ボクたちの村の音楽祭vol.2振り返り

2024年3月10日にボクたちの村の音楽祭vol.2を開催しました。形式上はあんです村の単独ライブではありますが、まさに「音楽祭」という名のふさわしいアットホームでわいわいしたライブになったと思います。
あとで振り返った時にできるだけ鮮明に思い出せるように演奏した曲の好きなところを記録に残しておこうかなと思います。関連youtubeのリンクを貼ったりしています。
ちなみに私はピアノとアコーディオンを弾いていたがいくと申しますが、ゲームやゲーム音楽の話する時はこの名義になっています。普段はオカピスピリタスで活動してるので、その記録も同じnoteに載ってます。

ボクたちの村の音楽祭について

あんです村が発足したのは2020年の1月にやったvol.1のライブをやるためでした。ただそのメンバーが最初にFFCCの音楽を南米楽器で演奏をしたのは、実は2015年の3月でした。vol.2の打ち上げ中に「あれもう9年前か!!」という話になりましたが、我々が演奏活動を続けられているのも、FFCCというコンテンツのおかげといっても過言ではないかもしれません。
主催は特にFFCCが大好きな2人で、「演奏する前にマルチプレイやるぞ!」と9年前GBAを人数分揃えてゲームキューブをブラウン管に繋いでいたのを思い出します。
2019年ごろ、みんな社会に出て数年たってそれぞれの道に進む中で、我々をまた繋いでくれたのはFFCCでした。1年前くらいから少しずつ脚本を練り、編曲を重ね、2020年の1月に音楽祭を開催できたことは今でも記憶に新しいです。主催ライブというのも初めてだったので、会場探しから物販や色々な企画を手探りでやっていたらなんと想定の何倍もの方々から反響をいただき、急遽昼夜公演させていただくことになりました。こんな機会2度とないと思っていたので、文化祭のような感じでできることを全て詰め込んだライブでした。
リマスターの発売が決まり、その前哨戦のようなつもりでいたのですが、リマスターは完全にコロナど真ん中の存在になってしまいました。でもクロスプラットフォームになったおかげで仲間が同じ場所に集えずとも一緒にプレイすることができたのは本当に良かった。リマスターがあの形でリリースされていなかったらFFCCの記憶がまた新しく刻まれて、vol2につながることもなかったろうと思います。コロナ禍でメンバーにも色々なことがありましたが、vol2が開催できて本当に良かったです。

第一部演奏曲

第一部はvol1から引き続き、朗読と合わせて音楽とストーリーを組み合わせた形でお送りしました。脚本ロシータ、朗読ryn、編曲は大体がいく、一部どらなおぱんです。
ロシータ曰く、「今回はボス曲が3曲できたのでFFCCのシステムが再現できて満足!!!」だそうです。

今日が来て明日になって

メニュー画面の曲。これは9年前に演奏した時とほぼ変わらない、シンプルな構成で演奏しました。はいりさんがさりげなくオクタパッドでグロッケンを入れてくれたのが私はとても好きです。

夢路の夕暮れ〜キノコのロンド(編曲:どらなおぱん)

ライブで演奏するのは初めてです。マリンバの印象的な曲ですが、主旋律をサンポーニャにして自然な音色を織り交ぜています。
そのまま戦闘音楽に繋がっていくのは最近のゲームのインタラクティブミュージックみたいでした。Youtubeで6本作品を投稿させていただいた「水彩キャラバン」の中の3作品目で流れていたアレンジです。


憂いの闇の中で〜鎚音響く峠にて

こちらも「水彩キャラバン」でアレンジしたもので、マール峠の伴奏的になっているフレーズと鎚音と鉱山の不安を煽るようなメロディを重ねました。
一瞬だけ過去と現在がクロスするようなアレンジになったかなと思います。
鎚音を再現するトライアングルがお気に入りです。

怪物のロンド

これも9年弾き続けている曲です。楽器編成やフレーズはリマスターのアレンジを踏まえて少し変えています。何度聞いても何度弾いてもかっこいい曲です。原曲もリマスター版も、ピアノコレクションの連弾も好きです。

時が来るまで

こちらも「水彩キャラバン」でアレンジをして、ライブ初披露です。動画よりも短縮したパートと追加したパートがあります。(絶対に入れたいフレーズがあり、、)リマスターで収録された新曲ですが、美しくて切ない曲です。谷岡さんならどうピアノを弾くかなと考えながらピアノソロにアレンジしてみました。

約束のうるおい

FFCC曲のBGMの中だと一番人気と言ってもいいほどよく話題に上がりますね。私も大好きで弾いてて楽しいです。原曲はアコーディオン使われていないですが、メインメロディをアコーディオンで弾きました。とってもオイシイ。。

