語学学習に一番大切なのは続けることで、続けるためには飽きないことだ。

「おじさん、語学する」という本を読んだ。今から10年以上前の2001年に出版された本なんだけど、この本はもっと読まれて欲しいし、何か言語を学習したいと思っているけれど、どうもやる気が出なかったり、なんだか続かないという人にオススメの本である。

娘がフランス人と結婚し出産、孫は自分の理解できないフランス語を話す。それが悲しくて勉強しようと決意した主人公がフランス語を学んで最後は孫に会いに行く、という物語。そう、これは語学学習本なのに物語で出来ている本なのである。でもこれがよく出来ていて、ちょうどいい具合に怠け者で、あんまり単調なことはしたくないけれど、適度にやらなきゃいけないよなぁと思っている主人公が同じく怠け者の私にそっくりで、すごく共感できた。基本的には無理せず、でもたまにはちょっと無理して頑張って続けて、自分の性格に合わせて学習していくことが大切か読んでいると伝わってくる。

読み終わって改めて思ったのは、語学学習において最も大切なことは継続すること、飽きないように工夫しながらとにかく続けていくこと、なんじゃないか。周りを見ていて思うのは、まあ続かないということだ。それで私だってなかなか続けるのは大変で、すぐあぁ面倒臭いと思ってゴロゴロしちゃうし、その気持ちはよくわかるので、続けていくための工夫を書けたらなと思う。そういうのは語学学習本には書かれていないし、誰も教えてくれないので、ちょっとしたヒントにはなると思う。ただ大事なのは自分がどうやったらモチベーションを維持できるかを知ることなので、最後は色々工夫しながら自分で探すしかないのだけれど。

私が最初に英語の勉強を始めたときは、まず「留学する」というはっきりとした目標があって、ロンドンに知り合いはいなかったし、誰も助けてくれないのだから自分でどうにかでできるくらい英語が話せなければいざという時に大変なことになる、という危機感があったので、そこそこのモチベーションはあった。けれどどうしても飽きてしまう時がある。そういう時は、イギリス映画やロンドンが舞台になっている映画をよく見た(ブリジットジョーンズの日記、ノッティングヒルの恋人、リトルダンサーなど)。これも勉強勉強と言いながら、うわぁイギリス英語だ、あぁロンドンってこんな感じなんだ、とかちょっとでも楽しい気持ちになれるよう観ていただけ。この頃はまだ全然英語で映画を観れなかったので、気楽に日本語字幕で観て、たまにちょっとでも聴き取れるとものすごく嬉しい気持ちになった。私は映像をじっと見ているのがあまり得意ではないので、映画を見ながら勉強というのはできなかった。だからあくまで映画は気晴らし。

他にもUK音楽をよく聴いていた。別に歌詞を聴き取ろうとするでもなく、普通に聴いて楽しんで、留学中にライブに行けたらいいなぁとか、そういう気持ちで聴いていた。ちょっとでもその国が身近に感じられると、語学に対するモチベーションも上がると思う。最初に選んだのが Florence and the Machineで、今でも彼女の曲を聴くとこの頃を思い出して初心に帰れる。そういう思い出の曲を作る意味でもおすすめである。

日本語で、その国に関する本を読むのもいい。とにかくモチベーションが上がればなんだっていいのだ。私は今フランス語を勉強しているので、それがきっかけで「おじさん、語学する」を見つけたし、他にもやる気がないときに読みたいフランスに関する本はいくつかある(パリでメシを食う、パリ季記、ワカメちゃんのパリのふつうの生活など)。言語はただ純粋に言葉を学ぶだけではなくて、文化や歴史、生活など色んなことを学んでいく必要があると思うし、そうじゃないとあまり上手くならない気がする。そういう意味ではなんだって勉強なんだから、疲れたときにはちょっと日本語で色々読んでみたっていい。

あとは同じように勉強している人の話をたくさん読むこと。できれば話せるようになった人の話がいい。今はブログもTwitterもあるし、同じ言語を勉強している人がどんな苦労をしてどんな喜びがあってどう上手くなっていったか全部読むことができる。英語が話せなくて苦しんでいた頃は、本当に話せるようになるんだろうかと何度も不安になったけれど、そういう時は話せるようになった人のブログを読んで、私もいつか絶対こうなるんだと自分を励ましていた。

これだけ書いて読み返して、役に立つようでいて全然役に立たないなぁと思うのだけど、まあこういうだらだらした文章で私は結構モチベーションが上がるタイプなのだ。長ければ長いほど、勉強から遠ざかれるから好きだと思うくらいに、私は怠け者なので仕方ない。大変だよね、語学って。まあお互い頑張りましょう。