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取材記事:由利本荘市市民が洋上風力発電に反対する理由をご存知ですか?署名の重みは伝わったのだろうか?

洋上風力発電反対署名の理由を考えてみたい。


由利本荘市民を中心に、反対署名の中心になっているのは故郷を愛する市民団体である

"由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会"

佐々木憲雄さんが代表を務める。

約4ヵ月の活動で反対署名5260筆を集約し、由利本荘市の洋上風力発電の海外視察事業の市民報告会の前日である、2019年(令和1年)9月24日に提出した。

提出先は

由利本荘市市長 長谷部市長と

秋田県知事 佐竹知事である。

同時に「由利本荘沖洋上風力発電事業計画の中止を求める要望書」を提出した。

提出後、県庁内の一室でし、記者会見を行った。

なお署名は計画中止を求めて継続する、とのことだ。

写真①由利本荘市市長に署名を手渡す佐々木憲雄さん(写真提供:由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会)

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写真②記者会見の様子(写真提供:由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会)

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会見の記事は、詳しくは地元紙が良いであろう。

中立はマスメディアのスタンスである。

秋田魁新報2019年9月25日23面の記事を参照

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(秋田魁新報社提供:著作権許諾済)

署名の重みが市長と県知事がどのように受け止めたのか、今後の動きを市民は見ていくだろう。

画像③由利本荘市市長宛の署名用紙(提供:由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会)

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画像④秋田県知事宛の署名用紙(提供:由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会)

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反対理由は

もうこれ以上風車はいりません

である。さらに加えて

・地元住民の理解が得られていない

・風車の影響で健康被害に苦しんでいる人がいる(注1)

・渡り鳥や野鳥のバードストライクがおこっている(注2)

・鳥海山、日本海、里山の美しい環境が壊されている(注3)

・サーフィン、海水浴、釣りなどのマリンレジャーの妨げになる(注3)

・ハタハタなどの海洋生物への影響も計り知れない

・漁業の活性化にならず、地域貢献にもならない

・雇用にもつながらず、地域貢献にもならない

を反対理由として列挙している。

地元住民だから知っているのではないだろうか、すでにあれだけたくさん陸上風力発電施設が建設され、故郷の美しい自然環境を犠牲にして、本当に地域貢献になっていたのか?と。

この疑問は、住んでいる人が、地元を愛しているからの感覚だと私は思う。

市民でない方は、ご存知ない方が多いと思うが、由利本荘市にはすでにたくさんの風車発電施設が稼働し、故郷の風景は一変している。

写真⑤ 由利本荘市の地形図に風力発電が建設された、建設中、建設計画のあるもので判明したものをあらわした地図、赤い点が風力発電施設(提供:由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会2018年作成)

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以下には、注を付けた

(注1)健康被害がすでにある

(注2)バードストライクが起こっている

(注3)景観や環境が壊されたと市民は感じている

市民が反対するのは、(注1)〜(注3)を自らの目でみて、聞いて、感じたからだ、と私は考え、今後はその点にもフォーカスした取材を行う予定である。

特に、"健康被害がすでにある"という点は、

プライバシーに関わるところであり、地方ならではの周囲の目線を気にして、なかなか本音が出せない。

そもそも、風力発電施設による低周波音による影響すら、何故か日本ではほとんど研究や調査がされていない。

"水俣病を連想させる"私の中に突き刺さるトゲのような感覚があるのは確かである。

この重たい課題は、今後の取材で明らかにしていくつもりである。

記事19.10.4:山下友宏(更新19.10.4)

【参考】

由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会

署名運動





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