戮力協心

リマスターで新録されたボス曲ですが、全然原曲とは違う楽器構成ながら意外とマッチしたと思います。ピアノを色々活用しています。動画ではブズーキを使いました。

年に一度のお祭り

9年前はアコーディオンを弾いてなかったので、アコーディオン入りのお祭りを弾くようになったのは音楽祭vol1からです。ロシータ作の歌詞をつけて歌い始めたのもその時から。(歌詞をつけたそうにこちらを見ていたので「歌詞などをつけてみんなで歌ってみたらどうだろう?」と提案したらその日のうちに歌詞が上がってきました)
リマスター発売記念の動画を作成した際に、お祭りの最後に星月夜の一節を入れる構成にしています。

第二部演奏曲

時の傷痕

ボク村祭1と同じ月(2020年1月)にクロノクロスライブがありました。光田さんご本人が演奏に参加され、バンド形式でひたすらゲームの音楽を演奏するライブが最高すぎて今でも鮮明に覚えています。時の傷痕はメインが尺八なのでケーナとも音色が似ていてとても合います。バイオリンパートを全部アコーディオンで弾くのは鬼でした。

mini MOON

サンポーニャは1音1本なので、音階を弾くときは顔と手を忙しなく動かして「物理的に」演奏する必要があります。基本的には2段使ってG調の音階になっていますが、その音階にない半音を吹きたいときは半音だけを有した3段目が登場してさらに「物理移動」が大変になります。
賢い人ならわかると思いますが、ゲーム音楽は半音階が多い+早いパッセージも多い+息継ぎの考慮などない=サンポーニャで吹くのは無謀です。
でも吹けないことはないのをロシータが証明してくれました。
気合いでエレクトロスウィングだって吹けるのである。
「どんなに鬼譜面でもmini moonが吹けるなら構わない。」愛の成せる技である。

リバーランド〜崖下の村オアウェル

オクトパストラベラーの、世界は共有しているけど、各キャラごとに巡っていく順序が変わるというシステムがとても好きです。私は最初のキャラをテリオンにしたのでクリフランドの印象がとても強いですが、クリフランド(オアウェルもですが)で管楽器が多く使われているのは、アンデス地方と通じるものがあるなあなんて考えたりします。
今回はパンフルートがメイン楽器として使われているリバーランドをぜひ演奏したいというところから話が始まり、アーフェンの物語の締めくくりの場所ということでオアウェルをつなぐことにしました。
一度動画でロシータと一緒に演奏したことがありました。これは実はリモート録音で合体した音源だったので、一緒に生演奏したのは今回が初です。

オクトラのコンポーザーである西木さんは全ての曲解説をnoteにあげてくださっていますが、設定資料集を無料で見せてもらっているような感じでとんでもないので皆さんもぜひみてください。

The Story Unfolds

Sdorica -sunset-という作品のオープニング曲。前回の音楽祭のDeemo曲に続きrynさんによるご提案曲でした。Aメロのハープの感じとかサビの壮大な感じをピアノ一台でどうしようかな、、と思いましたが、色々ごちゃごちゃするよりいい感じにまとまったんではないかなと思います。rynさんのスーッと通り抜けていくような声に合う曲だなあと思います。2番はrynさん自作の歌詞でした。なんでみんなそんなにサラッと作詞できるのか、私にはわかりません。すごい。

Journey in the FFCC world

MCでも少し話しましたが、4種族と魔物たちが暮らすFFCCの世界各地で流れる曲たちを少しでも多く弾きたい、と思いメドレーにしました。
川を渡り、クラヴァットの大農場〜ユークの村〜セルキーの村〜魔物たちという構成です。(リルティは鉱山と峠で行ったので今回は他の村に行きました)
FFCCの楽曲はどの楽器で演奏しても良い響き方をしますが、私は特に谷岡さんがピアノで演奏されるFFCCの曲が好きですね。ピアノコレクションでは湿地の曲が大好きです。前にビルボードで演奏されていたメドレーもとても好きです。

Vamo alla Framenco

いただいたコメントの中で「FF9がお好きなようで」と書かれていてなんでバレてるんだ?となりましたが、自分で散々喋っていたからでした。ノビヨ師匠の曲は1つ残らず大好きなのですが、特に9の4枚組のサントラは大好きでずっと聞いていました。
今回はピアノコレクションのアレンジで弾きましたが、FF9のピアノコレクションもまた良いアレンジで、譜面も出ており、10年以上本当にページが擦り切れるくらい弾き倒していて大好きな曲たちばかりです。
バマリャフラメンコ(と譜面には振り仮名が振ってあるんですが)はチャンバラのイメージももちろんあるんですが、私はここ掘れチョコボで聞いたイメージのが強いです。FFCCのシナリオを担当された片岡さんがチャンバラのミニゲームもご担当だったということで、今回のダンス&チャンバラ演出ができてよかったです。
ちなみに私は縄跳びのミニゲームがめっちゃ好きでずっとやってました。

