が書いたんよ…」と答えたらものすごく腑に落ちたようです。
理解度が高い母親で何よりです。
なので私と母の認識としてはフリューゲル~はジャガービートということになってしまいました(なんの話?)

平成のおたくに刺さるショーを作る新人現る

続いてショーの「万華鏡百景色」の話ですが、本当に秒で終わってしまいました。
体感30秒くらい。
こんなにのめり込んで見たステージ生まれて初めてです。
そしてれいこさんと海ちゃんは輪廻転生して来世でも月組のトップコンビになって下さい。
こんな素敵なショーを作り出した栗田先生、確実に昭和後期~平成生まれのおたくの癖(へき)を分かって作っている天才ですね。
だって作中に出てくるもの:付喪神に輪廻転生、花魁、身分違いの恋に歴史に振り回される2人、大正浪漫に文豪
おたくがみーんな好きなものの詰め合わせじゃん!!(偏見がひどい)
地獄変とか嫌いな人いる?いないでしょ?
付喪神衣装のちなつさんに人生狂わされそうになるでしょ?私はなったよ?
つい何十分か前までとんちき衣装(これこれ)でポップスターを演じていたベテラントップ娘役が花魁やるなんてある?あるんだなこれが
現代の東京でSuchmos歌うぱるくん(礼華はるさん)とせらくん(彩海せらさん)の路線男役お出まし感嫌いなヅカオタいる?いるわけないよね?

…すごい気持ち悪いテンションで書き殴っていますが、それくらいこのショーが月組初観劇で、かつ宝塚大劇場での初観劇だったアラサーOLの私に刺さりまくったんです。
演出の栗田優香先生、2014年入団とのことなので劇団的には100期生と同期にあたるまだ若手演出家さんなんですね。
すみれコードに抵触するかもしれませんが恐らく年齢がほぼ同じの同世代なので、そりゃあツボを突かれるわけですね。
お芝居はバウホールと別箱公演、そして新人公演の演出はご経験がおありなので大劇場公演でのお芝居演出デビューが待ち遠しいです。

総括:宝塚大劇場は夢と魔法の国だった。だから…

まとめると余韻に浸って旅行の移動の新幹線でこんな暑苦しいブログを書くくらい楽しかったです。
帰りの電車の中でもまだ夢を見ているかのようでした。
常設で公演を見る以外にも「観光」が出来る施設がある劇団、宝塚歌劇団以外にないんじゃないでしょうか?(不勉強で他にありましたら申し訳ないです…)
チケットや公演DVDが自治体のふるさと納税の返礼品になる劇団も聞いたことがないですし、それだけあの宝塚大劇場という場所は単なる劇場ではなく、宝塚歌劇団という組織が築き上げてきた歴史と功績の象徴だと思います。

だからこそ、最近起きてしまった悲しい出来事について、企業として対策を講じて、あの夢のような場所を守り抜いて欲しいといちファンとして願います。
月組前トップ娘役の美園さくらさんも舞台に立つ人間として「逃げ場」がないことを問題と感じ、セカンドキャリアでそういったことを解決したいと思い、大学院に進学されたようです。

これほど歴史が長い組織の文化や習慣を変えていくことは相当時間がかかるし、物理的にも精神的にも相当労力が必要となるでしょう。
言うのは簡単ですが、しがないOLには正直、どれほど大変なことか想像もつきません。
だからこそ、110周年を目前に控えた日本のエンターテインメントを支える唯一無二の劇団として責任を果たしてほしいと思います。
この話終わり!




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