あんです村情報ですが、ダンサーのはいりさんは普段南米のダンスをやられていて、衣装も全部手作りです。今回のダンスは厳密にいうとフラメンコではないそうですが、曲に見事マッチしたかっこいい演出でした。rynさんはよく舞台で殺陣をやられたりしている方なので、チャンバラ部分をご担当くださいましたが、カッコよかったですね。(正直は私はピアノで一杯一杯すぎてちゃんとダンス見れてないんですケド・・・)
前回もFF9の曲を数曲やらせていただきましたが、やはりFFCCお好きな方は9もお好きな方が多いんだな、と実感しています。まだまだやりたい曲いっぱいあるので、次演奏する機会があれば9は絶対にセットリストには入ると思います。(なぜなら私がねじ込むからです)

第三部演奏曲

カゼノネ~rewind~

リマスター版で2番が増えて、1番と2番の間に懐かしい横顔のフレーズが入ることで2年目の旅に進んでいく、という17年近く聞き続けてきたこの曲にまだ広がりがあるのか、、、と感動を覚えました。
谷岡さんのピアノとyaeさんのお二人で歌っているこの曲を聞いた時に鳥肌がブワァってなったのを覚えています。(ちなみにこのリマスター発売記念配信はあんです村の村民数人で鑑賞会していました)
あんです村としてはそれなりに回数を重ねてきた曲なので、これからもたくさん演奏したい曲の一つです。

Fin del Mundo, Seis de la Tarde

フォルクローレというジャンルもまた広く深い世界で、一言では表せないんですが、今回披露した2曲が静と動を両方よく表していた2曲だなあと思います。1曲目は日本人の方が作曲した曲なので我々日本人にも耳馴染みがよく、2曲目はシンプルにかっこいいな〜という感じです。
練習していく中でやはりこの2曲の仕上がりが他の曲に比べて素晴らしく、それは演奏している回数が全然違うからだろうという話になりました。いつものあんです村の様子を見ていただけてよかったです。皆さんもフォルクローレの音楽を聞いてみたくなったらまずはこの2曲をググってみてください。いろんな人が演奏するバージョンが出てくるはずです。
ピアノとケーナで演奏するとこんな感じです。↓

アクロス・ザ・ディバイド

拝啓 母上様・・・この曲難しいです。
ゲーム音楽のフレーズやメロディって頭に残るので、気がつくとフレーズを口ずさんでしまうのですが、この曲は口ずさみたくなるメロディが4種類くらいあるので、全部楽器で演奏しよう、という感じだった気がします。
ラスダン、って感じ。サンポーニャのソロパートが決まると敵に大ダメージが入ります。

笑顔いっぱいの時間

私の思う最大限のアイリッシュな感じでご機嫌なアレンジにしました。思わず踊り出したくなるような、みんながハッピーになれるような曲です。
リマスター発売記念動画ではダンサーのお二人に踊っていただきました。
気に入っているアレンジです。

星月夜

21年も経つと世の中には星月夜の音源がたくさんあるわけですが・・・
あんです村の星月夜は原曲の落ち着いた夜の静けさのような曲調とクリスタルベアラー版のアイリッシュなご機嫌な曲調を合体したような形で演奏しています。歌詞の中で自然と「ありがとう」って出てくるの良いですよねえ。

おわりに

「ゲーム音楽」というコンテンツが割とこの数年で大きくなりすぎた感がありますが、やはりゲーム音楽というものはプレイヤーとしてお話の中に入りながら実体験としてストーリを経験する中でお話とともに流れてくる空気のようなものだと思っています。その空気に触れるとあの時の記憶が自然と流れてくる。そんな体験をこの音楽祭で共有できたらなと思っていました。
休憩時間でご来場いただいた皆さんが、楽しそうに笑顔でお話ししている様子、コックトンベリの写真などを撮ってくださる姿を見ていて、ああこの会をひらけてよかったなと思いました(私もそちら側なのに勝手に製作者の気分)
まだ演奏したい曲いっぱいなので、またやりたいですね。FF9もフィーチャリングできたらいいなぁ(チラチラ)縄跳び200回目指そう!

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

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